飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

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ロシア国民の大半がプーチン首相の大統領復帰を「当然」と受け止め!

2011年10月07日 09時58分02秒 | Weblog
 来春のロシア大統領選でプーチン首相が大統領に復帰することが確実となったが、この決定をロシア国民の大半が「適法であり、当然」と冷静に受け止めていることが10月1ー3日に行われた世論調査で明らかになった。

 7日付の有力紙コメルサント(電子版)が伝えた世論調査機関レバダ・センターの調査結果によると、プーチン首相が次期大統領選に立候補するとの与党大会決定について42%が「メドベージェフ大統領の提案によるプーチン首相の大統領への復帰」とみなし、当然と受け止めている。また、24%が「正常な政治的手続き」とみており、さらに24%の人が「2人の政治家間の取り決めによるもの」と冷静に受け止めている。一方、「与党がメドベージェフ氏を大統領職から引きずり下ろした証拠」と否定的にとらえている人は4%にとどまった。

 また、今回の決定に関する反応で最も多かったのは「賢明な決定で違和感はない」と答えた人で、41%だった。次いで「プーチン首相の立候補に賛成する」が31%、「ホッとした」「安心した」が各6%だった。逆に「イライラする」が8%、「残念だ」は6%という結果だった。 

 一方、メドベージェフ大統領が12月の下院選挙でプーチン首相に代わって与党党首として陣頭指揮をとることについては「党への態度は今後も変わらない」と答えた人が54%で過半数を超えた。また、この決定を肯定的に受け止めた人が28%で、否定的な人は12%だった。

 今回の結果についてレバダ・センターのグラジダンキン副社長は「ロシア社会での画期的な変化は見られなかった。国民が期待し、予想していた通りの結果だったからだ」と総括。さらに、大統領選立候補をめぐってプーチン首相と争っているとみられていたメドベージェフ大統領について「大半の国民は自立した政治家とみておらず、一時的な大統領とみなしていたことが明らかになった」と分析している。

 一方、野党・共産党のオブホフ書記は「大半の人は現政権に対し否定的だが、表立って批判できないため、こういう結果になった」と語っている。リベラル派野党のヤブロコ幹部も「人々は現政権に不満を抱いているが、今はまだ政権を変える時ではないと思っている」と述べている。2人以外に選択肢がないという現状に、国民の不満が募っていることを示唆するコメントといえる。

 この世論調査結果が示しているのは、プーチン首相が名実ともに最高指導者として返り咲くことへの安心感、安堵感だろう。その半面、大統領再選への意欲を示していたメドベージェフ氏に国民がほとんど期待していなかったことを浮き彫りにした。政権側は双頭体制の継続を強調するが、双頭体制は事実上瓦解し、プーチン単独支配体制になるとの見方が強まりそうだ。

 

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