飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

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露検察庁、世論調査機関レバダ・センターに「スパイ活動」を警告!

2013年05月21日 11時06分56秒 | Weblog

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プーチン政権は今、非政府組織(NGO)の規制強化を進めているが、世論調査機関レバダ・センターが規制対象とされ、検察庁から「外国のエージェント」として登録するよう警告されていることが分かった。この機関はロシアの三大世論調査機関の一つだが、政権側から「政治的だ」としてマークされていた。

21日付けのコメルサント紙(電子版)によると、ロシア検察庁がレバダ・センターを「外国のエージェント」とみなしている理由として①外国の機関から様々な調査の注文を受けている②米国のソロス基金などから巨額の補助金を受けている③世論調査の結果を公表する際、職員に個人的な考えを述べることを容認し、世論を操作している、と指摘している。

検察庁は以上の理由により、レバダ・センターが啓蒙的な目的を目指しているだけでなく、政治的行為の実現を目指していると判断している。このため同センターが昨年11月から施行されているNGO規制法の「外国のエージェント」に該当するとして、直ちに登録するよう警告している。

この法律は、欧米の資金供与を受けて民主化や人権擁護に携わる非政府組織を取り締まるため、3期目のプーチン政権が法案化したもので、反プーチン勢力を封じ込めるのが狙いといえる。登録をしていない団体に対しては最高50万ルーブル(約150万円)の罰金、悪質なケースには2年間の禁錮が科される。

検察当局は今年2月からNGOに対する抜き打ち検査を実施しており、すでに欧米系の人権団体「アムネスティ・インタナショナル」支部など、数百団体を捜索して書類の提出や団体の登録を要求している。

三大世論調査機関のうち、レバダ・センターが槍玉に上がった理由について評論家は「政権側がいやがるテーマを取り上げて調査しているため、政権側に対し悪意があると受け止められているのではないか」とみている。その具体例として昨年、プーチン大統領が背中の痛みを訴えた問題で、同センターだけがこの問題を取り上げ、世論を調査したことを指摘している。

日本のメディア各社がレバダ・センターの世論調査結果をしばしば転載したり、分析結果を取材したりしているのも、他の2機関に比べて中立的と評価しているためである。とくに、政権側に都合の悪いようなテーマでも積極的に取り上げ、世論の動きをいち早く探ろうとしている姿勢に好感が持たれている。こうした団体まで「外国のスパイ」呼ばわりするのは、やはり“やりすぎ”という他ない。(この項終わり)

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