飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

ロシア、対ウクライナ戦争で「大敗北」の可能性も!

2022年09月13日 09時27分27秒 | Weblog

ロシア軍はウクライナ東部と南部の激戦地帯で、ウクライナ軍の攻勢を受けて後退を続けており、戦局の潮目が大きく変わったとの見方が強まっている。このため、ロシア国内で「反プーチン」の動きが活発化していて、今後冬に向かって事態が大きく変わる可能性も出てきた。

ロイター通信などによると、ウクライナ軍は9月11日までに、ウクライナ北東部のハリコフ州の都市、イジュームをロシア軍から奪還した。この都市は、ロシア軍が戦略拠点として利用している東部の軍事的要衝で、ロシア軍にとって3月の首都キーウ(キエフ)からの撤退以来の「大敗北」と伝えている。

ゼレンスキー・ウクライナ大統領は「反撃開始以来、約2000平方キロの領土を奪還した」と主張している。また、米シンクタンクは「ウクライナ軍が奪還した領土の面積は、4月以降にロシアが占領した全面積より大きい」と伝え、ウクライナ軍が反転攻勢を強めていることを強調している。

戦況の変化に伴って、ロシア国内での反プーチンの動きも強まっている。首都モスクワのロモノソフスキー地区議会ではプーチン大統領に辞任を要求。サンクトペテルブルク市の市民グループは、大統領に国家反逆罪の告発を議会に行うよう提案した。

この戦況の変化について防衛研究所の兵頭慎治氏はテレビ朝日の番組で「ウクライナ軍にとって、ロシア軍をキーウから撤退させたことに次ぐ大きな成果だ。これにより、ロシアは東部ドネツク州の完全制圧という最低限の軍事課題も難しくなり、戦局の潮目が大きく変わった可能性がある」と指摘している。

こうした状況が続けば、ロシアが核兵器の使用に踏み切る恐れもある。米国は今後もウクライナと東欧など近隣諸国に総額22億ドル(約3170億円)の軍事支援を行う意向を示しているが、ロシアを追い詰めすぎても禍根を残しかねない。これから冬に向かい、米露とも難しい判断を迫られそうだ。(この項終わり)

 

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