句仲間がワインを送ってくれた。
この方は私の高校の先輩でもある。
上品な雰囲気を持った素敵な俳人だ。
そしてその娘さんが夫唱婦随で、国産の
ワイン造りに励んでおられると云う。
ちなみに娘さんも同窓である。
記された回生から見ると十歳下の後輩だ。
赤白のセットで届いたワインには、信玄公の
イメージに合う「KIZAN」と書かれた力強いロゴが。
小さな三つ折りのリーフレットを開く。
(写真右下)
“周囲に山々が折り重なる甲府盆地
様々な果実が豊かに実るこの甲府盆地の
北東に機山ワインはあります
肥沃な耕地をもたらした笛吹川
その左岸にある自家農園のぶどうと
東山梨地区で栽培されたぶどうから
地域に根ざした個性あるワインを
造りたいと考えています”
家族経営の小さなワイナリーのようである。
赤はブラッククイーンというセパージュ。
私はあまり知らない銘柄であった。
プロポーションは100%。
普段はカベルネソービニオンやメルロといった
バンドペイの安ワインしか飲まない私にとっては
これはとても穏やかなテイストだ。
あっという間に飲み終えてしまった。
呑んだあとも胃が軽い。あえて言えば
私には上品すぎるかもしれない。しかし
これが体に優しいワインだなと思う。
白は甲州種100%。辛口のミディアムボディ。
この白も軽い。赤より軽いかもしれない。
私はいつもこう思う。自然のものは味が優しい。
果物でも自然は甘さもそんなに主張しない。
甘すぎる果物がスーパーに並んでいるが、いつも
これが本来の甘みだろうかと思ってしまう。
お茶にしてもそう。
化学調味料に慣れたお茶ばかり飲んでいると
自然のお茶が美味しいとは思わなくなってくる。
ワイン造りといっても基本は農業である。
自然相手の仕事はままならないことも多く
苦労は絶えないだろう。それでもこの娘さんの
ように大学で醸造学を学び、夢を以てワイン造りに
励んでいる人たちがいる。そういう人たちを
支援していかなくては日本の食に未来はない。
真剣にそう思うのだが、やはり日常では
スーパーに行けば手に入る、大手会社が輸入する
安い割りに味のいいワインとかを買ってしまう。
TTPの時代になればこれはゆゆしき問題だ。
そんなことも思いつつ、でもこの機山ワイン…
作り手の手間と愛情を感じるワインです。
私もワインが大好きなので、いつかこの
ワイナリーに吟行に行ってみたいなと
思ったのであった。
■機山ワイン
機山洋酒工業株式会社
山梨県甲州市塩山三日市場3313