思わぬ所から森伊蔵が手に入る。
この焼酎、かつて飲んだことは数回。
最初は会社の役員の冷蔵庫にあったものを。
2度目は小料理屋で。その店はオーナーが
古くからの酒屋で、森伊蔵も入荷できたときは
ほぼ定価で飲ましてくれた。それでも
かなり前のことだ。その店も今はもうない。
一度、普通の居酒屋で森伊蔵が品書きにあった。
品書きに書ける程仕入れられるはずがないのだが…。
注文するととっくりに入れらて供された。
不思議な出し方だなと思う。不審な感じ。
案の定、生で飲んでみると不味い。
明らかに偽物だった。こんな店もあるのだ。
それほど森伊蔵は希少価値がある焼酎なのだ。
この店、広島の牡蠣が売りもので、大将は
広島出身の大のカープファンだった。
それでたまに利用していたのだが、以来
この店には二度と行かなくなった。
いっときは抽選に申し込んだりもしたが
あまりにも当たらないので、いつしか
忘れた銘柄となっていた。お酒の専門店で
三万円の値札で売られていたこともあった。
久々に飲んでみて、昔ほど感激することもないが
やはり上品でほのかな味わい。それでもこの酒
やはり庶民には高嶺の焼酎。たまに飲めれば
いいのかもしれない。庶民に届くように一杯造れば
またこんな味なんて出せるはずはない。
美味い酒とは如何せんトレードオフな関係なのだ。
しかし焼酎はもともとは庶民の酒なので少し悔しいが…。
■有限会社森伊蔵酒造
鹿児島県垂水市牛根境1337
1800ml 2,808円