広島へ転任することになった。
家探しに出かけた。
新神戸からはのぞみで1時間20分ほど。
2時間圏だと思い込んでいたので
案外な時間的近さに驚いてしまった。
広島駅から在来の可部線に乗換え
ひと駅目の横川駅で下車。そこから
路面電車の電停横川駅へ乗り換える。(写真)
乗り方と方面が解らなかったので
並んでいる若い男の人に尋ねた。
「150円ですよ。降りる時に払います。」
と広島弁の親しみのあるイントネーションが
心地よくそして優しく耳に入ってきた。
「これからここで暮らすんやなあ。」
という最初の実感を覚えた一幕目となった。
ここから土橋駅へ向かい、そこで降りる。
連絡しておいた街の不動産屋へ。
今回、あえて大手の会社は選ばなかった。
応対したのは、30歳前後の
はつらつとした可愛い女性だった。
どうやらここの孫娘らしかった。
初めて電話をかけた時、彼女の
その応対にとてもにいい印象を感じた。
明るくて積極的だった。
今は仕事が楽しくて仕方がない
といった気持ちがオーラみたいに伝わってくる。
こういう人から人は物を買いたいと思うだろう。
誠実でまっすぐな、まさに印象通りの娘だった。
「あ!広島っていいな。」
の二幕目であった。早速
車で物件を案内してくれた。
「神戸って素敵ですよね。私も大学は
神戸に行きたかったんですけど…
親に広島から出してもらえなくて。
今でも神戸は憧れの街なんです。」
車で何軒か見て回ったが、結局
最初に案内されたお薦めの物件に決めた。
間取りの絵と地図でこちらも
ここにしようと思っていた物件だった。
平和公園へは橋を渡ってすぐだし、
スーパーも目の前で生活にも便利だ。
繁華街へも散歩がてら歩けるし
なにより会社へも近いのがいい。
家探しで最初に出会った広島の人たちが
とてもよい感じだったという幸運。
平和公園のすぐ隣で、間取りも
希望通りの住まいが見つかったという幸運。
始めにこうした幸運が重なると
これから数年の広島暮らしが
とてもわくわくとして楽しみになってくる。
家族には二重生活を強いてすまなく思うが
神様がこうして新しい出会いと
機会を与えてくれたことに
感謝しなくてはいけないと思う。
三月からは広島からの便りを
楽しみにしてくだされば幸甚です。