ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ツォツィ』

2007-02-16 21:48:53 | 新作映画
(原題:TSUOTSI)

---最近、アフリカを舞台にした映画が多いね。
確かこの映画、
2006年アカデミー賞外国語映画賞を受賞したんだよね。
「そう。それってアフリカ映画では初めてのことらしい」
---ところでタイトルの意味はニャンなの?
「主人公の少年の呼び名。
一般的には、南アフリカの黒人居住区に住む
黒人都市犯罪者、チンピラ、ギャングを意味するらしい。
この映画では、その少年ツォツィが
ブッチャーやボストンら仲間とともに
裕福な男から金を強奪するところから始まる。
しかもキレやすいブッチャーが
アイスピックで相手を刺殺してしまう。
たまり場に戻っても
殺人のショックが収まらず、
ツォツィにからむボストン。
ツォツィはボストンを血だらけになるまで殴りつけ、夜の街へ。
ふと気づくと、そこは豪邸の前。
彼は視界に入った女性に銃弾を浴びせ、
その車を奪い取ってしまう」

---!!!ニャンともヒドい男だね。
「でしょ。
しかもその中にはひとりの赤ん坊が…。
最初は置き去りにしようと思ったツォツィだが、
なぜか赤ん坊を抱き上げ
紙袋に入れて家に連れ帰る。
しかし赤ちゃんはいつまでも泣き止まない。
おむつを替え、コンデンスミルクを与えるツォツィの脳裏には
自らの悲惨な過去がフラッシュバック。
いつしか彼は、赤ちゃんを我が子のように扱い始める。
だが、一方では警察がツォツィを追っていた…という話だ」

---ニャるほどね。
感動のドラマって感じだけど、
アカデミー賞受賞の決め手はニャんなの?
「プレスには海外の絶賛レビューがたくさん載っていたけど、
『ザ・タイムズ』のウェンディ・アイドの評に尽きると思う」

---うわあ。それ聞きたいニャあ。
「『ギャヴィン・フッド監督の偉大な功績は、
90分前には非難の的だったこの若者に対し、
エンディングでは観客に涙を流させたことだ』」

---おぉぉぉ~っ!
「これぞ映画の持つ<神秘>の一つだろうね。
この短い時間の間に、
悪に染まりきっていた少年ツォツィの贖罪へと至る心の変容を描き、
観客にも彼に寄り添わせてしまう。
人は変われるものだと言う確信の元に、
寛容の精神を貫く監督ギャヴィン・フッド。
やはり映画はかくありたいね」


 (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「人間は変われるんニャ」ぱっちり

※アパルトヘイトは終わったけ度
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猫ニュー

※画像はドイツ・オフィシャルより。