ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ハンニバル・ライジング』

2007-02-14 01:11:36 | 新作映画
(原題:Hannibal Rising)


「う~ん。このシリーズは
監督にとってアプローチが難しい作品だなあ」

---えっ、どういうこと?
「シリーズ化されるきっかけとなった
『羊たちの沈黙』がホラーとして初のオスカーを獲得。
でも、物語自体はシリアルキラーものだよね。
本来ならばB級映画として扱われてきたはずの作品。
そのままやっちゃうとかなりヤバい。
なんと言っても“人喰いハンニバル”だからね」

---いわゆるキワモノってわけだね。
「うん。
だからその偉大なる一作目を意識してか
続編『ハンニバル』も『レッド・ドラゴン』も
ある種の格調を備えた作りとなっていた。
そこでこの『ハンニバル・ライジング」だ。
監督が『真珠の耳飾りの少女』で一躍名を馳せたピーター・ウィーバー。
アカデミー賞の各部門にノミネートされたこの映画で
フェルメール作品の色彩や構図を
そのまま映像に取り入れてみせた彼だけに、
この作品もかなり絵画的。
思い切ったロングショットの多用など、
いわゆる品のある作品に仕上がっている。
でも、この映画のキモは
いかにしてハンニバルがカニバルとなったか?だからなあ」

---つまり衝撃性に欠けるということ?
「そうだね。やはりファンとしては、
彼が“目覚める”瞬間を
いちばん待ち望んでいるわけじゃない。
でも、あまりにも押さえて描いているため、
<劇性>に欠けているんだね」

---で、そのきっかけというのは何よ?
「うん。話としてはかなりヤバ目。
舞台は第二次世界大戦末期のリトアニア。
少年ハンニバル・レクターと妹のミーシャは戦火で両親を失い、
小屋に隠れ住んでいた。
そんな2人のところへ脱走兵一味が闖入。
寒さと厳しい飢えの中、
彼らは肺炎にかかっているミーシャを殺して食べる。
やがて成長したレクターは
叔母に当たる日本人女性レディ・ムラサキに出会い、
そこで復讐の機会を伺う……というお話だ」

---えっ、日本人女性が出てくるの?
だれ、だれがやってるの?
「コン・リー。
『SAYURI』の影響は大きいね。
そろそろ彼女と並ぶ日本人女優が出てきて良さそうなものだけど…」

---レクター役は?
『ロング・エンゲージメント』のギャスパー・ウリエル。
青白い顔で、
アンソニー・ホプキンスというよりドラキュラ、
それもベラ・ルゴシを思い出させた。
そう言えば、螺旋階段をメイドが上がってくるところとか、
どことなくヒッチコック風のサスペンス。
やはり監督は、品のある作品に仕上げようとしていたんだろうな」


 (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「そうは言っても、フォーンは目を開けていられないニャ」もう寝る
※続編どんどんできそうだ度
人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー