ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『花と蛇2 パリ/静子』

2005-03-22 22:00:09 | 新作映画
--------いよいよ、今夜は衝撃の問題作『花と蛇2』。
前作が予想を超えるヒットを記録しただけに、
その「パート2」って難しそうな気がするにゃあ。
「前作を簡単におさらいしてみよう。
あれは、静子夫人の美貌に魅せられた昭和の巨魁が
彼女の夫を罠にはめ、妻を売るように仕向けさせるというもの。
この映画の特徴は“見世物性”。
フェイドアウトで繋ぎながら、SMプレイが次々と映し出されていく。
でも、その快楽よりも“痛み”が前面に押し出され、
エロチシズムに欠けた作品となっていた」

--------でも、確かタブーを破るかのような
杉本彩の体当たりの“演技”が話題となってたよね。
「そう、それだけに本作も簡単に生まれはしなかったようだ。
監督の石井隆が杉本に送ったいくつもの企画に、
彼女はなかなか首を振らなかったらしい。
なるほど観て納得。
本作は前作とは似て非なる作品に仕上がっている」

--------えっ、でも基本はSMなんでしょ?
「そんなことあっさりフォーンに言われると、戸惑ってしまうなあ(笑)。
ポイントは“三角関係”。
美術評論家の遠山隆義には美貌の妻・静子がいた。
ふたり、夫婦仲はいいものの、遠山はもう老境。
夜の生活は送れずにいる。
そんな彼に、日本絵画界の長老が
静子をモデルとしたCGアートによる春画を見せる。
それに触発された遠山は、
妻の隠された<性>を知ろうと、ある一計を案じるというお話さ」

--------あれっ、杉本彩との絡みが話題になっている遠藤憲一は?
「よく知ってるね(笑)。
遠山は静子をパリに送り込む。
そこで彼女を待ち受けているのが、遠藤憲一扮する若き画家・池上亮輔。
静子は彼に将来の可能性はあるか否かを見極めにきたわけだ。
ところが、ふたりは互いに惹かれてしまう。
このふたりのセックス・シーンがとにかく生っぽい。
汗の匂いまでしてきそうなくらいだ」

-------こっちの方が、今までの石井隆に近そうだ?
「そうだね。かつて彼の映画の特徴とされた
<夜>と<雨>も効果的に使われてる。
また、これは映画の種明かしにも繋がるから
はっきりとは言えないけど、
杉本彩と遠藤憲一の絡みのシーンでは
カメラアングルによって録音を変えるなど、
今回は、とにかくその<音>が印象に強く残ったね。
石井隆映画に欠かせない安川午朗の音楽も
70年代フレンチ・ポルノを思い起こさせる旋律を中心に
ほとんど休むことなく流れ続ける。
これもエンターテイメントを意識したサービスの一つかな(笑)」

      (byえいwithフォーン)

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