大失敗した。
分かっていたことなのに。さんざん学んできたはずのことなのに。
どうしても自分の苦しみを聞いてほしくて、わかって欲しくて、2時間携帯を握りしめて迷いに迷った挙句、道場の先生に電話した。
失敗だった。
「お願いです、聞いてください」「わかってください」 そう懇願した。
否定された。
お前の苦労など、まだまだ小さいものだ。そう言われた。
叫んで、電話を机にたたきつけた。
もういい。
もういい加減学んだ。適材適所だ。
二度と同失敗は繰り返さない。
二度と、ある側面でいかに尊敬できる人物であっても、信頼できる人物であっても、相談のノウハウを持たない素人が自分を救ってくれるなど絶対に思わない。
俺が悪いのだ。
さんざん学んできたはずだったのに。
「他人の話を聞く」ということは、素人には絶対に期待してはいけないことだったということを。
一見誰にでもできることのように見えて、その実、持論も、説教も、一般論も挟まずに相手の話すことを聞くことは、プロにしかできないことだということを、俺は今まで救いを求めて差し伸べた手に唾を吐かれながら学んだはずだったのに。
先生はあくまで居合の先生であって、カウンセラーなどではないのだ。
希望を抱くべきではなかった。
その後、生まれて初めて「いのちの電話」に電話し、じっくり話を聞いてもらった。
何とか落ち着いた。
この種類のサービスを利用することにはかなりの抵抗があったが、電話して本当に良かった。24時間サービスを見つけたのが幸運だった。
今後俺は何があっても素人相手に口を割るなどという愚行に及ぶことはないだろう。
もしこの文章を読んでいる方がいたら、あなたにも同じことを言っておきたい。
どんなに親しくても、愛情を持っていても、優秀な人でも、血が繋がっていようが、
彼らはあなたを救ってなどくれない。
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