会社帰りに三鷹前"CORAL"へ立ち寄りました。江戸時代から現代までの"根付展"は、入り口で虫めがね(ルーペ)を借りての鑑賞。"根付"自体は実用品ですが、そこに粋と洒落を彫り込んだ江戸っ子文化。ワシントン条約で国際取引が禁止された象牙の彫刻、この細かな匠の技は日本人のお家撃ナすし、手のひらに乗る極小サイズの世界は日本男児好み。絶妙なデフォルメ具合は、粋と洒落にとどまらず、ひとつひとつがアートであり、作者独自の世界観が表現されています。コレクターアイテムとしては、素材も製法異なるものの「グリコのおまけ」から「海洋堂」に代表される食玩にも通じるものを感じました。ミニチュアに匠の技巧、繊細かつユーモアを醸し出す、なんとも日本人らしい楽しい世界でした。
~以下、公式HPより~
根付は、印籠や巾着などの持ち物を携帯する際に紐の先端に付け、帯にくぐらせ留具として用いる小さな彫刻(細工物)です。ャPットがない和装の時代には日常的な実用品であった根付ですが、意匠や細工が次第に洗練され、庶民文化が成熟する江戸後期に全盛期を迎えます。裕福な町人は素材の贅沢さや技巧の精密さ、洒脱で機知に富む意匠を競い合い、根付は装飾品であると同時にコレクターズアイテムとしての性格を強めていきます。しかし明治以降洋装化とともにその需要は衰え、欧米人によって美術工剣iとして新たな価値を見いだされた根付は、その多くが海外へ流出しました。こうして国内から消えてゆくかに見えた根付ですが、主に海外向けの輸出工剣iとして存続し、戦後は研究会の発足や展覧会の開催など根付を再評価する動きが盛んになります。1970年代には作り手の側で大きな意識改革がおこり、伝統的な根付のコピーを制作する<職人>から、オリジナルな発想で独自の個性を発揮する<件p家>へと移行していきます。本展覧会では、「京都 清宗根付館」が所蔵する江戸から近代にかけての伝統的な根付と現代根付約300点をご紹介します。新しい素材や現代性を盛り込みながら今も息づくその魅力と、江戸と現代をつなぐ造形の妙をご堪能ください。 古根付 約60点、現代根付(印籠含) 約245点