おてんきぷらぷら

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築地ワンダーランド

2017年02月04日 | Movie
1月20日~23日、羽田金曜夜発〔2泊4日〕にてシンガメ[ルへ。わがまま街歩き。
1月23日、帰途、シンガメ[ル航空SQ634便機内にて、映画『築地ワンダーランド』を鑑賞しました。本作は、2016年11月に豊洲に移転予定の東京都中央卸売市場築地市場の日常を1年以上にわたり追い鰍ッたドキュメンタリー映画。奇しくも豊洲移転は小池都知事就任以来のすったもんだ前途多難の闇の中ですが、"築地市場"に生きる、食の流通にプライドを懸けて日夜仕事に精を出す人々の姿を感動的に映し出した作品です。江戸時代の魚河岸にまでその起源をさかのぼる"築地市場"。そこでは仲卸と呼ばれる、卸売業者と小売業者などの仲介をする人々や、買い出しに訪れたプロの料理人たちが日々激しいやり取りを繰り返しています。多くの人々が行き交う歴史ある市場、そこに集う各分野のプロフェッショナルたる職人の皆さんのインタビューから、世界に希なる日本食の文化の根源を見ることになります。バラク・オバマ前アメリカ合衆国大統領も食したすし店すきやばし次郎、和の鉄人・道場六三郎ら築地と縁の深い面々に取材も。印象的であったのは、料理評論家・山本益博氏の「築地は世界一の魚市場じゃない。世界“唯一”の魚市場」の言。曰く、命の危険を承知で海に出て仕事をするプロフェッショナルの漁師たちの情熱があり、港に届いた魚介を鮮度と質を落とすことなく築地へ運ぶプロフェッショナルの運搬人の熱意があり、それをすし屋、料理屋へ下ろすプロフェッショナルの仲卸の方々の魚介への敬意があって、東京の魚文化、ひいては日本の食文化が生まれてきたのだ。日本人の海の幸に対する尊敬の念が結集している象徴が“築地”とのこと。豊洲移転ばかりが注目をあびる"築地市場"ですが、場内の仲卸店舗で働く人たちの顔立ち、振る舞いのかっこよさ、何より毎日各地から届く飛び切りの魚介、それがたとえ鰯一尾でも「敬意」を忘れずに取り扱い、と同時に世界で比類のない魚市場で働いている「誇り」を余すところなく描き出した働く人間群像の映画です。