おてんきぷらぷら

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大正ロマンの恋と文

2014年08月30日 | Museum
8月30日『昼v夢二生誕130年記念 大正ロマンの恋と文』三鷹市美術ギャラリーにて。
鹿島サッカー遠征の前に立ち寄った地元三鷹市美術ギャラリー。本日からスタートの企画展は、大正の浮世絵師こと昼v夢二。夢二の描く独特なタッチの美人画は、大正浪漫の雰囲気を醸し出し、白く細い二の腕に、すらりと伸びた首、デフォルメされた女性の容姿やしぐさは何とも言えない心地よさを感じます。日本の伝統的色柄を使いつつ浮世絵風の女性を描く一方で、大正モダンやアールヌーボーの雰囲気を取り入れた広告ャXターやグラフィックデザイン、千代紙の図柄など今も色あせない魅力はさすが夢二。また、数々の女性と浮名を流し、都度、彼女たちへの筆まめぶりがわかる多数の書簡の展示も本企画展の見どころです。複数の女性を愛することも大正デモクラシーでしょうか。これも含めて、夢二の夢二たる所以。これらの展示品は、三鷹市所蔵とのことで、普段は意識しない自治体としての文化教養度に、マイホームタウンを見直しました。

以下、本展チラシコメントより。
“夢二式美人”で大正ロマンを代表する画家:昼v夢二(1884~1934)。常に時代感覚を先取りするパイオニアであった夢二は、それまで敷居の高かった絵画を大衆に発信し、より私たちの生活に身近なものにしました。雑誌の口絵や挿絵、セノオ楽譜や文学作品の装幀はもちろんのこと、時には自ら詩を紡ぎ、「宵待草」は流行歌となりました。夢二は生涯にわたり、創作領域にこだわらぬ自己表現を貫いたといえます。三鷹市が所蔵する高相コレクションの特徴は、膨大な文(ふみ)にあります。本展では肉筆画や装幀本のほか、妻・たまき、「宵待草」のモデルとされるおしま、夢二が最も愛した彦乃、モデルから恋人となったお葉、「少年山荘」に編集者として訪れていた秀子宛ての書簡を中心に公開します。多忙な創作活動の渦中に筆を執り、夢二が心の拠りどころにした女性たちにしたためた想いとは・・・。本展覧会によって、生誕130年、没後80年を迎える昼v夢二の多彩な功績に華を添えられれば幸いです。






「宵待草」 
  待てど暮らせど来ぬ人を 宵待草のやるせなさ 今宵は月も出ぬさうな

「宵待草」原詩 
  遣る瀬ない釣り鐘草の夕の歌が あれあれ風に吹かれて来る
  待てど暮らせど来ぬ人を 宵待草の心もとなき
  想ふまいとは思へども 我としもなきため涙 今宵は月も出ぬさうな