日刊魔胃蹴

暑すぎてつらい。

高木菜那がマススタート初代女王!パシュートに続き2個目の金メダル!

2018年02月24日 | Sports

日本のメダルラッシュに沸いた平昌オリンピックももうすぐ閉幕。大会16日目の24日は、スピードスケートのマススタートが行われました。今大会から正式種目となった「マススタート」は、400mのリンクを16周滑り、4周ごとの順位でポイントが加算。4・8・12周では、1位に5点、2位に5点、3位に1点獲得。ただし、ゴールの時は1位に60点、2位に40点、3位に20点が与えられます。快進撃を続けている日本女子チームは、団体パシュートの金メダルに貢献した高木菜那選手と佐藤綾乃選手が出場しました。



準決勝は各組12人が出場し、上位8人が決勝に進出。第1組に登場した高木菜那は、最初の1周目を5番手で通過。同組のライバルであるキム・ボルム(韓国)は最後方追走。3周目に最初の鐘が鳴ったところで、菜那が仕掛けると、後続の選手も一気にスピードを上げたが、菜那が4周目を先頭で通過して5点を獲得。これは大きい。2回目の中間スプリントでは、スハウテン(オランダ)に5点、キムボルム(韓国)3点、マンガネロ(米国)1点。3回目の中間スプリントでは、ロロブリジダ(イタリア)5点、郭丹(中国)3点、キムボルムはここでも1点を積み上げ、合計4点。ロロブリジダはすでに3点を挙げており、12周を終えて8点獲得。
残り1周となったところで、マンガネロが先頭、郭丹2番手、3番手にマリナ・ズエワ(ベラルーシ)。菜那は真ん中の位置。最後のスプリントで郭丹とロロブリジダが並んでゴール、3番手のモリソンが20点を獲得。5点を獲得している高木菜那は9番目でゴール。
第1組を終え、ロロブリジダが最後に60点を獲得し、合計68点で首位。郭丹が43点で2位。モリソンが21点で3位。高木菜那とスハウテンが5点で並んだが、先着したスハウテンが4位、高木は5位で決勝進出決定。中間スプリントでポイントを獲得したキムボルムとマンガネロも決勝に進み、マリナズエワが8分54秒38で8位通過。9位のデンマークのエレナミュラー・リガスは、わずか0.01秒差で涙を呑みました。


第2組には佐藤綾乃が登場。高木菜那に続いて決勝に進みたいところ。序盤から集団の真ん中を滑走すると、3周目を終えたところで6番手を追走。最初の中間スプリントで、トップのベルフスマ(米国)に5点、李丹(中国)3点、ブロンディン(カナダ)が1点を獲得。佐藤は6番手で通過してポイントを獲得ならず。残り10周で佐藤が3番手に上がり、2度目の中間スプリントでブロンディンの背後につくが、第2カーブを曲がり終えたところでブロンディンが転倒。佐藤とファンデルバイデン(オランダ)も巻き込まれて転倒。ブロンディンとファンデルバイデンはレースに復帰、佐藤は立ち上がったものの戦線離脱。
レースはこの後、3回目の中間スプリントでベットローネ(イタリア)が5点、ポーランドのズロトコフスカが3点を獲得するも直後に転倒。パクジウ(韓国)が3番手で1点獲得。大荒れの展開となった第2組、残り1周の鐘が鳴ったところで、ファンデルバイデン先頭、2番手にズドラハロバ(チェコ)、李丹3番手、高得点が欲しいパクジウは4番手。ラストの直線でスドラハロバがファンデルバイデンの内側に入り先頭でゴールして60点獲得。転倒から挽回したファンデルバイデンが40点獲得で2位、3位には李丹が入った。以下、ペピシュタイン(ドイツ)、ベルフスマ、ベットローネ、アルサル(エストニア)、ズロトコフスカが決勝に進出。パクジウは4番手でゴールするも、最後のスプリントで無得点に終わり予選落ち…。



マススタート初代女王の座をかけて争われる決勝。1周目のポジション争いで、高木菜那は集団の真ん中につける。2周目に入ったところでアルサルが最後方から一気にスピードを上げて先頭に立ち、後続に大差を拡げる。アルサルは大逃げを打って、中間スプリントのポイントを荒稼ぎする作戦のようだ。4周目を終えて、先頭のアルサルが5点、2番手の李丹3点、3番手のロロブリジダが1点獲得。菜那は残り10周時点でまだ集団の真ん中の位置。
8周目を終え、一人旅のアルサルが5点を追加して10点。転倒して周回遅れにならなければ入賞は確実。2番手の李丹はまた3点、ズロトコフスカが1点GET。菜那は残り6周で6番手。まだ力は温存している。
3回目の中間スプリントで、首位のアルサルがさらに5点積み上げて合計15点。マリナズエワが2番手で通過して3点獲得、3番手争いはズトラハロバが制して1点獲得。
終盤に差し掛かり、独走のアルサルと2番手グループとの差が周回毎に縮まる。残り3周のところで、2番手マンガネロ、3番手スハウテン、高木菜那4番手、キムボルムがその後ろの5番手。そして残り2周半で後ろのグループがアルサルを抜き去る。残り2周、先頭グループは7人縦一列。残り1周を目前にしてスハウテンが前に出ると、菜那とボルムもしっかりついて行く。ベルフスマとマンガネロの米国勢は脱落。第1カーブを曲がり終えてもスハウテン先頭、菜那がピタリと2番手、キムボルム3番手。ロロブリジダと李丹は後退。4コーナー手前でスハウテンが外に膨れ上がると、高木菜那が内側から差して先頭浮上!後ろからキムボルムが追い込んでくるが、高木菜那が先頭でゴールイン!高木菜那が最後のスプリント勝負を制して金メダル!!



スピードスケート 女子マススタート 結果
金メダル:高木菜那(日本)   60点 8分32秒87
銀メダル:キム・ボルム(韓国) 40点
銅メダル:イレーネ・スハウテン(オランダ) 20点
4位:サスキア・アルサル(エストニア) 15点



スピードスケート最終日に、またまた快挙達成です!女子マススタートで高木菜那選手が見事金メダルを獲得!団体パシュートに続き、2個目の金メダルです。1大会で複数の金メダルを獲得したのは、スキージャンプの船木和喜さん(長野五輪個人ラージヒル&団体に次いで史上2人目となります。中間スプリントでは3回とも得点できませんでしたが、残り2周半で3番手、ラスト1周で2番手に上がり、第2カーブの出口でスハウテン選手を逆転し、最後は後続を振り切り1着。競馬か競輪でいえば、番手マークからのイン強襲といったところでしょうか。
銀メダルを取ったキムボルム選手は、終始高木菜那選手をマークし続けましたが、最後の追い上げも届かず。レース後にはスタンドに向かって深々と頭を下げていました。土下座っぽく見えましたが、「クンジョル」といって、韓国では最上級のお辞儀だそうです。キムボルム選手は「パシュート置き去り事件」で大きな批判を浴びていましたが、メダルを獲得したんだから許してやってもいいんじゃないかって思います。
この五輪でマススタートを初めて見ましたが、大逃げを打っていた選手が失速したり、選手同士の駆け引き、残り3周を迎えてからのペースアップ、最終周回の激しい攻防が見られたし、それに日本の選手が優勝したから、本当に見応えがありました。競馬&競輪好きにはたまらんスポーツだと思います。

スピードスケートは全ての種目が終了し、日本は金メダル3個、銀メダル2個、銅メダル1個の合計6個を獲得。小平奈緒選手は500mで金メダル、高木美帆選手は金・銀・銅を1個ずつ。お姉さんは金メダル2個。高木姉妹で5個のメダルを獲ったのは凄いです。女子チームの大躍進が目立ったけど、男子も入賞者が続出。小田卓朗選手は1000mと1500mで5位入賞。男子500mでは山中大地選手が5位、加藤条治選手が6位。男子パシュートも5位になりました。次こそは男子にメダルを…。




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