「2018平昌オリンピック」は、大会6日目の14日は、スノーボードの男子ハーフパイプ決勝が行われました。日本からは前回のソチ大会でメダルを獲得した平野歩夢選手と平岡卓選手、初出場の片山来夢選手と戸塚優斗選手の4人が出場。13日の予選では平野選手、片山選手、戸塚選手の3人が決勝に進み、平岡選手は予選落ち。決勝は3回演技して最も高いスコアが採用される。スノーボード競技で日本初の金メダル獲得なるか?
予選10位の戸塚は、1本目にフロントサイド1080、ダブルコーク1080(横3回転+縦2回転)、ダブルコーク1260(横3回転半+縦2回転)、バックサイド900(後ろ向き2回転半)と次々と技を決めていくが、最後のキャブ1080で着地に失敗。挽回したい2本目だったが、最初のエアで転倒。体を強く打って担架に運ばれた戸塚は、残念ながら3回目の試技は棄権しました。
予選5位通過の片山は、1本目の最初に滞空時間の長いエアを見せると、フロントサイド1440(前方4回転)、グラブ付きのダブルコーク1080、フロントサイド900、バックサイド1260と繋ぎ、最後はフロントサイド1440を決めてフィニッシュ!ノーミスで滑り切った片山は、85.75点を記録した。
予選3位通過の平野歩夢、悲願の金メダルをかけた1本目の試技。最初のエア・メランコリグラブで5m以上の高さを見せ、その次にフロントサイドのダブルコーク1440(横4回転+縦2回転)を成功させるが、3番目のキャブダブルコーク1080で尻持ををついてしまい、記録は35.25点に終わり、1本目を終えて9位。
金メダル争いのライバルで、この種目で2度の金メダルを獲得しているショーン・ホワイト(アメリカ)は、いきなりダブルコーク1440を決めると、キャブダブルコーク1080→ロデオ540→ダブルマックツイスト1260を決めてフィニッシュ。1本目から絶対王者の貫禄を見せたショーンは、94.25点のハイスコアで1本目でトップ。
1本目で出遅れた平野、巻き返しを狙う2本目で本領発揮。グーフィースタンスでスタートし、まず最初に高めのフロントエア、その次にフロントサイドダブルコーク1440を決めると、さらにはキャブ付きのダブルコーク1440を成功!これで勢いづいた平野は、ダブルコーク1260→ダブルサイドの1260を決めた!平野がこの場面で五輪史上初の連続4回転を成功させた!得点も95.25点とショーンの得点を上回る!
暫定2位のショーンも、負けじとダブルコーク1440とキャブダブルコーク1440を成功させるが、バックサイド1260で着地失敗。55.00点に終わる。2本目を終えて平野とショーンの差はわずか1点差。
運命の3本目、2本目終了時点で暫定5位の片山は、2つ目のエアでフロントサイド1440。その後ダブルコーク1080→フロント900→バックサイド1260を次々と決め、最後の1260も着地が決まりフィニッシュ。ノーミスで終え、全てを出し切った片山の3本目は、87.00点と1本目よりスコアを伸ばした。
そして平野VSショーンの金メダル争い。暫定トップの平野は、フロントサイドダブルコーク1440を再び決めたが、キャブダブルコーク1080の後のダブルコーク1260で失敗。スコアを伸ばすことができず。
逆転を狙うショーンは、スタートから攻めてきます。ダブルコーク1440を連続で成功させると、ロデオ540→ダブルマックツイスト1260と繋ぎ、最後はダブルコーク1260を決めた!ゴールと同時に雄叫びを上げたショーンは、97.75点を叩き出し、平野を逆転して金メダル!平野歩夢はソチに続いての銀メダルです。
スノーボード男子ハーフパイプ最終結果
金メダル:ショーン・ホワイト(米国) 97.75点
銀メダル:平野歩夢(日本) 95.25点
銅メダル: スコッティ・ジェームス(豪州) 92.00点
7位:片山来夢(日本) 87.00点
11位:戸塚優斗(日本) 39.25点
男子ハーフパイプ史上初の金メダルが期待された平野歩夢選手、五輪で初めての連続4回転技を成功させましたが、最後にショーン・ホワイト選手に逆転されました。それでも、前回大会に続いての銀メダル獲得です。「フロントダブルコーク1440」に「キャブダブルコーク1440」と4回転の技でショーンにプレッシャーを与えたけど、ショーンも負けじと4回転を繰り出しましたね。ショーンが3本目でパーフェクトな演技を見せたんで、レジェンドはさすがに凄いと思いました。両者お互い命懸けで挑んだんで、本当にいい勝負を見せてくれました。
平野選手はソチ五輪のあと、2016年の「ウィンターXゲームズ」で優勝を経験しますが、2017年3月に左ひざ靭帯と肝臓損傷の大怪我を負い、あわや選手生命の危機に立たされました。しかし、五輪前哨戦の「2018ウィンターXゲームズ」で2度目の優勝を飾り復活をアピール。ショーン選手も昨年、顔面を強打して62針を縫う大怪我を経験しています。その2人がケガを乗り越えてメダルを獲得したのは素晴らしいです。
3度目の金メダルを手にしたショーン・ホワイト選手は、2020年の東京五輪のスケートボード競技に出場する可能性もあるとのこと。本人は「練習すれば十分にできる」と前向きな様子。となれば、東京で平野選手との再戦が見られるかもしれません。