昨年は東日本大震災と原発事故の影響で中止された福島競馬場の夏開催が16日に開幕。「夏の福島」が2年ぶりに戻ってきました。2012年の夏競馬がスタートし、父の日だった17日は、函館競馬場でサマースプリントシリーズの開幕戦「函館スプリントステークス」、阪神競馬場で牝馬のハンデ重賞「マーメイドステークス」が行われました。
函館メイン・第19回函館スプリントステークス(GⅢ・芝1200m)は、11頭立てで争われました。高松宮記念で3着に敗れた①ロードカナロアが、秋に向けて函館で再始動。カナロアの他にも、2連勝中の②ドリームバレンチノ、③エーシンリジル、昨年のスプリンターズステークス2着の⑦パドトロワ、3歳馬の⑤レオンビスティーが参戦しました。
揃ったスタートで始まったこのレース、注目のロードカナロアは先行争いに加わらず、6番手に控える。④ナイアード、パドトロワ、レオンビスティーが先頭集団を形成し、⑨ドラゴンファング4番手、5番手カナロア、⑧ブルーミンバー6番手。7番手にドリームバレンチノ、8番手エーシンリジル、後方には⑥キングレオポルド、⑪カレンチャン、しんがりに⑩ビスカヤが追走。
3,4コーナー中間点を通過し、ナイヤードが先頭、2番手にレオンビスティー、パドトロワが3番手から接近し、ロードカナロアは4,5番手辺り。バレンチノが外からじわっと上昇。残り400mから最後の直線に入り、パトトロワが一旦先頭に立つが、外からドリームバレンチノがかわして先頭に浮上。カナロアは馬群から抜けて2番手に浮上するも、前には届かない。先頭のドリームバレンチノはロードカナロアの猛追を抑え、1着でゴール!バレンチノ重賞初制覇!
サマースプリント開幕戦・函館SSは、直線で早めに抜け出したドリームバレンチノが勝利。圧倒的1番人気に支持されていたロードカナロアは、4コーナー辺りで前が詰まったのが原因で2着と敗れました。再起戦で2着と敗れ、秋に向けやや不安の残る結果となりました。3着には11番人気のビスカヤが入り、3連単で7万2540円の配当がつきました。
勝ったドリームバレンチノは、23戦目・2度目の重賞チャレンジで重賞初Vを手にしました。今年は淀短距離ステークスで3着に敗れた後、4月の福島民友カップ、5月の安土城ステークスと連勝、今回のレースで3連勝を飾りました。通算8勝は全て松山弘平騎手とのコンビで挙げたもの。今後も勝ち続ければ、スプリンターズステークスでは有力候補になるかもしれません。そんなバレンチノの母の父が6月9日に死去したばかりのマイネルラヴ。天国の「祖父」も孫の勝利を喜んでいるに違いない。
阪神メーン・第17回マーメイドステークス(GⅢ・芝2000m)は14頭立て。昨年のオークス馬⑨エリンコート、父・ディープインパクト×母・エアグルーヴの良血馬③グルヴェイグ、他にも⑤アニメイトバイオ、②スマートシルエット、⑭アカンサス、④アグネスワルツなどが出走しました。
スタンド前での先行争いで、アグネスワルツが先手を取り、①レジェンドブルーが2番手、⑫タイキエイワンも先行策、グルヴェイグは中団より前の位置でゴール板を通過。1,2コーナーから向正面に差し掛かり、アグネスワルツが単独先頭、タイキエイワンとレジェンドブルーが2番手で並走、その後ろの4番手に②スマートシルエットが追走。5番手グループの中にグルヴェイグ、⑩ベストクルーズ、⑪マイネエポナ、⑬しースナイプ、アニメイト、⑧スペシャルピースと一塊。中団より後ろにアカンサス11番手、12番手にエリンコート。後方は⑦メルヴェイユドール、最後方に⑥クリスマスキャロルという展開。
内回り3コーナーに入り、シルエットが2番手、シースナイプが4番手まで進出すると、3番手のレジェンドブルーに並びかける。グルヴェイグは7番手辺りとまだ中団待機。アカンサスが外に持ち出す。4コーナーから最後の直線に向き、逃げるワルツをシースナイプとグルヴェイグが捕らえ、大外からメルヴェイユドールとクリスマスキャロルが襲いかかる。残り100mでグルヴェイグが抜け出して先頭に浮上し、2番手以降を引き離してゴールイン!そして混戦の2着争いはクリスマスが制し、メルヴェイユが3着。
超良血馬がようやく開花!単勝1番人気に推されていたグルヴェイグが、2着に2馬身差の快勝でマーメイドステークスを制しました。道中は中団待機、直線で真ん中から末脚を伸ばしました。鞍上のクレイグ・ウィリアムズ騎手は、先週のエプソムカップに続いて2週連続で重賞勝利(トーセンレーヴに騎乗)。ウィリアムズ騎手とディープ産駒との相性は良いのでしょうか?ちなみに、エアグルーヴは97年の第2回大会、姉のアドマイヤグル―ヴは第9回大会で優勝。つまり同レース母子&姉妹制覇という事になります。
グルヴェイグはデビュー時から注目を集めながらも、3歳時は勝ちきれないレースが続き、オークスとエリザベス女王杯で2ケタ順位の惨敗。しかし、今年に入ってからは紫野特別(1000万下)で1年ぶりの勝利を飾ると、ホンコンジョッキークラブトロフィー(1600万下)で3馬身差の圧勝で2連勝。それから中1週で挑んだこのレースにも勝って見事3連勝。ようやく本格化を迎えた彼女の快進撃は止まりそうにありません。秋には牝馬戦線の主役に躍り出ているかも!?
来週は阪神競馬場で上半期の総決算・宝塚記念が行われます。ファン投票1位のオルフェーヴル、香港GIホース・ルーラーシップ、昨年の勝ち馬・アーネストリー、エイシンフラッシュ、ショウナンマイティ、フェデラリスト、トゥザグローリー、春天覇者・ビートブラック、ウインバリアシオン、トレイルブレイザー、日経賞で大逃亡を見せたネコパンチ、3歳馬・マウントシャスタなどが登録しています。オルフェーヴルの出走可否は1週間前になっても未定。オルフェの復活を望むファンも多数いるので、絶対に出してほしい。