地下鉄サリン事件で特別手配され、17年以上も逃走を続けていたオウム真理教元信者の高橋克也容疑者が、15日午前9時過ぎに東京都大田区のマンガ喫茶で身柄を拘束され、その後殺人などの容疑で逮捕されました。これでオウム関連事件の特別手配者は全員逮捕となりました。
警視庁の調べによると、午前8時30分ごろに大田区西蒲田のマンガ喫茶から「高橋容疑者に似た男がいる」との通報があり、午前9時頃に捜査員が現場に到着し、「高橋克也か?」との問いに「はい」と認めたため身柄確保。その後蒲田警察署に同行され、指紋で本人のものと合致し、午前11時頃に逮捕。
取り調べに対し高橋容疑者は、「教団の指示でやった」と容疑を認め、事件の狙いについては「一部知らない」と供述。また、逃走直前に川崎市内のスーパーで購入し、逃走時に使ったとされるキャリーバックは、「鶴見駅のコインロッカーに入っている」と話し、その中にはオウム真理教元代表・松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚など教団関連の本が数十冊も入っていたそうです。
高橋容疑者は「櫻井信哉」という偽名で川崎市内の建設会社に勤務し、6月3日に菊地直子容疑者が逮捕された翌日に逃亡を図り、逃走直前に川崎駅前の信用金庫で238万円を引き出したり、社員寮からタクシーに乗って川崎駅西口で降りたりしていました。逃走中は横浜市鶴見区、大森や蒲田のビデオ観賞ボックスを転々していました。
逮捕された当日は朝6時頃にマンガ喫茶に入り、「吉田新一」の偽名を使い身分証無しで入れる「オープン席」で、漫画や新聞などを読んで3時間近く寛いでいました。逃走を始めた頃は黒の半そでシャツ姿でしたが、この日は白いシャツでオールバック、黒or茶色のフレームの眼鏡をかけていました。そのメガネは鶴見区の眼鏡屋で購入し、「ばれないように眼鏡を替えた」と供述しています。
地下鉄サリン事件から17年が経ち、最後の特別手配犯がようやく御用。関与していた人たちが全員逮捕されるまでかなりかかりました…。警察も容疑者確保に相当苦労された事でしょう。信用金庫で大金を下していたので、もしかしたらタクシーかバスを使って横浜から名古屋か大阪方面へ逃げたのかと思っていましたが、川崎・鶴見・蒲田と京浜東北線沿いでうろついていたとはねえ。オウム関連の本が入っていたという点は、麻原彰晃への信仰がまだ残っている疑いもありそう。平田信、菊地直子でさえも脱却しているのに…。
高橋容疑者は地下鉄サリン事件で実行犯の豊田亨死刑囚を送り届ける運転手を務めていたとされていますが、サリンの他にも様々な事件で関与しており、目黒公証役場事務長拉致監禁致死事件、東京都知事宛てへの郵便物爆弾事件、VXガス殺害事件などの事件で逮捕状が取られています。これらの事件で容疑を認めたら、裁判では死刑は確実と言えるでしょう。
オウム関連の事件もようやく一区切りが着いたような感じ。でも、当時オウムの幹部だった死刑囚たちがまだ死刑執行されていません。平田、菊地、高橋の裁判が終わるまで先送りするつもりなのでしょうか?松本智津夫らをこれ以上生き延ばしてはいけないので、一日でも早く死刑執行される事を望むばかりです。