Pro house keeper

アメリカのローカルフードを中心に、世界各国の料理レシピを自宅で気軽につくる料理日誌。

ヒシ。

2008-10-02 15:43:06 | 料理
久しぶりに食材研究。今回は“ヒシ”です。
この植物は今まで見たことも聞いたこともないもので、たまたま最近御用達になったスーパーの店頭に並んでいたものです。

店頭では山積みになっていたのですが、食べ方の解説はパック詰めにされている中に入っていた紙のみ。POPにも何にも書いていないので誰も見向きもしていない状態でした。

新顔野菜かと思ってとりあえず中の紙を引っ張りだして解読。健康食品系らしい食べ物であることはかいてあるものの、味については解説なし。食べ方も灰汁を抜いて茹でて食べることくらいしか書いてないので、非常に不親切ですが、どんな味がするのかかなり興味があり買ってみることにしました。

値段はイチゴパック大山盛り380円。高くもなく安くもなくといったところですね。

家に帰って早速ネットで食材調査。さすがにネットには情報がある程度載っていて、どういうものかわかってきました。

"ヒシ"は科の水草、1年草の植物です。
茎は細長く、その長さは水深に比例するといわれ、泥の中に根をはります。
葉には水中葉と水上葉があり、水中葉は根状、水上葉はひし形で径4~6センチくらい、花は白色の1日花で7月から9月に咲き、花が終わると水中にもぐって9月~11月にかけて果実をつけます。
北海道、本州、四国、九州の日本全土の沼、池に自生しているらしい。

ヒシの実には滋養強壮・消化促進・整腸・二日酔い軽減・解熱などの作用があると言われており、漢方薬の材料に使われているそうで、特に胃がんの特効薬として有名で、乾燥したヒシの実を煎じて飲むようです。
アイヌの人がよく食べていたようで、

食べ方は、一般的には塩ゆでにして食べられますが、白米や雑穀と混ぜて食べるヒシご飯を始め、他の食材と合わせていろいろな食べ方があります。めずらしい利用法としては菱焼酎などがあります。

うんちくはこんな感じで、とりあえず形がユニーク。忍者の"まきびし"に用いられたくらい"とげとげ"とした形で、さらに先にはとげがあるようですが、買ったものにはもうとげは安全上のためかとってありました。
。菱形はヒシからちなんだ名だとか。

言葉は身近でも意外に知らなかった植物です。地方に行けばポピュラーに食べているようですが、関西では聞いたこともないですね。

味はとりあえずわからないので、ゆでて実そのものの味を確かめてみました。
ヒシは洗って塩水に30分ほど浸します。色が多少染み出てきていますが、真っ黒というほどではないですね。

鍋に塩水を作り、浸水したヒシを入れて30分くらい茹でました。
さすがにゆでると灰汁がかなりでて煮汁は真っ黒。電子レンジで8分ほど加熱してもよいようです。

ゆでても基本的には見た目の形も皮の固さ様子も変わらない感じでした。ざるにあげてさっそく皮をむいてみることに。

皮は相当固く、分厚い。普通の皮むきの要領では剥けないので半分に切って剥ぐように皮をとると中から乳色の実がするっとでてきました。皮が分厚いので実は小さく、廃棄率はかなり高いですね。ソラマメに近いものがあるかも。。。

味は栗や芋のようという書き込みが多かったのですが、食感も見た目もは茹での浅いサトイモっぽい感じですね。ただ甘味はないのでそれだけでおいしいというものではないようです。

ゆで具合によって皮の向けやすさが変わるようで、加熱が足りないと皮がむきにくい。皮の剥きにくかった一部のものを電子レンジにかけて再度加熱。
茹でたものとちょっと違い、蒸した感じになったので実はさらに白くなり、食感は水分が減って柔らかく芋っぽくなりました。どちらかと言えばこちらの方がおいしいと思います。加熱方法としては電子レンジの方が手軽で味もよいのでお勧めですね。

それでも味はほとんどないし、形が小さいのでそれだけではおかずにはならないため、サラダの具にしてみました。

翌日はお弁当にヒシご飯として甘栗とともに混ぜてみましたが、サラダよりはでんぷん質同士なので相性が良かったです。

薬効が高いので、食材というより補助栄養食品みたいに考えた方がいいかも。薬として食べる感覚ですね。もう一度買って食べようかというほどではないですが、なかなかおもしろい食べ物でした。

この日の献立は、夏野菜とひよこ豆のドライカレー風、秋鮭のポシェ、ヒシとゆで卵、紫キャベツのサラダ、アボガドの冷製スープでした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする