かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

ついに陵墓に研究者の立ち入りが認められました。

2008-02-22 23:16:23 | Weblog
 国道のいつもの電光掲示板に表示された今朝の気温は0℃。でも、そんなに寒くはありません。まあ0℃なら1月末の時点でも耐えられないことはなかったですが、それでも足とか手は結構冷えてきて、早く職場に着かないものか、と気もそぞろになるくらいには寒さを覚えました。それが同じ気温でもまるで感じ方が違います。空気が変わった、とでも言えばしっくり来る気がいたしますが、おそらくこの数日のうちに、冬から春に季節がバトンタッチされたんじゃないでしょうか。もちろん、週間天気予報を見ても、これからだってまだ寒い日はあるわけですが、それでも同じ気温の数字が並んでいたとしても、2、3週間前の、いつ抜けるともしれぬ凍りついたトンネルを延々とくぐり続けているようなそれとは確実に異なるはずです。昼間はこの所の陽気そのままに暖かでしたし。というわけで、今日仕事で出歩いていた明日香村はキトラ古墳近辺の畑で見かけた菜の花を撮影してみました。間抜けなことに自分の足までフレームに入れてしまいましたが、携帯のカメラがマクロ撮影も結構こなせる事が実地に確認できて楽しかったです。と、その撮影の最中に、この足元のすぐ近くから、カエルが一匹這い出してきました。親指にしがみつけそうな位小さなやつでしたが、おそらく冬眠から覚めて間もないのでしょう。おぼつかない足取りで私の足から少し離れ、陽だまりで熱を蓄えるようにじっとしておりました。昨年より1ヶ月遅いカエルの初見ですが、それでもまだ少しばかり早すぎる目覚めのような気がしないでもないです。

 さて、ついに、という言葉がぴったりな快挙が、我が大和の国でありました。奈良市山陵町にある神功皇后陵こと五社神(ごさし)古墳に宮内庁が立ち入り調査を認め、本日、日本考古学界をはじめとする関係の学会16を代表する研究者達が墳丘に入り、最下段部分を一周して調査したのです。これまで宮内庁は、陵墓の静安と尊厳を守る」と嘯いて立ち入り調査をかたくなに拒んできましたが、ようやくその頑迷な態度に変化の兆しが現れてきたということなのでしょうか。
 私が常々疑問なのは、陵墓の尊厳、すなわちそこに祀られるいにしえの天皇陛下の御柱の尊厳を守る、とのたまいながら、実は少なからぬ数の陵墓が、伝えられる天皇陛下と違う方が眠っている可能性が高い、という考古学上の常識があるにもかかわらず、それを一向に正そうとしない宮内庁の頑迷な態度です。おのが存在を間違えられたまま祀られては、とても尊厳を守っているとは言えないのではないのでしょうか。それらを正しく調べなおすには、結局研究者の調査によるしかないでしょうし、現在の進んだ考古学をはじめとする各学会の研究者の力は、おそらく無数の知見を陵墓から引き出し、それらの成果がより正確に陵墓の主の比定を可能にすることでしょう。ひと時静安を破る不敬を犯したとしても、そうして正しい御柱の御名において改めて祀り直すことがかなえば、まさに尊厳を守ることとなりましょうし、かつて我が国を統べ給いた大王の方々なのですから、そのくらいの失礼は苦笑いで許容くださるくらいの度量はお持ちになっておられるでしょう。
 宮内庁は誤った皆において崇め奉る不敬と愚行を直ちに正すためにも、これからいっそうの門戸開放を決断すべきです。是非これをきっかけに、宮内庁が管理する896箇所の陵墓とその参考地について、学会の調査が認められるようになって欲しいと切に願います。

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