かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

占いというのも罪作りなものですね。

2007-02-15 22:41:23 | Weblog
 ネットニュースを見ておりましたら、中国は雲南省昆明市内の富民県というところで、県の林業局という森林を管理する公的機関が、緑色のペンキを禿山に塗りたくり、岩肌数千平方メートルを「緑化」していた、という信じがたいニュースを新華社通信が報じた、と出ておりました。このニュースの日付は13日になっていましたが、15日付けの続報で、これは林業局の仕業ではなく、この採石場での営業を請け負っていた会社社長が、私費を投じて塗りたくったことがわかったということでした。ここは20年あまり操業を続けていた場所だったそうですが、土壌の流亡が激しく、2000年に閉鎖を決定したとのこと。その後、専門家も招いて再緑化に着手したものの、効果は上がらず、岩肌があらわになったままの荒地になっていたそうです。それを件の社長が、最近自分が落ち目なのはこの岩肌の赤色が原因で、ここを緑に変えるのが良い、と風水により判断したのが、「ペンキ緑化」の動機だったとの事です。
 作業の前にこの社長が林業局を訪れ、緑化が進まないからペンキを塗りたい旨申し入れたところ、林業局が森林ではない場所をどうしようと自分達は関係ない、と回答したために社長が決断し、7人の作業員を使い、約1万元の自費でペンキ塗りを行い、幅50メートル、長さ30メートルの岩肌を緑色にかえることになったのです。
 環境問題とかいろいろ視点はあると思いますが、まず緑化を進めたのにうまくいかなかった、というのが不思議といえば不思議です。雲南省といえば亜熱帯に属する高原地帯で、昆明市の気候は年平均気温16.3℃ 年降水量1428mm(2002年)という、結構温暖で雨もそれなりにある地方です。水稲とかタバコとか、農産物も色々あり、中国大陸の中では、植物を育てやすい環境のように思えます。そんなところにいわゆる専門家を入れて緑化しようとして失敗するというのは、どうにも不思議に思えるのです。土壌改良にあまりお金をかけなかったか、あるいはたまたま異常気象で植物が根付かなかったのか、何らかの原因はあるとは思いますが、ただ、鉱物資源が豊富な土地柄らしいので、採石場などは何らかの土壌汚染、あるいは土壌pHの異常などで、植物が育ちにくく、赤茶けた岩肌むき出しの土地になっているのかもしれません。残念ながらそういう点は見えてこないのがちょっともどかしいといえばもどかしいニュースです。
 でもだからといって緑のペンキで塗りつぶす、それもそのきっかけが「風水」だというのには驚くやらあきれるやらでした。日常夢占や易占を嗜む私としては無碍にも笑い飛ばすことの出来かねるニュースなのではありますが、大枚はたいてやるのなら、もう少しやりようがあったのではないか、と思わずにはいられないのです。占いは生きた使い方をすべきで、それに振り回されるのは本末転倒、というもので、風水で緑色を推奨されたのなら、短絡的に色を塗るのではなくて、生命の象徴たる緑色である植物を、なんとしても根付かせるように努力すべきだったのではないか、と思います。まあ現場も見ずに無責任なことを言ってもしょうがないのですが、我が国でも昨今とみに怪しげな占いをする輩が跋扈している現状を見れば、あまり黙っても入られない気がします。ほっとくといずれこういう愚行を演じる者が我が国にも現れるかも知れず、というか既に何度か色々な連中がニュースになっていたりするとも言えるのですが、もっと科学的な思考を身に着けると同時に、占術は人生の彩の一つとして、大事に扱っていただきたいと思います。


コメント (2)
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