シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ヘアースプレー

2007-10-10 | シネマ は行
超ゴッキゲンなミュージカル映画と思っていたら、結構シリアスな問題も含んだ内容だった。

トレイシーニッキーブロンスキー(ブリタニーマーフィーがデブメイクしてるのかと思ったら違う人だった)が冒頭で歌う「グッドモーニングボルチモア」からいきなりゴキゲンな滑り出し。チビでデブな彼女がTVのダンスショーに出られるようになり、スタアになるお話かと思いきや、その番組の黒人差別と闘うことになろうとは。

彼女と同じような体型のママジョントラボルタ(この映画の原作1988年の「ヘアスプレー」でディヴァインというドラッグクイーンがこの役をやって以来、この役は男優が演るのが伝統なんだって)は、体型を気にしてもう何年もひきこもり。ママはトレイシーが体型のことで傷つくのを恐れて、オーディションに反対したり、自分自身が外に出るのも拒否するくせに、いつもミイラ取りがミイラになっちゃう感じで、トレイシーのエージェント役になったり、トレイシーを黒人地区に迎えに行ったはずが、一緒にそこで楽しんじゃったり、デモをするトレイシーを止めに行ったのに、デモに参加しちゃったり。イヤヨイヤヨといいながら結局輪の中心に入っちゃう。ラストだってママが主役みたいな感じだったもんね。もう、トラちゃんノリノリで楽しんでるよねーデブメイクなんだけど、完全にトラボルタ。もともとトラボルタが好きなワタクシはこれでますます彼が好きになっちゃいましたよ。

そんなデブ母ちゃんを愛しまくっちゃってるパパクリストファーウォーケンもいいしなぁ。クリストファーウォーケンって怖い顔したおじさんなのに、結構ふざけた役も多いんですよね。トラちゃんとのキスシーンは寸止めで、観客には優しい演出だったかな

TVショーのプロデューサーで黒人差別主義者を演じるのはなんとミシェールファイファー。あぁ、なんてキレイなんでしょう。そして、怖い。悪役がピッタリ。「真夏の夜の夢」のときも魔女を演じててちょっと遊びっぽい感じだったけど、今回ほどおちゃらけた役の彼女は初めて見たなぁ。おまけに歌もうまいし。コメディセンスもすごくあるんですね。

TVショーの「ニグロデー」の司会をするのはクイーンラティファ。彼女って年齢不詳なんだけど、1970年生まれなんですね。ってことはまだ37歳?それで、高校生のおかん役やっても全然違和感ないなぁ。老けてるとかじゃないんだけどね。やっぱ貫禄かなぁ。彼女も大好きなんですよー。「Big Blond Beautiful」って歌うとこなんてほんとに彼女そのものですよね。(blondっていうのは黒人のアイデンティティとしてはどうなの?っていう疑問もあったんですが)

とにかく、キャスティングが本当に最高なんですよ。TVショーの司会のコーニーを演じるジェームズマースデンもTVショーのアイドル、リンクを演じるザックエフロンも本当に60年代からやって来た若者のようで素敵だったし。親友役ペニーのアマンダバインズもただの“親友”かと思ったら歌もうまいし、お話にもキーパーソンとなって絡んでくる。(と思ったら、彼女アメリカではかなりの有名人なんですね)

そして、黒人差別と闘うヒロインも、「黒人」とか「白人」とかそういうことじゃなく、「ありのままの自分たちを愛そう」っていう感じで、だからこそ人種差別なんかバカらしいっていうメッセージがストレートに伝わります。それでも、話のテンポなどは決してヘヴィなものではなく、笑いも随所にちりばめられて、それが、アメリカンな笑いじゃなくてワタクシたちもかなり笑えるものだし、とにかく歌とダンスが超超ゴッキゲンで、「シカゴ」「プロデューサーズ」「レント」良かったけど、ミュージカル映画の中ではダントツに好き


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10 コメント

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これ、見たい! (lucky777_sw)
2007-10-12 21:54:24
最近ハイスクールミュージカルを観て、これも見たいと思いました。この間ザック・エフロンとニッキー・ブロンスキーが来日していましたね。その時の様子を見ても楽しそうな映画だなと思ったし♪
このママ役、ジョン・トラボルタだったんですか。知らなかったのでです。でもそれもとても興味をそそる配役ですね
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ビックリでしょー (coky)
2007-10-16 14:45:36
ワタクシも初めてジョントラがお母さん役って聞いたときはビックリしました。それがこの作品の伝統なんですってー楽しいですよね

「ハイスクールミュージカル」未見なので、早くみたです。
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楽しかった (Hank)
2007-11-03 09:40:41
遅ればせながら見ましたよ。
久しぶりに楽しい映画を見ました。
最初から、うきうきするようなノリ。映画全編通して、体が自然に動いてしまう、ほんとに楽しい映画でした。

母親役がトラボルタだと知って、最後にサタデイナイトフィーバーばりのダンスを期待したけど、そこまではなかったけど、まあそれはしかたのないことで。。
もう一度サタデイナイトフィーバー見たくなったなあ。この週末ツタヤ半額だから借りてこようかなあ。。

アマンダ・バインズは、ちょっと脳の足りなそうな友だち役を演じていたけど、素顔はすごくかわいい女優さんですね。初めて知りました。まだ21歳。今後が楽しみです。

一応人種差別を題材にした映画だったけど。それも、映画の楽しさをぶちこわさない程度に取り上げているっていう感じで、ノリノリを優先させたって感じでした。
人種差別ってこんなやさしいもんじゃないよなあ。と思いながら、ま、いいかって許せちゃう。ハッピーエンドでしめくったあたり、さすがアメリカ映画、こうでなくっちゃ。

久々の4点映画でした。
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hankさんへ (coky)
2007-11-05 15:53:17
>アマンダ・バインズは、ちょっと脳の足りなそうな友だち役を演じていたけど、、、

ワタクシも、彼女はただの「主人公の親友」役だと思ってたんですけどね、実はそうではないようですね。これからどんな活躍をしてくれるのか楽しみな若い俳優さんたちがたくさん出ていましたね。
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ティーンエイジャー向きかと思いつつ (&ルナ)
2008-01-14 11:53:16
シニア世代ながら昨日観てきましたV。私の住む街では今公開中です。歌を歌いながらのデモに感動しました、子供の頃読んだ『アンクルトムの小屋』が久々思い浮かびました。人種差別問題、ホントに長ーい歴史のなか少しづつ改革してきて今を手にしているんですねなんて忍耐強い心でしょう、温くて明るくてほっとしました。歌詞が胸の奥深く沁み込んでいきました。ソウル魂ってこれなんだろうなって感じました。楽しい場面で声を出してつい笑ってしまったのは私だけだったような。。。失礼しました。
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&ルナさんへ (coky)
2008-01-15 16:08:26
コメントありがとうございます。

デモの場面、感動しましたね。それだけにすぐに逃げちゃったトレイシーには「?」が浮かんだんですが、全体的には大好きな作品です。

>楽しい場面で声を出してつい笑ってしまったのは私だけだったような

いえいえ。もちろん、&ルナさんとはまったく違う館でですが、ワタクシも声を出して笑ってましたよ!ご安心を。
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安心しました☆ (&ルナ)
2008-01-21 16:50:37
コメントへのお返事ありがとうございます♪映画館にパンフレットがなくてネットで探していたところ、こちらのブログに巡り会えました。思わずそのまんまの感想を書き込んでしまいました。
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&ルナさんへ (coky)
2008-02-15 10:53:49
いえいえ、そのまんまの感想を書いていただくってすごく嬉しいです。これからもよろしくお願いします。
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嬉しいデス(^^♪ (&ルナ+トラ)
2008-04-01 11:29:23
カキコのお誘い有難うございます~4月に観たいの4本決定しています
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&ルナ+トラさんへ (coky)
2008-04-04 14:57:26
4月から5月にかけてはゴールデンウィークで映画シーズンですもんね。ワタクシも見たい映画がたくさんあって困ってしまいます。
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