シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

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光をくれた人

2017-06-05 | シネマ は行

予告編を見て見に行こうと思いました。レイチェルワイズが好きだし、アリシアヴィキャンデルはいま一番注目している女優さんだし、物語も良さそうだったので。

第一次大戦で心に傷を負って帰還したトムシェアボーンマイケルファスベンダーは一人静かに暮らしたくて灯台守の仕事に就く。灯台のある島の近くの街に住むイザベル(ヴィキャンデル)と出会い、恋に落ち結婚し、灯台のある島での2人きりの生活が始まる。イザベルは妊娠するが2人連続で流産してしまう。2人目を流産して深く傷ついたところに島にボートが流れてきて、そこには男の死体と赤ん坊が乗っていた。

トムはもちろん通報しようとするが、イザベルは赤ん坊を離そうとしない。通報すれば里子に出されて不幸になってしまう。このまま私たち2人が黙っていれば誰にも知られることなく自分たちでこの子を育てていける、と。トムは葛藤するが、イザベルの幸せそうな顔を見て通報できずにいた。

流されてきた男の死体を埋め、赤ん坊にルーシーと名付け、本土には本当は流産した赤ん坊が予定よりも早く生まれたことにした。赤ん坊はすくすくと育ち、夫婦は幸せな時を過ごす。本土での洗礼式の日、トムは教会で夫と娘の墓の前で泣く女性ハナ(ワイズ)を目撃し、それがこの赤ん坊とあの死んでいた男の妻だと知ることになる。

トムはどうしても黙っていられず、ハナの家のポストに赤ん坊が生きていて大切に育てられているという手紙を入れてしまう。ハナは警察に捜査を依頼するがいまいち進展しまいまま数年が経つ。

ルーシーはイザベルとトムの夫婦の下で成長し、4歳になる。灯台の周年記念日で本土で式典が行われ、そこでまたハナに再会するトムたち。ハナの焦燥しきった姿を見て、トムはさらにルーシーが流れ着いたときに持っていたガラガラをハナのポストに入れる。それがきっかけで捜査の手がトムたちに伸びてきた。

トムはイザベルをかばいすべては自分がやったことと警察に言い、イザベルはルーシーを取り上げられトムを恨み、トムが流れ着いた男を殺したことにしてしまう。

一方、ルーシー(本当の名前はグレイスだった)を取り戻したハナだったが、ルーシーにとってママはイザベルであり、ハナにはまったく懐かない。ある日、ルーシーはママとパパを探して灯台に戻ろうとし行方不明になる。娘の無事を祈るハナはもし無事に戻ったら娘の望むようにしてあげるから命だけは助けてほしいと神に祈る。

海辺で発見されるルーシー。ハナはトムさえ刑務所に行けばルーシーをイザベルに任せても良いとイザベルに告げる。その言葉を聞いて目を覚ましたイザベルは移送される寸前のトムのもとに行き、トムは本当は男を殺していないし、赤ん坊を黙って自分たちのものしたのも自分のせいだと証言する。

三者三様の辛さが想像できるだけに、すべてが切なかった。戦争で心傷ついたトムはそこから救ってくれたイザベルのためなら死刑になることさえ厭わなかった。2度の流産を経験したイザベルはあの時波に運ばれてきた赤ん坊が神の恵みとしか思えなかった。夫と娘をいっぺんに亡くした(と思っていた)ハナの元に戻ってきた娘は赤の他人をママと呼んでいた。

もちろん、悪いのはイザベルとトムなのだけど、それだけでは済まされない人の気持ちというものがそこにあって、理性でダメだと言うのは簡単だけど、やはり割り切れない人の心が切ない。

死んでしまった夫が、どんなに辛い時も笑顔でいた人で「一度許せばいいだけだから」と他人を恨まずに生きることを信条としていたことを思い出したハナがトムとイザベルを許すのは、ものすごく尊い行いだったと思う。母親として娘を奪った犯人を憎み続けることもできたはずだし、それでも誰にも責められることなどなかっただろうに、それを許すと言ったハナ。それでこそ、ルーシーグレイス(ハナたち家族は娘をこう呼ぶことにした)が最終的にはトムたち夫婦に会いにくることができたのだし、ハナのことも受け入れて暮らすことができたのだろう。

誰の気持ちを考えても涙が止まらない作品でした。


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