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シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

パリ・ルーヴル美術館の秘密

2012-09-27 | シネマ は行

ワタクシは一度もフランスに行ったことがないのですが、フランス、特にパリは絶対に死ぬまでには行きたいところのひとつだし、ルーヴル美術館も見ずに死んでなるものか!と思ってはいる。ルーヴル美術館の舞台裏を収めたドキュメンタリー作品。1990年の作品なんだけど、なぜか2003年に公開されている。何か事情があったのかな?よく分からない。

ドキュメンタリー作品だけど、ナレーションは一切なくただ淡々とルーヴル美術館で働く人々の姿を映しだしたフィルムである。何十人もで運ばないと運べない巨大な絵画、作品の修復、館内の掃除、館員たちの制服の試着(さすが、ルーヴル、制服がサンローランだった)、館員たちの消防訓練、展示方法を話し合う学芸員、音響テストなどがただただ映し出されるだけである。

ということはつまり、ルーヴル美術館に少しでも興味のある人でないと退屈極まりない作品ということになる。まぁ、タイトルを見ただけでルーヴル美術館に興味のない人はこの作品を見ようとも思わないと思うけど。

特に何をやっているのかの説明は入らないけど、無骨そうな男たちが数十人で巨大絵画を運んでいる映像とか(特に手袋とかしないで素手で作品に触るんですね)、何のためか分からないけど音響効果を調べるために各部屋で火薬銃を撃ってみたりとか、絵画の修復作業とか、ワタクシは結構面白かった。ルーヴル美術館では絵画や彫刻だけでなくメソポタミア時代とかそういう古代の壺なども扱っていて、それに詳しい学芸員がたくさんの壺が並んでいる倉庫で「〇〇時代の壺見なかった?」と聞かれて「〇〇にあっただろ?あの時代のは、こうこうこういう特徴で、、、」と色んな時代の色んな地域の壺を熟知している姿が興味深かった。

そして、様々なシーンの中でもっとも印象に残っているのが、展示の順番や何を展示するかを話し合っている学芸員たちのシーンだ。「フェルメールの横にレンブラント、モナリザと同じ部屋にミケランジェロを置けば、観光に来た人はそこだけを見れば済む。でもそれはルーヴル美術館の持っている役割に反する」そういったようなことを言っていた。もちろん世界各国からやって来る観光客の要望に応えるのもルーヴル美術館の役割ではあると思うが、それ以上にルーヴル美術館に何度も通う人、学校の社会見学などで何度もやってくる子供たち、そういった人々に真の芸術に触れてもらい、審美眼を磨くこと、それこそが美術館の役割であると言いたかったのかなと感じました。確かにルーヴル美術館は広すぎて一日では回れないと聞きますが、それこそがルーヴル美術館の存在価値というものなのだろうと感じました。

1990年の作品なので、ちょっと映像が古い気がしますが、少しでもルーヴル美術館に興味のある方にはオススメです。



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