映画を見る前にあまり色んな情報を入れるのが好きではないので、モニカベルッチがクレオパトラ役をやっているフランスのコメディ、そんな基礎知識しか持たずに見たワタクシはちょっと驚いてしまった。ここまでドタバタとは…しかも面白い。フランスのドタバタコメディっていうのは今まで結構ニガテなほうだったんやけど。こいつはイケました。かなりおバカですが。なので、おバカ映画が駄目な人にはかなりの苦痛になるかもです。
後から調べてみると何やらフランスでは超有名なアニメが原作でそのアニメのテーマパークまであって、この「ミッションクレオパトラ」という作品はそのアニメの映画化第2弾らしい。1発目(99年「アステリスクとオベリスク」)は日本未公開みたいですね。日本では有名じゃないアニメの映画化でしかもフランスのコメディですもんね。未公開も仕方ないかもしれません。で、今回はおそらくモニカベルッチが出ているということで公開にこぎつけたのでしょう。
舞台はもちろんエジプト。世紀のわがまま女クレオパトラがシーザーアランシャバ(この人が監督も脚本もやった人ね)にエジプト人の偉大さを見せつけようと3ヶ月で宮殿を建てろと無茶苦茶な命令を出す。命じられた建築家ニュメロビスジャメルドゥブースは「そんなん魔法の力を借りやな絶対ムリーこうなったら、あるあるさんとこの探検隊、、、じゃなかったガリア人の魔法使いの薬をもらうしかない!」というわけで、ガリア人の魔法使いパノラミックスクロードリッシュと戦士アステリックスクリスチャンクラビエとオベリックスジェラールドパルデューのところに助けを求めに行く。かくして彼らが宮殿建設を手伝うことになるのだが…
全体的な雰囲気は(分かる人にしか分からないけど)昔の「新春かくし芸大会」でやってたパロディのドラマみたいな感じです。井上純とかが主役やってたような。分かりにくいか。分かる人にはドンピシャなんですけどねとにかく、全編に「何それ?クスッ。何それ?クスッ。何やそれーーーーっ!!!!ガッハハー」的な笑いがちりばめられていて、芝居もなんかミョーーーーな間なんですよね。それが絶妙な間なんですけど。
かなりパロディも満載で分かるのもあれば、ここは明らかに何かのパロディなんやろうな、でも元ネタが分からんなみたいのも結構ありました。背景がエジプトなのをフランス語で演じてるっていうのも「おかしいやんけー」っていうところを作ってる本人たちが一番ネタにしてるところも笑わせますね。あと、名前が思い出せないときとかにエジプト人っぽい名前っていうのをいっぱい言うんですけど、「マチューカソビクス?マルコムエクス?パナソニクス?」とか言ってて笑える。 「アンチウィルス」っていう名前の奴まで出てくるしね。これがまたフランス語発音で言ってるからおかしくて。
あとは、登場人物たちがそれぞれに魅力的。アニメが原作と言われれば彼らのひとりひとりがきちんと肉づけされていて、(敵でさえも)チャーミングにしあがってることに納得。なかでもいつもガリア人のアステリックスとオベリックスにやられている海賊たちが「いかにも」な役どころで笑いのポイントをさらっていきます。主人公の二人も可愛くて、特に愛犬を大切に可愛がっているオベリックスを演じるジェラールドパルデューがオマヌケでめちゃくちゃ可愛い「可愛い」っていう形容詞からは一番遠いような人なんだけどねぇ。まずあの衣装(何なんだあの衣装は?)、髪型(三つ編みきゃわいい。でも、乙女というよりおばさんチック)表情、やることなすこと全部可愛い。子供みたいで食いしん坊でいつもオナカが空いてるんだよねー。「レンズ豆は飽きた。イノシシの肉が喰いたい!」って。かなりオベリックスのファンになっちゃいました。
オマケモニカベルッチの悩殺衣装も見所のひとつです。あんなにチラみせお尻の割れ目がきれいな人がいようか!!!
オマケ2ワタクシの友人のフランス人によると、モニカベルッチのフランス語ってネイティヴが聞くとかなりキュートらしい。彼女、イタリア人ですもんね。最近、フランス語喋ってるのが多くてイタリア人って忘れちゃいそう。けど、“ベルッチ”って思いっきりイタリア人ですよね。フランス語のなまりなんてワタクシにはもちろんまったく分かりませんけど。
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