
ネタバレあり。
あ~、いい映画だったぁ。すごく熱い涙が流れたなぁ。
今年は映画館に見に行っている作品はかなりいい作品が多いなぁ。どれも本当に心に残る作品が多い。
レイフファインズもレイチェルワイズも好きな役者さんで、楽しみにしていたところ、レイチェルワイズがアカデミー賞助演女優賞を取り、ますます楽しみになっていた。
この二人のラブストーリーと発展途上国を食い物にしている先進国の実態とをもの凄くうまく絡めて描く。
美しく聡明で芯が強く思いやりと使命感に溢れる女性テッサをレイチェルワイズが演じている。この人にはこういう「戦う」女性が良く似合う。自分の信念を貫き、そのためには夫や権力者とぶつかりあうことも辞さない。やわらかい笑顔を持ちながら、その瞳はまっすぐに物事を見据えている。彼女はどこまでも真っ白な印象だが、それは決して「お嬢様」的な真っ白ではない。そして彼女は世の中を変えるために奔走しながら心では深く深く夫を愛していた。戦いながらも、彼女がもっとも守りたかったものは誰よりも愛する夫であった。
夫ジャスティンを演じるレイフファインズもまたこういう役が良く似合う。エリートの一家に生まれ代々外交官を務め、自分も出世の道を順調に歩んでいた。その彼が出世をなげうってでも知りたかった妻の真実とは…?その真実に近づくにつれ妻が守りたかったものが何だったのか、妻がなぜ自分にそれを打ち明けてくれなかったのかを知り、妻の深い愛を知る彼。
冒頭から張り詰める緊張感の中、唯一やすらぐのはこの二人が愛を深めていくシーンであり、それがサスペンスの部分とうまくバランスを取っている。物語はサスペンスとラブストーリーの部分を行ったり来たりするが、それに違和感は感じない。
映画的に捉え、あえて「サスペンス」と書いたが、実際にはアフリカで先進国の製薬会社が行っている人体実験についての陰謀であり、それは決して絵空事ではないだろうと思う。ジャスティンとテッサの出会いのシーンでテッサに英国のイラク戦争への姿勢を痛烈に批判させることによって現実とのリンクを深いものにもしているし。しかし、ここに描かれる陰謀が醜いものであればあるほど、二人の愛の美しさが際立つという皮肉がある。人間とはかくも醜くも美しくもなれる生き物だということを思い知らされる。
酔いしれるようなラブストーリーだけではなく、それと同時に地球規模の社会問題を浮き彫りにするこの作品。押し付けがましくはないが、醜い姿と美しい姿を同時に見せることでワタクシたちに選択を迫る。どちらにでもなりえる自分たちはどちらを選ぶか?
今年のアカデミー賞は社会派な作品が多いことについてどう思うか聞かれたレイチェルワイズが「今年そうだということではなくて、今までそうじゃなかったことのほうが不思議なのよ」と言っていたことが見終わってから強く思い出された。
エンドロールで目立つようにではないけれど、「問題に関心を持ちアフリカに暮らし死んでいった人たちに捧げる」と書かれていたのが印象的だった。
二人のことだけを書いたが、二人と敵対する、または二人を助ける脇役の俳優さんたちもそれぞれに個性的でした。特にテッサのいとことその息子が良かったな。
率直な感想が好感持てますデス。
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この作品は、社会的のみならずラヴ・サスペンス的な味わいも感じられる事柄を対比させて、様々な要素をバランス良く取り入れた優れた映画であったと思います。
そして、この映画を観てから原作の方が気になって、ジョン・ル・カレ氏の作品を初めて読ませて頂きましたが、映像作品とはまた違った読み応えのある小説でありました。
また遊びに来させて頂きます。
ではまた。
ありがとうございます。いい作品になればなるほど、感想を書くのが難しいですが、率直な感想と言っていただいて嬉しいです。
ワタクシも原作を読みたいと思っています!
早く読みたい~
私はラブストーリーの要素はあまり感じられなかったのですがサスペンスとしては逸品の映画だったと思います。
多分あんな陰謀は実際にあるんでしょうね~。
そんなところにも興味を惹かれました。
フィクションなのに妙に現実感溢れる設定
恋愛モノというよりサスペンス色を強く感じました。
生前のテッサとジャスティンの心情が
説明不足だったように思います。。
もう一度見たい作品です。
私はこの春、一番に楽しみにしていた映画だったので、実際のところ ほぼ完璧だと 思うのですが 観てきた日は ふに落ちないところがあって★4つにしちゃいました。
しかし 時が絶つにつれ、余韻を残す映画で・・・細々したとこなど 思い出しているうちに 後から利いてきました^^;
>醜い姿と美しい姿を同時に見せることでワタクシたちに選択を迫る。どちらにでもなりえる自分たちはどちらを選ぶか?
凄くいい、文章です!
私は 相手を死ぬほど愛していたら、もしかしたら 後を追う(意志をついで)かも しれないけど、正直、死ぬのは怖いです^^
もし、死を賭けても、何も報われなかったら?
生きて、見届けたいかも・・。
また 遊びにきま~す♪
私は 宣伝で謳われている 愛の奇跡 真実の愛 とかいう
側面よりも、社会派サスペンス映画として観ていました。
だから、2人の出会いから結婚生活の様子が いまひとつ共感できず・・・。
それが後半・結末への布石なのかもしれませんが、
死んでから真に愛した、といわれても寂しい・・・。
真に迫る設定やスラムの映像などがドキュメンタリーを観ているようで心が痛かったです。
サスペンスとラブストーリーを巧く融合していて、最後まで見入ってしまいました。^^
私もラブストーリーとサスペンスの配分が良かったと思いました。
2人の愛情については、いろんな見方をされているのを知り、やはりもうちょっとだけ説明が要ったのかなと思います。
いろいろ考えるのも楽しみのひとつなんですけどね!