ケーブルテレビで放映していたので見ました。
実際に南極観測隊に料理人として参加した海上保安庁の西村淳氏のエッセイ「面白南極料理人」をベースにしているそうなんですが、原作は読んでいないので映画を見ただけの感想です。
不本意ながら南極観測隊に参加することになった西村堺雅人を語り部として南極のそれも昭和基地からも遠く離れた南極ドームふじ基地で生活する男たち8人の生活がユーモラスに描かれる。
細かい日常のエピソードの積み重ねが描かれるのでひとつひとつ取り上げてどーのこーのと話すことはできないのだけど、日々の任務以外は非常に退屈な生活をまぎらそうと色々と工夫する彼らの生活は非常に楽しかった。マイナス70度の中全員で裸で写真撮ってみたり、伊勢海老をエビフライにしてみたり、いい歳したおっさんの誕生日を一所懸命祝ってみたり、節分に豆まきを楽しんだり、ラーメンを打ってみたり、氷に直接シロップをかけてかき氷を食べたり。
何より驚いたのは南極観測隊が非常に豊富な食料を持って行っているということだ。1年半も何も食べ物が採れないところに行くんだから、全部持って行かなきゃいけないってのは分かるけど、それこそインスタントラーメンとか缶詰とかばっかりなのかと思っていたらかなり豊富に食材があって、もちろん料理人の工夫のおかげでなんだろうけど、一般家庭と変わらないか、どうかしたら一般家庭よりいいもん食べてんじゃないのという食生活ぶりでした。なぁ、あんなところにいたらそれこそ食べることくらいしか楽しみがないだろうから、あれくらいでちょうどいいんだろうなと思います。
タイチョーきたろうがラーメンがなくなって発狂しそうになっていたけど、ちょっとそこのコンビニに行けば買えるっていう状況じゃないわけだから、あんな気持ちになるのも分かる気がします。残りの数をちゃんと計算して食べなかった自分が悪いと言えばそうなんですけどね。盆黒田大輔はバターをバクバク食べちゃったりして文字通り発狂寸前だったのかも。
一番若い兄やん高良健吾が恋人にしょっちゅう電話してて、だんだん恋人が冷たくなっていくのが切なかったね。あの状況なら交換手の人に思わず「結婚してください」なんてとち狂ったこと言っちゃうのも分かる気がする。最後に空港でその交換手の子が待っていてくれたのは映画的な面白さでくわえられていただけなんだろうけど、それでもなんだかあぁ、良かったねぇと思ってしまった。
あんな過酷な状況でもいつも飄々として自転車のトレーニングを欠かさなかったドクター豊原功補も良かったな。最後ほんとにトライアスロン出てましたね。
主任古館寛治は途中から鬱っぽくなって何も仕事しなくて仲間から批難されていたけど、普通の自動車会社の社員があんなふうに本人の希望とは関係なく左遷的に南極に行かされるなんて本当にあるのかな?いくらサラリーマンでも過酷すぎるよね。
南極に行くと決まったとき、西村の妻西田尚美と娘小野花梨が大笑いしてウケる~とか言っていたのがなんか不愉快だった。実際にそんな家族だったんなら仕方ないけどね。実際南極に行って帰って来たときは感動の再会みたいになってたけど、西村が妻の料理に文句たらたらだったシーンもあったし、あーいうのって日本の家族の照れ隠しなのかなぁ。ワタクシはあまり好きではありませんでした。それだったら本さん生瀬勝久のとこの怒って電話に出ない奥さんが空港で抱き着いてきてたほうがぐっときたな。
映画館でお金を払ってまで見る作品かと言われたらそこまででもない気もしますが。テレビ放映などで見るにはぴったりのほのぼの系作品です。
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