シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

魍魎の匣

2007-12-18 | シネマ ま行
試写会に行ってきました。

試写が始まる前にアナウンスがあったんです。「映像化不可能と言われた京極夏彦の作品を映画化」って。

“映像化不可能”

うん、その通り。不可能でした。(多分)

多分っていうのはですね、ワタクシ原作を読んでいないんです。原作を読んでいないのに、「映像化は不可能でしたね」なんて言っちゃいけないって思うんですよ。思うんですけどね、映画を見て思ったんです。「原作面白いやろうな」って。きっと、原作ではここに出てくる登場人物の掘り下げも深く、物語の展開にも無理がなく、読者には少しずつ少しずつこの匣の秘密が明かされていくんだろうな、と。そして、その展開がたまらなくゾクゾクするものなんだろうな、と。

映画のほうは、美馬坂近代医学研究所連続少女バラバラ事件新興宗教御バコ様っていうののつながりがいまいちスムーズでなく、無理やり結びつかせたように見えたな。木場刑事宮迫博之の最後の乱心もイマイチ根拠が分からん。ん~、多分色んな要素を複雑に絡み合わせた原作を全部なんとかまとめようとしてわけが分からんようになった感じだと思うんですよ。いや、もちろん話の筋は分かるんですよ。でもそこになんのドキドキ感もないんですよね。だってなんの捜査も推理もなく、京極堂堤真一が全部答えを知っているかのような謎ときで、榎木津阿部寛の特殊な能力って結局なんの役に立ったの?って感じで後半すっかりないがしろだし。謎が解けると言うよりも、登場人物に謎の答えをすっかり教えてもらうっていうふうになっちゃってるんですよね。

堤真一、阿部寛、椎名桔平。キャストは豪華です。そろいもそろって背の高いいいオトコ。みんなめっちゃハンサムってわけじゃないけど、かっこいいですよね。でも、椎名桔平の役はもともと永瀬正敏がやるはずが、病気で変更になったとか。あの役は永瀬より椎名桔平で良かったと思う。女優陣は黒木瞳田中麗奈。黒木瞳はもうええでって感じかな。どの役やっても一緒やし。この世代で他にこういう役できる女優がいないんですよねー。残念です。田中麗奈ちゃんはなかなかに頑張ってましたね。ちょっとおどけた女の子の役でした。それにしても、宮迫の戦後のノスタルジックな服装、似・合・わ・ねぇーって感じでしたね。青木刑事を演じた堀部圭亮は結構良かったんじゃないかな。最後にとってつけたように出てくる篠原涼子清水美砂をちゃんとしたキャストのように書くのはやめてほしいですね。こういうやり方は好きじゃないな。

うまく映画にはなっていなかったけど、作りかたによっては面白くなっただろうなぁという感じでした。ワタクシはあんまり日本人の作家の小説は読まないほうなんですが、これはちょっと興味が湧きました。原作、読んでみよっかな。。。でも、オチは分かっているだけに今さら原作を読んで面白いのやら。。。?


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2 コメント

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えぇっ (雨オンナ)
2007-12-25 20:25:30
榎木津が阿部寛か~~~~。なんかイメージが違う(笑)
もうちょっと薄い顔の人なイメージやったんやけど。

原作は読みました。
が、かなりワケワカランくなってきます(笑)
それを映像にしちゃうなんてスゴイな~と思ってたんやけど。
TVで早く放映しないかな~っ(笑)
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雨オンナへ (coky)
2007-12-28 10:10:23
こないだはありがとう手土産持ってきすぎやで~。今度は手ぶらで来てやー

さて映画の話ですが、原作読んだんやねー。今度読もうとは思うねんけど、読みたい本がありすぎて困ってます。しかし、原作もワケ分からんねんやったら、そりゃ映画なんてさらにワケ分からんようになるわなー。上映時間が長いので、テレビ用に編集されるとワケ分からん度さらに倍やと思います…
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