シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ハッスル&フロウ

2010-10-28 | シネマ は行
メンフィスのポン引きDジェイテレンスハワードは、同郷で成功したラッパー、スキニーブラッククリスリュダクリスブリッジスが凱旋するという話を聞き、スキニーブラックに自分の曲を聴いてもらおうと一度あきらめたラッパーの道を目指して、もう一度立ち上がる。

というお話なんだけど、このDジェイってのがやってることはサイテーなんだよなぁ。まぁポン引きだからねー。多分、これはアメリカの底辺の社会の話だから、ポン引きの兄ちゃんも売春婦の姉ちゃんもそれぞれ、そうならざるを得なかったっていう背景があるってことを承知で見てないと、「おいおい」って思っちゃうよね。まぁ、それでもこのDジェイって男は一応ポン引きの中でも良いポン引きみたいな感じだったかな。だいたいポン引きを「良い」って形容するのも変な話なんだけど、売春婦のノラタリンマニングは他に行くとこもなくてDジェイに頼っているようだし、シャグタラジPヘンソンは妊娠してしまって売春婦として使い物にならないけど、面倒見てやってるようだ。そういうとこは一応“イイ奴”って評価しないといけないとこなんだろうね。

でもなぁ、ラップのデモテープを作るのに高価なマイクがいるからって、機材屋のおやじにノラを売るってのはなぁ…なんか「出資者」とかなんとかうまいこと言ってるけどさー。結局自分の“生活のために仕方なく”じゃなくて、単に欲しい物を手に入れるために体を売らせたわけだからねぇ…ここんとこはほんと「おいおい」

この作品の魅力はやっぱりなんと言ってもテレンスハワード。ワタクシも彼が主演だったからレビューを書く気になったわけで。単にひいき目と言われればそれまでですね。ハイ。テレンスハワードって本当にハンサムだよね。それなのに、どんな映画のどんな作品でもすーっと自然に入ってくる雰囲気を持っている。彼が演じるからこそDジェイのダメさ加減も許せたような気がする。非常に魅力的な俳優さん。しかし、あのDジェイのカーラー巻き巻きの髪型はなんでしょうか…あれは変やと思うけど…

これで、結局底辺は底辺のままっていう話なのかなぁと思ったら、ちゃんと夢が叶って終わるところがまぁ、やっぱそのほうが良いよね。あそこでノラが活躍してくれたから良かった。シャグはコーラスで参加しちゃうし、ノラ一人だけ見せ場がなかったもんね。彼女も体を売る以外に自分の役割を得たってことで。

こういう黒人コミュニティのアメリカンドリーム系の作品というのは、アメリカではひとつのジャンルとして確立されていると考えていいでしょう。ワタクシは黒人コミュニティの英語の聞き取りは非常に苦手で、字幕なしには見られません。彼らは独特な話し方をしますね。ラップも全然聞き取れません。そういう意味では本当のセリフの言い回しやラップの歌詞の感覚というのは黒人コミュニティの人にしか分からないのかもしれませんね。


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