ニコールキッドマンとジュードロウ。こんな夢のように美しい組み合わせはヴィヴィアンリーとクラークゲーブルくらいしか思いつかない。そう言えば、この話「現代版風と共に去りぬ」って言われてたっけ。配給会社はとかくこういう宣伝をしたがるけど、この映画「風と共に去りぬ」と同じなのは南北戦争下の南部アメリカで苦労する金持ちの娘というところだけであとはまったく違う。スカーレットオハラならあんな貧乏人のインマン(ジュードロウ)を好きになるはずはない。その分こちらのほうがずっと純情な物語に思えた。
せっかくの美しい2ショットだけど、一緒のシーンはとても少ない。ほとんど一目惚れのように恋に落ちた二人だが、身分も違うし、現代の男女のようにすぐに付き合い始めるわけもなくお互いもじもじしている間にインマンは南北戦争にかりだされていく。出発の日、耐え切れず人目も気にせずに交わしたキス。そのたった1回のキスを胸にお互い再会できる日を夢見ながら過酷な日々を過ごすのだ。
その間に色々なエピソードが語られる。一番の注目はもちろんアカデミー賞助演女優賞受賞のレニーゼルヴェガー。ニコールキッドマンの生活を支えてくれる重要な役。彼女は歯に衣着せない物言いのたくましい働き者の南部の女だ。生きる術を知らないお嬢様のニコールのお尻を叩いて働かせる。自分にヒドイ仕打ちをした父親のことも彼が年老いた今、許してあげるだけの器量がある。彼女の大らかさはその体形と声の大きさによく表れている。レニーが非常に頑張って演じた。
そして、キャシーベイカー。脱走兵の息子をかばって自警団から暴行を受ける。この暴行が痛すぎるそれでも息子をひたすらに守り続ける母。この自警団ってやつらが酷くてねぇ。男手の足りなくなった村を守るとか言いながら本当は自分たちの権力ばっかりを振りかざしてやがる。どこの世にも存在する腐った奴ら。そして、こいつらのせいで悲劇が起こるのだ…ほぼ分かっていた展開とはいえ、なんか心底ムカついた。
インマンが南軍から抜け出して彼女の元へ向かう途中にも何人かの人に会うんだけど、印象深いのはナタリーポートマン。夫が戦争に行った後、乳飲み子を抱えて独りで家を守っている。そんな彼女もやはり寂しくて不安なのだろう。インマンに添い寝してほしいと頼む。彼女の抱える不安が痛いほど伝わってくるシーンだ。
さて、軍隊を逃げ出したインマン。彼女に再び会うことができるのか。女のために軍隊を逃げ出すなんざぁ、ふてえ野郎だ。と思う人もいるでしょう。でもね、ワタクシはインマンの気持ち分かるよ。誰に何と言われようが、たとえ罪に問われようが、貫き通したい愛がある。(この辺りとてもアンソニーミンゲラ監督らしい)そして、その愛を知る人はとても幸運だと思う。
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これからもよろしくお願いします
作品にはやはり監督の人間性が出ますよね。
本物の感動を与えてくれる数少ない監督だと思います。
確かにその通りですね。ミンゲラは「正統派」という感じがしますが、ひとクセあるより、正統派のほうが面白い作品を作るのは難しいのではないかと思います。やはり、才能なんですかね。
ミンゲラ監督の作品はこの作品が初めてだったのですが、他の作品も観てみたくなりました。
cokyさんのは楽しい日記なので、また遊びにきたいです~♪
平日は必ず更新していますので、また、いつでも見に来てくださいね。