一部評判良くないようですが…ワタクシはめっちゃ泣きました。その理由は夫婦愛。っていうか、夫婦愛を想像して泣いたところが大きかったかも。息子を亡くしたショックから立ち直れずにアルツハイマーになってしまった妻原田美枝子を殺してしまった夫寺尾聰。そこは物語の発端であって焦点ではないのだけど、ワタクシの涙のわけはそこでした。きっと夫は相当に看病疲れしていただろう。妻の殺してほしいという願いは夫にとっては都合のいいものだったかもしれない。それでも、そこにあったのは憎しみではなく愛だった。もちろん、その行為が犯罪であるには違いないのだけど、ワタクシは正直どう受け止めていいのか分からない。
そして、愛ゆえに妻を殺したなら自分も自殺すべきだったのに、なぜ?というところを中心に物語りは展開するんだけど、この自殺をしなかった理由というのは納得できるとしても「空白の2日間」「半落ち」という引っ張り方にはちょっとムリがあったように思えた。かなり、「なんで?」と思ったし。原作本が直木賞の選考委員(林真理子)に「現実ではありえない設定」(注)と指摘されたことについては後から知ったけど、「そんなん別にどうでもえーことやん」と思った。その指摘についてはどうでもいいんだけど、この夫が元刑事にしてはこの2日間の行動がなんか妙に映ってしまった。
夫婦愛以外では、樹木希林が演じた妻の姉にも泣かされた。彼女の立場は非常に微妙だ。妹を殺された被害者。でも二人の辛さは分かっていたはず。その部分を樹木がとてもうまく演じていたと思う。映画とはまったく関係ないけど、彼女が片目を失明したっていう会見を見たあとだったので変にじんとした部分もあったのかもしれない。
吉岡秀隆が演じた裁判官の設定もあれが現実の裁判官だったらおそらくありえないだろうし、その辺りに演出の甘さは感じてしまったものの、彼の置かれている家庭の事情からくる焦燥感というものがピリピリ伝わってはきた。
全体的にもっといいデキにしようと思えばできたのに残念だったという印象がラストに向かうにつれて表れてきてヒューマニズムの匂いがイヤというほどにプンプン漂ってきたんだけど、原作に沿ったものだったのかな。読んでいないので何とも言えないけど。それでもワタクシはやっぱり泣きました、が。
注)こちらに詳しくありますhttp://www5a.biglobe.ne.jp/~katsuaki/sesou49.htm
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TBありがとうございました。
私の中では、かなり好評価の作品なんですが、
やっぱり人を選ぶ作品なのは間違いないですね。
全体的に焦点を散らしすぎたのが残念でなりません。
で、散らしたわりに捨て去られた柴田恭平さんが悲しい。
もう少し時間を切って、人物の掘り下げを変えれば、
観やすい作品になったんじゃないかなぁと思いました。
TBありがとうございました。
私もこの映画はかなり泣きました。
愛には色んな形があるんだなぁって。
ところで、ブログのプロバイダが違うと、うまくリンクされないようなのです。
せっかくTBしてくださったのに、このページに飛ばないのです。
なので、私は記事中にこちらのURLをのせさせて頂きますね。
ではでは。
>全体的に焦点を散らしすぎたのが残念でなりません。
で、散らしたわりに捨て去られた柴田恭平さんが悲しい。
まったくその通りだと思います。ワタクシは原作を読んでいないので何とも言いようがないのですが、このあたりは映画化にあたっての問題点なんでしょうか。
>ひとりの夜さんへ
いろいろ脚本のほころびが言われていますがこの「愛」に素直に泣いたという人も多いですよね。
TBさせていただきました。
佐々部清監督の次回作のご案内です。
こういうご紹介もしていただけるのは嬉しいです。
多分、この先も読まないと思います。
感想はあくまでも映画を見てです。