フランスのミッテラン大統領の専属料理人だった女性のお話。初日のせいか小さい映画館だけど立ち見が出るほど盛況でビックリしました。浜村淳が取り上げたか???
田舎で料理学校とレストランをしていたオルタンスカトリーヌフロのもとに政府から迎えが来る。超有名シェフ・ジョエルロブションの推薦でミッテラン大統領ジャンドルメッソンの専属シェフとしてエリゼ宮で勤めることになった。豪華絢爛なエリゼ宮の料理にうんざりしていた大統領はフランスの伝統料理を作れるシェフを希望していた。
物語は初めなぜか南極探査隊のところから始まる。なんだこりゃ?と思っているとそこで南極料理人をしているのがオルタンスだった。オルタンスは大統領専属シェフを辞めた後南極料理人となっており、いま現在の南極での様子とエリゼ宮での様子が交互に語られる形式になっている。
エリゼ宮には伝統のしきたりがあり、主厨房は完全に男社会でオルタンスは邪魔者扱いされていた。それでも、助手のパティシエのニコラアルチュールデュポンは優秀でオルタンスに協力的だったし、ギャルソンのダヴィッドイポリットジラルドもオルタンスの味方だった。
大統領が求めるフランスの伝統的な郷土料理を出すためにしきたりを破り、契約している業者の食材ではなく、自分の田舎などから食材を取り寄せて次々に料理を作っていくオルタンス。大統領はオルタンスの料理を非常に気に入り、彼女と話す機会を持ちたいと考えるようになっていた。料理好きの大統領は初めてオルタンスとゆっくり話す機会があったとき、予定の10分を大幅に超えて数時間もオルタンスと話し込み、側近たちをやきもきさせたりもした。
オルタンスがレシピを言いながら(彼女の料理する時のクセ)どんどん美味しそうな料理ができあがっていくので、見ているほうはたまらない。ワタクシはフランス料理が好きなので特にかもしれませんが、彼女の作る料理をすごく食べたくなりました。主厨房が意地悪で腹が立つんだけど、パティシエのニコラもギャルソンのダヴィッドも良い人で、オルタンスは料理に関しては絶対妥協しないのだけど、ニコラもダヴィッドも同じようにプロ意識の高い人たちだったので、彼らの仕事ぶりを見ているのはとても清々しかったです。
それにしても、“豪華絢爛な料理ではなくフランスの郷土料理”っていうのが、鴨だー、フォアグラだー、トリュフだー、なんたらチーズだー、っていうからびっくりしたよ。あれが彼らにとっては本当に故郷の味なんだね。いやー、まじ食べたい(笑)
エリゼ宮の話がほとんどなんだけど、時々南極の話が挿入されるのが初めはうっとおしくて、「南極の話はいらんわ」と思いながら見ていたんですが、ラストのオルタンスが南極を去るときのお別れ会のエピソードを見て、オルタンスの人柄がとてもよく表れているシーンだったのでなんだかじーんときました。
オルタンスを演じるカトリーヌフロがすごく可愛らしい女性で、50代だけど色気もあって、料理に関しては頑固なところがあるオルタンスを非常に魅力的に演じています。
フランス映画らしく特に大きな起承転結がある作品ではないのですが、出てくる料理とオルタンスの人柄に飽きることなく釘付けになる作品でした。
オマケ1アメリカ映画ならこういうときビックリするほど似ている役者を起用してくるもんだと思うんですが、ミッテラン大統領のあまりの似てなさにかえってあっぱれな気にさせられました。
オマケ2映画の最中ずっとしゃべっていたおばさんがいたんですが、トリュフをスライスしてパンに乗せるシーンで「あれ、何?」と連れの人に聞いていたんですよねー。オルタンスがすごくトリュフを愛していただけに、トリュフを知らずにこの作品を見て楽しめたのか?と心配になりました。
予告編を見て面白そうだと思って見に行きました。ケンローチ監督なので、当然イギリスの労働者階級のお話だけど、彼の映画には珍しく明るい要素が多そうな雰囲気だったので期待していました。
長年の腐れ縁で近所の不良とケンカばかりしているロビーポールブラニガン。今回は恋人レオニーシヴォーンライリーにもうすぐ子供が生まれることもあり、服役ではなく300時間の社会奉仕活動を命じられる。そこで出会った指導者のハリージョンヘンショーに仲間たちとともにウィスキーの蒸留所に連れて行ってもらったのをきっかけにロビーはウィスキーに対する嗅覚の鋭さを発揮。天性の才能を見せる。ウィスキーに興味を持ったロビーはウィスキーの勉強を始め、ハリーにウィスキーの試飲イベントに連れて行ってもらう。そこでのききウィスキーでもロビーは才能を発揮した。
そのイベントでロビーたちは幻のウィスキーが発見され、オークションでひと樽100万ポンド以上の値がつくことを耳にした。ロビーは仲間たちと一緒にその樽を盗んでひと財産稼ぎ、恋人と新天地で人生をやり直す計画を立てる。
って、、、、えーーーーーーっ!!!!
この計画を聞いたとき、マジでビックリした。。。ウィスキーの匂いを嗅いだだけでどこで作られた何年ものだとかそういうことを当てられるほどの才能を発揮したロビーがウィスキーの蒸留所で働き、ゴロツキだった青年が真面目に成長していくお話だと思っていたのに!なんだこれは!?
仲間たちには愛嬌もあるし、笑えるシーンもあるけどさ、結局やってること犯罪やん。オークションでその樽を落とした人は、中身に混ぜ物がしてあっても分からないような奴っていう設定だったけどさ、だからってロビーたちのやったことが許されるわけではないでしょ。そのお金を持って“更生”とか言われてもねぇ…恋人だってその事実を知ってたの?最後にワーゲン買ってきたことに驚いてたから知らなかったんだと思うんだけどさ、子供の父親がそれでいいの?なんだかなぁ。
オークションで落とした人が味の分からない奴って設定だったけど、ロビーたちが盗んだやつだってあんなオレンジジュースが入っていたような瓶に汚いホースを使って入れて風味とか絶対変わってるよ。あんなんでコレクターが納得したってのもなんかおかしくない?
大犯罪が爽快に終わるのは、盗む相手が絶対的な悪者とか国のすごい大物とかで鼻を明かすってパターンだと思うんだけど、ロビーたちの場合は何の罪のない人たちを騙して全然爽快感がありませんでした。手口も素晴らしいってほどのもんでもなかったし、その前にしてたロバの密輸の話もいまいち関係なかったような気が。もっとストレートな更生劇を期待していたのでがっかりでした。
ケーブルテレビで1作目、2作目と連続で見たので、3作目をレンタルしてきました。というわけで、「ダークナイト」祭り完結編です。
バットマンクリスチャンベイルがトゥーフェイスの罪をかぶって世間から姿を消した前作から8年。ベイントムハーディという奇妙なマスクの男がゴッサムシティを破壊しようと企んでいた。ゴードンゲーリーオールドマンはベインと対決し、大けがを負ってしまう。そこで、若手の警官ジョンブレイクジョセフゴードン=レヴィットに指示を出しながら、見舞いに来たブルースウェインに「闇の騎士が必要だ」とバットマンの復活を要請する。若手警官ジョンブレイクがなかなかいい活躍を見せてくれますね。それがなぜかというのはきちんとラストで語られます。
まぁなんせ、このベインっていう悪者の悪さのスケールがすごい!これは本当にスクリーンで見たらすごかっただろうなぁと思う。地下水道でのシーンとかアメフトのスタジアムの地下を崩壊させるシーンとか超興奮してしまいました。あとは、今回多分これクリストファーノーラン監督の狙いだと思うんですが、やたらとただの殴り合いってのが多かったですね。最初のベインとバットマンの対決もそうですし、最後のほうに団体戦になるときも。最初の1対1の対決なんて、まったくBGMもなくただただ殴り合う姿をえんえん見せるという変わった演出でした。しかも、バットマン負けるし。それで地下牢に監禁されたことでまたバットマンの精神世界が広がるわけですね。ノーラン監督のバットマンはやたらと東洋的な精神に基づいてますもんね。
そして、このシリーズ中もっとも楽しみにしていたキャットウーマンアンハサウェイの登場。いやーもう完全にバットマンを喰ってましたねー。彼女の登場するシーンでは、彼女にしか目が行かなくて困ってしまいました。原作がそうだからかワタクシは知らないんですが、ミシェルファイファーとハルベリーが演じたキャットウーマンの設定ってちょっと寂しい女っていうイメージがあったと思うんですが、今回のアンは特にそういう寂しげというかみすぼらしい感じは一切なく、ただひたすらカッコいい。彼女の一挙手一投足に目が釘付けでした。しかもあからさまにキャットウーマンでっせーって感じではなくて、ゴーグルを頭にひっかけたときにそれが猫の耳に見えるというおしゃれなコスチュームもすごく良かった。クライマックスで彼女がバットポッドに乗って滑走するシーンにはしびれました。キャットウーマンはもちろん、悪いコなんですけど、バットマンも言っているように心の奥底までは悪者じゃないんですよねー。そこがキャットウーマンの魅力です。
そんなセクシーなキャットウーマンをよそにブルースウェインはミランダテイトマリオンコティアールという女性とお近づきになっちゃいます。でも、彼女には暗い暗い過去と大きな秘密があったんですね。この秘密の部分も非常によくできている。最後の方で、あ!ってそれに気づいたときは、なるほどそういうことかと膝を打ちました。ベインみたいな粗野なキャラが黒幕だったら面白くないもんね。これで、「1」から続いているラーズアルグールとの対決にもきちんと終止符が打たれたし、スッキリしましたね。
スッキリと言えば、この作品は本当に3部作の最後にふさわしく、すべてをきちんとおさまるべきところにおさめたと言える作品だと思います。まるで、1作目を作った時から監督の頭の中ではこの3作目がとっくに出来上がっていたかのようなキレイな終焉です。
バットマンが悪者だという誤解は解かれ、ブルースウェインはめでたくバットマンを引退することができ生涯の伴侶を得て、(ってか、クリスチャンベイルとアンハサウェイなんて絵になり過ぎ。それだけで大満足)ロビンという後継者もきちんと後釜に据えてすべてがめでたしめでたしと思える、壮絶な物語のラストを飾るにふさわしい3作目でした。2時間44分もあるとは思えない、なんかもうずっと見ていたいような作品で、独立した作品としても十分に面白い1作目と2作目がかすんでしまうような出来だと思います。
初めて映画館で予告編を見たとき、喋るテディベアだよー、楽しい映画かなー、と思ったらなんとR-15!孤独な少年ジョン8歳のクリスマスプレゼントのテディベア。友達のいないジョンが「このぬいぐるみが本当に喋れたらいいのに」と願うと、その願いが叶っちゃったからびっくり。それから27年の歳月が過ぎ、ジョンとテディベアの友情は続き、、、なんと35歳になったジョンマークウォールバーグと一緒にテディベア(テッド)セスマクファーレンもおっさんになっていた。という設定がまずユニークで面白い。
このテッドが喋ったことで、超有名になって一世を風靡したっていう設定も傑作だし、いまはもう過去の人になってるけどファンがいたり、ちゃんと人間と一緒で運転したり携帯電話で話したり風呂入ったり、人間のお姉ちゃんとセックスまでできちゃうというのがまた面白さを増していますね。
おっさんになっても親友同士の二人は、だらだらとカウチでマリファナを吸いテレビを見る。ジョンにはロリーミラクニスという恋人がいて4年も付き合っているが、ルームシェアしてるテッドが娼婦をいっぱい呼んで変なプレイしてることにとうとうキレちゃってジョンにいい加減テッドを追い出してお互い自立するように言い渡す。ロリーが大事なジョンはテッドに新しいアパートを見つけてやり、仕事も探すように言う。
スーパーのレジ係として働き始めるテッド。しかし、別々に暮らし始めてもやっぱりジョンとテッドはべったりの生活をやめず、ロリーは嫌気がさしてジョンに別れを告げる。
ロリーを取り戻す手伝いをするテッド。ジョンとロリーがもう一度うまく行きかけたその時、テッドはストーカージョヴァンニリビシに誘拐されてしまう。
テッドが次々に繰り出すギャグがもう完全にR-15。下品だし、エロいし、口は悪いし、もう最悪です。って、ワタクシはもちろん大笑いしましたけどね。でも、ネタが80年代に子供時代をアメリカで過ごした人たちにしか分からないものっていうのも結構あって、日本人にはツライところもありますねー。字幕は日本人がウケるようなギャグに変更してありましたが。アメリカの有名人の名前とかがバンバン出てくるので、ちょっとアメリカのエンタメ界に詳しくない人は何が面白いのか分からないところも結構あるかも。ワタクシはテッドが口を開くたびにウケていたと言っても過言ではありません。生真面目さんには絶対に向かないギャグのオンパレードです。
トムスケリットとノラジョーンズが本人役で登場して笑わせてくれますねー。ノラジョーンズってあーいうおふざけOKな人なんだ。こういうのは多分、テッド役&監督のセスマクファーレンのアメリカでの人気のおかげなのかな。ワタクシはあんまりこのセスマクファーレンという人を知らなかったんですが、この作品を見る限り才能のある人なんでしょうね。ギャグの感じはセスローゲンとちょっと似てるなぁと思いました。「宇宙人ポール」とちょっと似てた。
さてさて、この下品なエロくまテッドですが、バカばっか言ったりやったりしているくせに、最後にはちょっとホロッとさせられて、「アカン!こんなエロくまに泣かされたらアカン!」と涙をこらえる場面がありました。最初っからこういうクライマックスも予想できるんですけど、それでもやっぱいいよね、こういう素直な展開が。
それにしても、マークウォールバーグとミラクニスって年齢一回りも違うんですよね。いくらジョンが成長しきれてない大人子供とは言え、不自然過ぎるわ。なんかもうミラクニスと共演したかっただけやろ!って思ってしまいますね。
お正月休みにケーブルテレビで放映していたので見ました。
バットマン・ブルースウェインクリスチャンベイルの幼馴染のレイチェルがケイティホームズからマギーギレンホールに変わっちゃってました。2008年公開の映画だから、そのころというとケイティはトムと結婚してスリちゃんが生まれたあとですよね。仕事には復帰していたけど、ま、大人の事情というやつでしょうか。マギーギレンホールって確かにちょっとケイティに似ているけど、やっぱりケイティのほうが可愛い。その分なんだかマギーが気の毒に思えちゃいました…ワタクシ特に今回「バットマンビギンズ」と連続放映で見ちゃったもんですからね~。これが実際の公開時だったら、「ビギンズ」から3年後だから大して覚えてなくて気にならなかったかもですが。
今回の敵は有名なジョーカーヒースレジャー。彼の遺作になってしまいましたね。(「Dr.パルサナスの鏡」が遺作だけど、あれは他の俳優たちが完成させてくれたものなので)この作品の演技でアカデミー助演男優賞を受賞しましたけど、こんなこと言っちゃ悪いけど、死んだから?って思っちゃいました。ジョーカーの演技って良かったとは思うけど、そこまでのものだったのかなぁと。ファンの方ごめんなさい。ジョーカーの悪者ぶりは良かったですが、マフィアとの取引うんぬんっていうのはちょっといらなかったかな。ゴッサムシティの荒廃と絡めたかったのか。
レイチェルの恋人のハービーデント検事アーロンエッカートをゴッサムシティ立て直しの救世主として持ち上げたバットマン。自分は所詮闇の存在でしかないという彼の意識の表れですかね。どこかで、最後にはレイチェルは自分を選ぶっていう自信があったからイマカレにもあんなふうに接することができていたのかなぁという気もします。実は選ばれなかったけどね。それはちょっと意外だったな。
それにしても、まさかレイチェルが死んじゃうとは思わなかった。しかも、それがきっかけでハービーデントがトゥーフェイスになっちゃったからびっくりしてしまった。っていうか、トミーリージョーンズがトゥーフェイスを演じた「バットマンフォーエバー」でもきっと元の名前はハービーデントだったんだろうけど、すっかり忘れてしまっていたので。「おぉ~、ジョーカーだけじゃなくてトゥーフェイスも出るんかー」ってちょっと嬉しくなってしまいました。
ジョーカーが仕掛けた2隻の船の爆弾のシーンが面白かったな。片方には囚人たち、片方には一般市民が乗っていて、どちらかが先にスイッチを押せばスイッチを押さなかったほうの船が爆発するという仕掛けなんだけど、囚人たちの代表はそのスイッチを船の外に捨て、当然自分たちが生き残るべきと考えている一般市民のほうも結局は誰もスイッチを押すことはできない。我先にどちらかがスイッチを押すと考えていたジョーカーには完全に期待外れの結果となった。ここのシークエンスはかなりドキドキしたなぁ。まさかああいうオチになるとは思わなかった。クリストファーノーラン監督って実は結構性善説な人?と思いました。
あとはカーチェイスでボロボロになったバットモービルからバイク型のバットポッドが飛び出すシーンがめーーーーっちゃくちゃカッコ良かったですね。時代が古いから仕方ないけど、昔のバットサイクルとは雲泥の差があります。このバッドポッド、アメリカで公開当時に実際に乗れる再現されたものが販売されたそうですね。買った人いるのかな。いるでしょうね、もちろん。日本の公道は走れなさそうですが。
「ビギンズ」でもそうですが、ゲーリーオールドマンが完璧ないいもんで登場するのが、このシリーズのもうひとつの見どころかも。今回は途中で「え?死んじゃったのーーーーっ!!!」ってすっかり騙されちゃいました。最後はトゥーフェイスのせいで超ピンチに陥りますが、やっぱりバットマンが助けてくれましたね。でも、このシリーズは結構ダークサイドも強いので、普通のヒーローものみたいに「どうせ〇〇マンが来て助けてくれるって~」という安心感があまりなくて、もしかしたら本当に殺されちゃうのでは?というドキドキ感が強い気がします。アメリカの映画ってたいがいそうなんですが、俳優の歳に対して子供が小さくないですか?ゲーリーオールドマンが息子と並ぶシーンなんてなんかちょっとおじいちゃんと孫?みたいな雰囲気がありました。これって男優の歳に対して相手役の女優の歳が若いっていうのと共通かも。
執事のアルフレッドマイケルケインはレイチェルがハービーを選ぶと書いた手紙をこそっと捨ててましたね。一人の人間としてその真実を知らずに生きるのはどうかと思いますが、バットマンとしてのブルースウェインのモチベーションを保つためにはグッジョブというところでしょう。技術者のルーシャスフォックスモーガンフリーマンのサポートも今回も渋くて良かったです。悪者逮捕のためとはいえ、全部の携帯電話を盗聴すると言ったバットマンに対して、それなら私は辞職すると言える一本筋の通ったルーシャスがカッコいい。このシリーズにはやはりこの2人のじーさん役者が欠かせません。
トゥーフェイスをやっつけたバットマンがゴッサムシティ再建の希望の星としてハービーデントの名を残すために自分が悪者になって、自ら警察から追われる身となるという最後が非常にカッコ良かったです。憎いねー、この!って感じで。自分の名声などよりもゴッサムシティのことを一番に考えているブルースウェイン。死んだお父さんも誇りに思うことでしょうね。「ダークナイトライジング」はテレビ放映まで待てないのでこの勢いでレンタルで見ようと思います。
これは内容にそこまで興味があったわけではないのですが、レイチェルワイズとダニエルクレイグが実生活で恋に落ちたきっかけになった共演作品ということで見に行かねば~と思って行きました。基本的にスターのスキャンダルとかそういうものには強い興味はないほうなんですが、レイチェルワイズのファンだし、レイチェルワイズとダニエルクレイグのツーショットなんて美しすぎる!と思いまして。
家族と過ごす時間を増やそうと 本を執筆するために出版社の編集長を退職したウィル(クレイグ)は妻(ワイズ)と幼い2人の娘トリッシュテイラーギアとディディクレアアスティンギアの待つ新居へと帰る。中古で購入したこの“ドリームハウス”を夫婦で改築し、夢のような生活を過ごせるはずだった。
しかし、末っ子のディディが窓の向こうに変な男がいることを発見した日から家族の生活に陰が忍び寄る。夜中に妙な物音がして地下室に向かうと近所のゴス系のティーンたちが入り込んで悪魔の儀式のようなことをしていた。彼らを問い詰めると、この家では数年前一家惨殺事件が起き、容疑者は生き残った父親で彼は精神病院に入れられていると言う。
この家の秘密を知ってしまったウィルは過去の事件について調べ始める。向かいに住むアンパターソンナオミワッツにも探りを入れてみるが、彼女の態度はどうも怪しい。
色々と調べていくうちに容疑者の男が精神病院を出て援助施設に入っている事を突き止めたウィルはその施設に向かうがそこで衝撃的な事実を知らされることになる。
と、この衝撃の事実っていうのがお決まりの例のパターンで。へっ?こんな早い時間にこのパターンでいいの???と不安になったのだけど、こっからもうひと展開するのがこの作品の他とは違うところ。確かに隣人がナオミワッツなのにただの隣人で終わるわけないよなー。てか、あんな事実を知ってたならもっと早く教えてくれりゃーいいものを。とも思ったけど、あの状態の彼に事実を告げたって、信じてくれるわけないか。
この衝撃の事実ってやつが知れてからのダニエルクレイグとレイチェルワイズの夫婦がもう美しいったらないんだわ。あの二人じゃなきゃ、ケッと思って終わりの人もなんだか非常に上質な作品を見せられている気になっちゃう。なんだこれ?って思ったら監督がジムシェリダンなんだよね。なんで彼がこの手の作品を撮ったかわかんないけど、やっぱり本来の上品さは隠せないってことかな。
娘二人がトリッシュとディディって呼ばれてるのがこの謎解きのひとつにもなってるけど、トリッシュってすっかりパトリシアだと思ってたらベラトリスからきたほうのトリッシュだったのねぇ。ディディがケイティからきてて、本当はキャサリンってのもうまかった。筋とは関係ないけど、この二人の子役がまた可愛いんだわ~。同じ苗字なんだけど本当の姉妹なのかな?子役が可愛いとやっぱすんなり感情移入してしまう。
内容としてはありがちなスリラーなんですが、好きな役者がそろって出ているので結構ひいき目に見てしまいましたとさ。
予告編を見たときに面白そうだなぁと思ったのですが、時間が合えば行けばいいかくらいのボーダーラインの作品だったのですが、ちょうど時間が合ったので見に行きました。テーマがテーマだからか、50歳以上の方がほとんどでした。
13歳から60年にも渡って梁家4代の家政婦をしてきた桃さんディニーイップ。いまは梁家3代目で生まれたときからずっと桃さんが面倒を見てきた独身のロジャーアンディラウの世話をしている。ロジャーは映画プロデューサーで出張が多いが、ある日家に戻ると中にいるはずの桃さんが出てこない。慌てて救急車を呼ぶロジャー。桃さんは脳卒中を起こしていた。
ロジャーの世話にはならないと言う桃さんだったが、ロジャーは桃さんのために施設を見つけてやり、入所させてやる。費用もロジャーが全部持つから心配ないと言って。
桃さんは家政婦さんではあるけれど、ロジャーにとってはほとんど母親のような存在で、小さいときからずっと面倒を見てきてくれた人。そして、どうやら数年前にロジャーは心臓を患ったことがあり、そのときにも桃さんは献身的に面倒を見てくれたようだ。忙しい合間を縫って面会に行くロジャー。ロジャーの幼馴染たちも桃さんを慕っていて、電話で桃さんを励ましたり、本当に小さい時から桃さんが献身的に面倒を見ていたことがよく分かる。
ロジャーの母親や姉も移民先のアメリカから桃さんを訪ねてきたりして、お土産やお金を渡したりと、桃さんとこの家族の非常に良い関係が描かれる。ロジャーのお姉ちゃんは桃さんが生きている間の費用をロジャーが出すなら、せめてお葬式の費用くらいは出させてね、と言う。
桃さんがこの歳になって家政婦として働けないような状況になっても梁家みんなで桃さんの面倒を見てくれるというのは、もちろん桃さんがこれまで本当に誠実に梁家に尽くしてきたからであり、それは桃さんの人徳というものだとは思う。ロジャーと桃さんのやりとりにも心があったかくなるし、笑えるシーンもある。この作品のプロデューサーの実体験に基づいたお話ということだから、それにケチをつけるのもどうかとは思うけど、ロジャーたちみんながお金があって良かったね。という気がしないでもなかった。家政婦さんを60年も雇い続けられるくらいだから裕福なおうちというのは当たり前だし、梁家の人々が桃さんにしたことはお金持ちみんなができることではなく、桃さん、梁家みんなが良い人だからできたことなんだとは思うけど、やっぱりこういうことはしたくてもできない人が多い中で、お金があるってやっぱ良いよなぁと、ちょっと貧乏人のヒガミと思われてしまいそうな感想を持ってしまいました。
いや、ワタクシがヒガミっぽい感想を持ったからといってこのお話が良いお話であることにはまったく変わりないし、お金持ちの嫌味みたいなものは全然感じられないお話なんですけどね。
アンディラウは作品に惚れてプロデューサーにも名を連ね、ノーギャラで出演したと言われています。ロジャーはいかにもお金持ちのぼんぼんといった感じで清掃業者やタクシー運転手に間違えられてしまうようなちょっとどんくさそうな男性を演じ、いつものアンディラウとは違う魅力を見せてくれます。
特に事件らしい事件も起こらない淡々とした作品なんですが、心温まる作品です。桃さんが飼っている猫が自然体で良かったなぁ。
これはアメリカのケーブルテレビ局HBOが製作したテレビ映画ですので、厳密に“映画”というものではないのですが、HBOは常に上質のテレビ映画を製作していて、クオリティとしてはそんじょそこらの“映画”には負けないところがあります。というわけで、ワタクシは勝手に映画のレビューとして書かせていただきます。
テンプルグランディンという方の名前を聞いたことがある日本人がどれくらいいるのかワタクシには分かりません。多少なりとも高次脳機能障害などに興味のある方ならご存知の名前ではないだろうか。ワタクシは特にその分野に明るいわけではないが、興味はあるほうなので以前からテンプルグランディンという人の存在は知っていた。映画好きとしては純粋にクレアデインズの演技が素晴らしいと聞いていたのでそれにも興味があったし。
テンプルグランディンは高機能自閉症として生まれ他人に触れたり目を合わせたりすることができず、言葉も4歳までは出なかった。母親ジュリアオーモンドの努力の甲斐もあってか、言葉は話せるようになるが、他人の言葉の裏とか行間を読むということはできないので冗談は通じず、学校では変人扱いされていじめられたりもした。しかし、彼女の自閉症のひとつの特徴として視覚的に物事を捉えるので、目で見た教科書のページを瞬時に記憶することができるという特殊な能力も持っていた。高校のとき彼女のそんな才能を伸ばしてくれる科学教師カーロック先生デヴィッドストラザーンに出会い、彼の支援もあって畜産学を学ぶ大学に進学する。
大学進学後、実際の場などを研修で見学し、彼女の特殊な能力を発揮し、どのようにすれば牛が穏やかなまま消毒漕に誘導することができるか、の最後の瞬間まで牛が落ち着いたままでいられるかなどの設計を研究し、現在ではアメリカ、カナダの半数の場で彼女の設計が使用されているという。
彼女は1947年生まれということだから、いまよりも自閉症などに関する研究はなされておらず、いまよりももっと差別的な意識や間違った知識(お母さんの愛情不足などと医者から言われるシーンもある)がはびこっていた時代に、周囲の偏見にも負けず自分の信念を貫き通したテンプルは素晴らしい。それにはお母さんの"She is different. But not less."(彼女は人とは違う。でも劣ってはいない)という信念が大きかったのだろう。
たくさんの偏見もありながらも、中には理解し協力してくれる人々もいて、そんな人々の中でテンプルは自分はイヤだけれども、人は喜ぶんだなということを想像するというような彼女の自閉症の症状からはおそらく困難であろうことも克服するようになってくる。自分はハグは嫌いなのに、母親はしたいのだろうというのをぎこちないながらも受け入れるシーンに涙が出た。
彼女は牛の気持ちや習性を独特の視点で理解しながらも、場の設計という一見矛盾しているようなことをするが、彼女が何度も言う「自然は残酷。でも人間までそうである必要はない」というセリフに非常に心打たれた。自分たちの生活に必要なため牛を殺すのであればせめて穏やかに死なせてあげたいという彼女の気持ちに感動を覚えた。
これも彼女の自閉症の症状であるが、同じことを何度も繰り返し話したり、TPOをわきまえず自分の言いたいことを大声でとうとうと喋ったりしてしまうテンプルをクレアデインズが驚くほどにうまく演じている。彼女はこの作品でエミー賞やゴールデングローブ賞を受賞しているが、これが劇場公開版の映画作品だったら間違いなくアカデミー賞を受賞しているだろうと思われる演技だ。クレアデインズは少女のころから演技派の女優さんだけど、この作品での演技は彼女の数々の素晴らしい演技の中でも上位に来る作品となるだろう。それを受ける母親役のジュリアオーモンドもまた素晴らしい演技だった。
演出もテンプルの独特の視覚的な世界を映像で表し、彼女の興味のあることに没頭してしまう特徴や、冗談が通じないところなどを時にユーモラスに描き、決して障害者を扱ったお涙ちょうだい系の作品にはならず、非常に力強い作品となっている。
残念ながら日本ではDVDが出ていないみたいなんですよね。。。ケーブルテレビで見る機会のある方はぜひご覧になってください。
1990年にシュワルツェネッガー主演で映画化されたほうはテレビで見たと思うんだけど、なんかヘンテコな人が出てくる映像のほうが印象深くて詳しくはちょっと覚えていません。あまりSFファンではないので原作も読んでいません。というわけで純粋に今回の映画の感想ということでお読みください。
最初公開されることを知った時にはあまり興味がなかったんですが、途中でキャストを知ってケイトベッキンセールとジェシカビールが出ているというのでちょっと興味が湧いて、どこかで読んだ記事でこの二人がなんと殴り合うって言うじゃないですか。ケイトベッキンセールとジェシカビールが殴り合うんだったら見に行かねば!とここがポイントで鑑賞を決めたのはワタクシくらいじゃないかと思いつつも見に行くことにしました。
世界が富裕層が住むブリテン連邦と貧困層が住むコロニーの2つだけになった近未来。コロニーに住むダグラスコリンファレルは毎晩、知らない女性(ジェシカビール)とともに警察を相手に戦い離ればなれになってしまう夢に悩まされていた。ダグラスは好きな記憶を植え付けてくれるという「リコール社」に出向き、自分の夢と同じスパイとしての記憶を体験しようとする。装置が起動する瞬間、警察が乗り込んできてその場にいた全員を射殺。ダグラスは自分でも気づかないうちにものすごい戦闘能力を発揮して警察全員を殺して逃亡。家に帰ると妻ローリー(ケイトベッキンセール)にも襲撃を受け、必死で逃亡する。追い詰められたとき助けてくれたのが夢でしか会ったことのないメリーナ(ジェシカビール)だった。
ダグラスが妻と結婚して貧しいながらも幸せに暮らしていたと思っていたのはすべて植え付けられた嘘の記憶で、本当はダグラスはハウザーという名前でブリテン連邦を転覆させようと革命を起こしているコロニーの集団の英雄的存在だという。
自分とは何か?とか、自分が持っている記憶を信じられるか、何を誰を信じたらいいのか?自分が愛しているのは本当は誰なのか?という疑問が渦巻き、非常に哲学的なテーマをはらんでいる物語であると思うのだけど、この作品に関して言えば、そういった哲学的な部分は横に置いといて、という感じでダグラスが眠っていた戦闘能力を発揮してからはもう怒涛のアクションの連続です。近未来ですから当然空飛ぶ車でのカーチェイス、前後左右に動く何台ものエレベーターの合間を縫って行く逃亡シーンなど、息もつかせぬアクションでぶっちゃけSF映画ってことはもう忘れそう。
コロニーの反政府軍を率いるリーダーとして登場したビルナイがあっけなく殺されたのはもったいな過ぎる使い方で、あそこの部分は植え付けられた真実でない記憶であってほしいと願ったけど、どうやらそうではないようだった。
期待していたケイトベッキンセールとジェシカビールの殴り合いについては、狭いエレベーターの中でドカドカと殴り合ってくれちゃって満足でした。ニセの妻(ケイト)が「私にキスをしたダグラスの唇にあなたもキスしたの?」と挑発すると真の恋人(ジェシカ)が「あの女ぶっ殺してやる」と応えるシーンではちょっと噴き出してしまいそうになるほど楽しかったです。女性が妙に強くてコリンファレルの強さが霞んでしまうほどでした。
ガンガンのアクションの中でもう少しドラマ部分に厚みをもたせてくれたら、原作や以前の映画化作品とはまた別の良い作品になっただろうと思うのですが、ドラマ部分が少し印象薄めだったのが残念なところです。
「映画」もいいけど「犬」も好き。という方はこちらもヨロシクです。我が家の犬日記「トラが3びき。+ぶち。」
聴覚障害者学校の校長始め教師たちが児童を肉体的、性的に何年にもわたり虐待し、それを隠ぺいしようとしたという実話を基にした作品。
大学時代の恩師の紹介で聴覚障害者学校に赴任してきたカンイノコンユは、赴任早々校長の双子の弟で行政室長(チャングワン二役)から口利きの見返りとして大金を要求される。ここですでにちょっとおかしな雰囲気を察していたカンイノだったが、離れて暮らす娘と母に送金をせねばならないこともあり、この職を手放すわけにはいかずその要求に応じる。
ある晩帰宅しようとしたときに女子トイレから悲鳴が聞こえ行ってみるカンイノだったが、悲鳴は消え校務員から「この学校の子は退屈すると叫ぶんですよ。自分たちはうるさいのが分からないから」と言われ半信半疑ながらその日は放置をして帰った。
職員室ではある男子生徒ミンスペクスンファンがパク先生から執拗に暴力を受けていたが、他の教師は見て見ぬふりをしていた。
ある日ユリチョンインソという女子生徒が寮の窓枠に座っていたので、危険だと感じたカンイノが助けに行くとユリは顔に傷があり、怯えきっていたが、カンイノをとある部屋の前へと連れて行く。その中は洗濯室になっていて、寮長のユンジャエがヨンドゥキムヒョンスという女子生徒を回る洗濯機の中に首を無理矢理突っ込ませるという虐待をしていた。カンイノが問い詰めるとしつけのためという寮長だったが、すぐさまカンイノはぐったりしているヨンドゥを入院させ、人権センターのソユジンチョンユニにも付き添ってもらう。病院でソユジンがヨンドゥから筆談で話を聞いたところ、寮長の虐待の他に校長に性的虐待を受けているという衝撃の告白を聞くことになる。
ヨンドゥの告発を基にカンイノとソユジンが調べるとユリもミンスもそして、自殺したミンスの弟も校長や教師パクから性的虐待を受けていると言う。しかも、カンイノたちが調べたところによると、この3人は孤児であったり、両親も知的障害を抱えているなどする非常に弱い立場の児童たちで、校長らはそれを知った上で彼らを選んで虐待を重ねていたと考えられた。他の教師や職員たちも何らかの事情を抱える者が多く、校長らの秘密を知りながら告発できない者をわざわざ集めていたのだった。
校長たちは警察も買収しているので当初彼らの訴えは取り上げらなかったがマスコミを通じてこの事件を明るみにしたことにより、警察も校長らを逮捕しないわけにはいかなくなった。しかし、裁判では相手の弁護士が有力なこともあり苦戦を強いられることになる。
子供たちの告発のシーンがものすごく痛々しくて見ているのが辛い。たとえ、演技で役者としてやっていることとは言ってもまだ幼い子役たちが性的虐待のシーンを演じたり、それを告発するために何をされたかを話すシーンを見るのは非常に辛かった。子役たちのことは詳しく知らないんだけど、フィルモグラフィーを見る限り他にもたくさんの作品に出演しているということは本当の聾唖者というわけではなさそうだが、非常にリアルだったので聾唖者の中から選んだのかとさえ思った。
映画としては内容は衝撃的だし、不謹慎かもしれないけど主人公の男女は美男美女だし、(韓流に詳しくないので知らなかったけど、コンユは本当に男前だねぇ)125分間スクリーンに釘付けになったと言っていいと思う。精神的にエグい作品なので見ているのは辛いのだけど、やっぱり目は離せない。ただ、一連の事件に関しては実際の事件を基にしているということは分かるのだけど、校長らの罪がものすごく軽いもので終わり事実上負けてしまったあと、ミンスが教師パクを刺殺してしまう部分に関しては、おそらくフィクションだよね?もちろん、カンイノの設定とかそういうものは全部フィクションだし、ドキュメンタリー映画じゃないのだからそれはいいんだけど、ミンスがパクを殺すというのはちょっと映画としてショッキングにしたいという意図が見え透いてイヤな感じがした。あの場面も本当だったとしたら、それはそれでいいんだけど、あまりにもいたたまれないな。
事件そのものはどこの国でも起こり得ることであり、日本でも今までにもあったし、おそらく明るみには出ていないが今現在もこれに類似したことは起こり得ると考えられる。韓国ではこの映画をきっかけに障害者への性的暴力の重罰化ができる法律ができたようだが、どこの国でもそもそもこういうことが起こらないようにするための体制づくりというものをしないといけないと感じた。それには閉ざされた空間の中に弱者と強者が揃うとこういう恐ろしいことが起こることがあるという前提が悲しいかな必要なんじゃないかと思う。
ケーブルテレビで見ました。西川美和監督の作品は初見です。「ゆれる」を見ようと思いつつまだ見ていません。
笑福亭鶴瓶は芸人としても役者としても好きだし、この題材ということで心温まるストーリーかなぁと思って見始めました。冒頭でいきなり、鶴瓶演じる村でただ一人の医師・伊野治の失踪というところから始まり、何やらただの心温まるストーリーではなさそうな予感。失踪の捜査に乗り出した刑事2人松重豊と岩松了と村人とのやりとりから伊野の人物像に迫っていく。
物語は伊野が村の医療を一手に引き受けていた過去に戻る。村人たち、看護師・大竹余貴美子、研修医・相馬瑛太、製薬会社の営業・斎門香川照之などとのやりとりが描かれていく中で、さまざまな伊野のエピソードが語られる。
印象的なエピソードは寝たきりのおじいちゃんの臨終の床。最後まで延命治療と施そうとする研修医・相馬とは対照的に家族の、特に介護を引き受けている、いや、押し付けられているであろうお嫁さんの表情をうかがい、延命治療をせずに死亡宣告をする伊野。おじいちゃんを抱き上げ「よう今までがんばったなぁ」と言った瞬間おじいちゃんのノドに詰まっていた赤貝が出てきて息を吹き返し、周囲は「神様だ」と伊野をもてはやす。
一方、刑事たちの捜査が進むにつれ、伊野は実は医師免許を持っていないニセ医者だったということが判明する。それを分かった上で観客は伊野のエピソードを見ることになる。
東京で医師をしている娘りつ子井川遥がいる鳥飼かづ子八千草薫は娘に義理立てしてか胃が悪いらしいのに伊野に診せに来ない。熱中症で救急で診ることになったのを機にかづ子の胃の調子を診る伊野だったが、かづ子の胃にはガンがあることが判明する。娘には言って欲しくないというかづ子の希望通り伊野は胃潰瘍と偽って治療を続ける。
看護師の大竹は伊野がニセ医者だということに気付きながらサポートし続け、緊急の患者が気胸になったときも針を刺す場所をそっと教えたりしていた。彼女は医者のいない村で伊野の存在がどれだけ大きいかをもっとも知っていた人だったんだろう。看護師という職業上は彼女のしたことは決して許されることではないんだろうけど、映画を見ている限りでは彼女に対して嫌悪感などはまったく感じなかった。
製薬会社の営業マン斎門も伊野がニセ医者だと知っていたが、薬の販売を手伝わせるなどして伊野を利用していた。ここのところはどういう経緯でそうなったか語られないが、かつてペースメーカー機器の営業だった伊野となんらかの形で知り合いだった斎門が伊野の素性を黙っておく代わりに薬を売りつけていたようで、これはどっちもどっちってな感じだけど、現実的には捜査が進めば、伊野が患者に必要でない薬を与えていたことも判明するだろうし、そうなれば斎門もヤバい立場に追いやられる可能性はあると思う。
研修医の相馬はすべての研修が終わったら伊野の下で働きたいと考えるほどになっていたが、伊野がニセ医者だったと刑事に知らされると「怪しいとは思っていた。伊野が変な治療をしないように目を光らせていた」などど言っていたのは、おそらく尊敬していた人に裏切られたという悲しみと、そんなニセ医者を尊敬してしまっていた自分の自尊心が傷ついたことへの怒りが原因だったのだろう。
研修医・相馬にここで働きたいと言われたときの伊野が「俺はニセモノや。資格がないんや」と言うときの鶴瓶の演技が秀逸だ。前半はコミカルな感じで進み、鶴瓶の芸人としての本領発揮といったところだが、こういうシリアスなシーンの鶴瓶の目の座り方はハンパなく怖い。普段へらへらした印象だけに、目の奥の底なし沼のような暗さに寒気がする。
先に書いたおじいちゃんの臨終の場面や、鳥飼かづ子との交流を見ると、日本の終末医療の在り方などの問題提起かというふうにも捉えられるのだけど、伊野がなぜニセものの医者になりすましこの村に入り込んだのか、研修医・相馬に告白したように年2000万円もらえるからと転がり込んだら抜け出せなくなったというのが真実なのかどうか、有名な医者だった父との確執がそうさせたものだったのか、はっきりと語られることはない。結局、村人が感じたように「あの人はなんだったんだろう?」という状態に観客もほったらかしにされて終わったような気がする。
ただ、伊野がニセ医者だったと知らされたときの村人個々の反応が、それぞれで「あの人のおかげでこの村は成り立っていた」と言う人と、「どうりでちっとも良くならなかったはずだ」とか今まではお世話になっておいて手のひらを返したように言う人で、さまざまな人間の心の奥を垣間見ることができる。
ガンの母親がニセ医者にウソの診断をされた鳥飼りつ子も伊野に憤りを感じているふうではなかったのが、ちょっと不思議な気はしたけど、母親をほったらかしにしていた自分とそばで面倒を見てくれていたニセ医者とどっちが偉いか?と自問自答していたということなのか。
鳥飼かづ子は伊野にとてもよくしてもらっていたわりに「何も分からなくて。怖いですねぇ」なんて言っていて、冷たいばあさんだなと思ったけど、ラストシーンのかづ子が入院している病院に給食業者を装って忍び込んできた伊野を見たときの笑顔でなんか救われた。
劇場未公開の作品です。ケーブルテレビで見ました。
ボスニア紛争後、治安を維持するためにボスニア入りしていた国連監視団、民間軍事会社の人々が周辺の途上国などから女性を連れてきて慰安婦としていた問題に気付いたアメリカ人女性警察官キャシーレイチェルワイズがこの人身売買を告発する過程を描く作品。
出演している役者さんもレイチェルワイズの他、ヴァネッサレッドグレーヴ、デヴィッドストラザーン、モニカベルッチと有名どころが出ているにも関わらず、劇場未公開とはどうしてなんだろう?小さな映画祭では観客賞などを受賞したりもしているみたいなのに。日本って世界の中でもかなりたくさんの国の小さな作品まで見られる国だと思うんですけどね。国連の犯罪絡みということで何か黒い理由でもあるのかと勘ぐってしまいます。
治安を維持するためにボスニアにいるはずの人々がこういう犯罪に手を染めていたというのは、とてもショッキングでした。貧しい国から売られてきた(良い仕事に就けると騙されて)少女たちは、慰安婦として働かされただけではなく、逃げないようにパスポートは没収され、不潔で暗い部屋に何人も雑魚寝状態で押しやられ、逆らえば見せしめのように暴力を振るわれ、監禁され、しかも渡航費用や部屋代などを借金として返すよう強要されていた。
多額の報酬目当てにアメリカからボスニアに来て治安維持活動をしていたキャシーは全身傷だらけのラヤという少女を保護したことから偶然、少女の人身売買が行われていることを知る。女性として、母親として、警察官としてキャシーはこの事件を追う。背後にある恐ろしい力に気付かずに。
一般のバーを隠れ蓑にした売春宿に同じ民間軍事会社の連中が出入りしているという事実だけでもショッキングだったのに、少女たちの証言によると、国連、軍事会社の連中が少女たちを国境から運ぶ仕事までしていたことが分かる。しかし、上層部は当然そんな事実は認めず、軍事会社はキャシーをクビにしてしまう。
キャシーの味方は少なく、少女たちも組織の報復を恐れて証言できず、実際に証言した少女ラヤは見せしめに殺されてしまう。残る手段はマスコミにリークすることだけだが、様々な脅迫を受ける中、キャシーは証拠を持って出国できるのか。
というストーリーをサスペンスフルに描いていて、非常にうまい作りになっている。ラリーサコンドラキ監督はこれが初監督とは思えないほど、物語を分かりやすく語っているし、その上、映画的なサスペンスもあって盛り上がる。
これがただのサスペンスアクションものだったら良かったんだけど…これは実話を基にしているというんだから、本当にショッキングな話です。キャシーがこれをマスコミにリークしたあとも国連側はそんな事実はなかったと否定し、この人身売買にかかわった者たちも自分の国に帰されただけで、何のお咎めもなかったというのだからやりきれない。
たとえ、どんな強大な権力が後ろにあろうと、警察官として自分の仕事をするだけだというキャシーの姿勢がものすごくカッコいいし、こういう闘志あふれる女性の役にレイチェルワイズはぴったりだ。数少ないキャシーの味方である国連の高官を演じたヴァネッサレッドグレーヴは、反体制派として活動している人だからおそらくこの映画の製作に共感して出演したものと思われる。DVDのパッケージには日本での知名度を考慮してかモニカベルッチが大きく出ているけど、出演時間はとても短く、しかも被害者の少女たちのことよりも事務手続きを重視するヤな奴の役ですので、ファンの方は多少がっかりするかもしれません。
本当にこんな素晴らしい作品が、あまり知られていないというのはとても残念です。もちろん、目をそむけたくなるような話ではあるのですが、機会があればぜひ見てほしい作品です。
「映画」もいいけど「犬」も好き。という方はこちらもヨロシクです。我が家の犬日記「トラが3びき。+ぶち。」
珍しくジョニーデップの作品を見に行きました。巷で超人気のジョニーデップ&ティムバートンですが、ワタクシはあんまり好みではありません。ただ、今回はなんせミシェルファイファー出てるし、エヴァグリーン出てるし、クロエグレースモレッツ出てるし、ついでにジョニーリーミラーも出てるし、なんか設定も面白そうだなぁと思って見に行くことにしました。
イギリスからアメリカに移民してきた大富豪コリンズ家の息子バーナバス(デップ)は使用人のアンジェリーク(グリーン)を弄び恨みを買う。このアンジェリークは実は魔女でバーナバスの恋人ジョゼットベラヒースコートを殺し、バーナバスをバンパイアに代えて棺の中に閉じ込めてしまう。
約200年後の1972年、工事のために掘り返された棺から蘇ったバーナバスが見た物は、長きに渡り町を支配するアンジェリークと落ちぶれたコリンズ家の末裔たちだった。バーナバスは大切な家族のためにアンジェリークと戦うべく立ち上がる。蘇ったのが現代ではなくて1972年という設定なので、登場人物の服装や音楽がレトロな感じでちょっとイイ。
テレビのCMでやっているように200年経って蘇ったバーナバスが浦島太郎状態で、時代錯誤な発言をするのが面白い。もっとそういう面白さが色々出てくるのかなぁと思っていると、アンジェリークとの対決になってそこからはシリアスな感じになる。
アンジェリークとの最終対決は映像的に面白かった。家がコリンズ家を攻撃したり、クロエグレースモレッツが狼人間に変身したり、魔女アンジェリークの体が陶器のようにひび割れて行ったりするのは結構良かったな。
あんまり事前情報を入れずにただいつものコンビのバンパイアのお話と思って見に行っていたから、登場人物全員がバンパイアなのかと思っていたら、バンパイアなのはバーナバスだけだったんですね。ミシェルファイファーのバンパイア姿を見られると期待していたのに残念でした。クロエグレースモレッツは最後にかろうじて短時間だけ活躍しますが、ミシェルファイファーの使い方があまりにももったいない。ジョニーリーミラーも途中であっさり出ていってしまったし。使用人役でジャッキーアールヘイリーも出ていたけど、これまたもったいない使い方。いつもながら気持ち悪さは全開でしたが。コリンズ家で一番小さいデヴィッドガリーマクグラスが最後に超活躍するのかと思いきや全然しなかった…最後にアンジェリークをやっつけるのがデヴィッドだったほうが面白かったと思うんだけどなぁ。
バーナバスの恋人の生まれ変わり(?)のヴィクトリアの存在もなんか中途半端でした。最後はなぜかジョゼットに戻っていたけど。
ファンの方には申し訳ないですが、ティムバートンだからこんなもんかなーと言う気もします。ストーリーラインはいつもちょっと唐突なところがありますものね。それよりも他のところで評価されている監督だと思います。
ミシェルファイファーの活躍が少なくて残念だったんですが、清楚なイメージだったエヴァグリーンが素敵な邪悪な魔女を演じていて、この人こういう演技もできるんだなぁと感心しました。それは嬉しい発見です。アンジェリークがただのストーカーとかだったら、バーナバスにも同情できるけど、実際に弄んじゃったわけだし、ワタクシとしてはバーナバスよりアンジェリークを応援してしまいました。
あんまり良い事は書いていないような気がしますが、見ている最中はそれなりに楽しめた作品でした。
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ただの偶然ですが、2日連続でライアンゴスリングの主演作を見てきました。
かたや頭脳明晰でホワイトハウスに上り詰めようかという若者、かたや過去も素性もまったく分からない犯罪に手を染める寡黙な男。正反対と言ってもいいライアンゴスリングが見られた。
この作品で彼が演じる男は昼間は車の修理工でバイト映画の運転スタントマンをやっており抜群のドライヴテクを持ち、夜は強盗の運転手を引き受ける男。彼がどこから来たのか、どういう過去を持っているのか観客には一切知らされない。それどころか、彼には名前すらない。
そういう男が隣人に好意を持った。旦那スタンダードオスカーアイザックが刑務所に入っているアイリーンキャリーマリガン。好意を持ったと言ってもアイリーンの子どもと3人でドライヴに出かけたりするだけで、特に愛人関係になったとかそういうことではないようだった。そしてスタンダードが出所してくる。
スタンダードは刑務所にいたときに借金をしており、それを返すようチンピラから“仕事”を持ちかけられる。質屋の強盗だ。それをしないと家族に危害が及ぶと恐れるスタンダードを主人公の男はアイリーンへの愛から助けてやることにする。
しかし、それはワナでスタンダードは射殺され、盗んだ金を狙いにマフィアが追いかけてきた。そのマフィアを逆に殺してしまったこの男。
この時点で彼が抜群のドライヴテクニックを持っているということは観客には分かっているが、まさかこんなに腕っぷしも強いとは思わなかった。この男、本当に一体何者?
一度も肉体関係にもなっていない、愛を告白したこともない女性のために自分の命まで賭けて危険な橋を渡るというめちゃくちゃハードボイルドな展開。無口なライアンゴスリングにシビれる部分は大いにあるが、そこがちょっとイライラするポイントでもあったりして…
でも、それがこの男だからと思って見ていると、この愛する女性アイリーンの元にもマフィアがやってきて、そのマフィアを殺す彼が非常に怖い。アイリーンの前であそこまで残虐になれてしまう男。アイリーンと彼女の子どもに対しては非常に優しく、3人でどこか遠くで新しくやり直そうと言われてほんのちょっとそんな気にもなっていたかもしれないアイリーンだけど、多分あのシーンを目の前で見てかなり引いちゃったんじゃないかな?あそこから、ワタクシもちょっと彼を見る目が変わってしまいました。彼はただの寡黙で不器用な男ではなく狂気の男に変わってしまいました。あの時点でアイリーンとの将来はなくなり破滅に向かうしかなかったのがちょっと悲しかった。
インディーズの匂いがぷんっぷんする作品でした。玄人好みの作品とでも言いましょうか。ワタクシはまぁ悪くはないけどねぇ、くらいかな。アイリーン役がキャリーマリガンだったので、あんなおさなカワイイ顔してて、なんで犯罪に手を染めるような男ばっか好きになるのかと余計なことを考えてしまいました。
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「映画」もいいけど「犬」も好き。という方はこちらもヨロシクです。我が家の犬日記「トラが3びき。+ぶち。」
スウェーデン版の「ミレニアム~ドラゴンタトゥーの女」は公開時に見に行こうと思ったのだけど、時間が合わず行けずじまいでレンタルもまだしておらず、原作も読んでいないのでこのシリーズはこれが初見になった。
とにかくオープニングの映像がカッコ良過ぎる!ツェッペリンの「移民の歌」をカレンOがカバーした曲が流れ、本格的なPV顔負けの映像が流れる。さすがPV出身のデヴィッドフィンチャー監督。この映像をいつまでも見ていたいような気にさせられたが、おっと映画を見に来たんだった。オープニングの映像から一気に映画の世界へ突入し、爆走開始!かと思ったのだけど、映画そのものが始まるといたって普通な雰囲気で始まった。
「ミレニアム」誌の記者ミカエルダニエルクレイグが大富豪ヘンリックヴァンゲルクリストファープラマーに依頼され40年前に失踪したヘンリックの兄の孫娘ハリエットの事件の真相を追うことに。捜査の途中、ミカエルは一風変わった調査員リスベットルーニーマーラの助けを借りることにする。
40年前の少女失踪事件が思わぬ連続少女強姦殺人事件へとつながっていく過程がなかなかに面白い。ただの謎解き話としても十分に面白い要素を持っている物語である。しかし、この物語のもっとも重要なファクターは当然ドラゴンタトゥーの女リスベット。黒づくめの服装で個性的な髪型、全身ピアスとタトゥーだらけ。必要最低限以外のことは話もしないリスベット。いわくありげな過去を持っていそうな女。
…そうなんだよなー。見に行く前に当然期待するのはリスベットのキャラでしょう。そこがねー、ちょっとワタクシが期待した以上のものではありませんでした。期待値が高すぎたというのはあると思うのですが、リスベットにはもっと見ているこちらまでもが恐怖を覚えるような暴力性と見ていてヒリヒリするような危険な肌感覚があるのかと思っていたのです。確かに自分をレイプした男へ報復するシーンは良かったけど、ミカエルに対して結構簡単に心を開くんだなぁと意外に思いました。ミカエルとセックスするのはいいんですよ。あれが彼女の通ってきた性への感覚だと思うし。それがね、セックスだけの関係なら良かったんですが、なんか簡単にミカエルのこと好きになっちゃったのがどうもなぁ。あれじゃ、単なるファーザーコンプレックスの寂しい少女ってだけになってしまった気が。いや、確かにリスベットは「ファーザーコンプレックスの寂しい少女」なんでしょうけど、それを簡単に見せてしまうタイプじゃないと思ってたんで。
確かにハリウッドの女優にとってこの役を演じることはリスキーであるに違いない。外見だけでも過激なのに、レイプシーンや全裸でのセックスシーン、暴力シーンを演じなければならない。だから映画の中のリスベットに少しがっかりしたからと言ってルーニーマーラがすごく頑張っていたことには変わりないと思うけど。何十回とテイクを撮ることで有名なデヴィッドフィンチャーですが、レイプのシーンとか何十回も撮らされたのかな?実際どうだったのか知らないですが、その辺は少ない回数で切り上げてほしい気がしますね。
最後にリスベットが大物実業家の不正なお金をすべて横取りしちゃいますが、リスベットは天才ハッカーなんだし、あんなことができるなら何も後見人にブロウジョブしてまでお金をもらう必要はなかったような気がしますが、リスベット自身も不正でお金を得るよりも彼女としてはきちんと自分のお金を後見人からもらって真っ当に生きようと心掛けていたからなのかなと思ったりもしました。
上映時間が2時間38分もあって驚いてしまうんですが、全然長くは感じませんでした。期待したようなスピード感というものはあまり感じませんでしたが、ミカエルとリスベットが別々に行動しているときなのどの切り替えや進行が非常にうまく飽きることなく見ることができました。犯人を追いかけていこうとするリスベットがミカエルに「殺していい?」と聞くシーンはちょっと可愛かった。全体的にリスベットは意外と可愛い印象でした、なんて言うとあんなエログロの映画で?って思う方もいるかもしれませんね。ワタクシは結構好きなんですが、エログロが嫌いな方にはあまりオススメしない作品です。
最後まで見て最初のオープニング映像が一番良かったって言ったらこの映画のファンの方に怒られちゃいそうですが、あまりにもカッコいいのYou Tubeからダウンロードしようと思っています。
あまり良い事を書いてないですが、3部作ということでこれからの2作はやはり楽しみですね。この先リスベットのキャラがどうなっていくのか?ミカエルとの関係もどうなっていくのか楽しみなシリーズができました。またスウェーデン版もレンタルしてみようと思います。
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