
中村は2005年に土佐村と合併をして四万十市になりましたが、申し訳ないのですが私としてはしっくりとしません。
四万十川からとった名前なのでしょうが、昔ながらの地名が消えていくのは寂しい限りです。
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その中村で最初に向かったのは、土佐一条氏の中村御所があった場所にある一條神社です。
商店街の中にあるのですが、説明板に中村御所の説明がなければただの神社、そんな感じでした。
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こちらは中村城に向かう途中にある、一条房基の墓です。
土佐一条氏3代の房基は知勇兼備の将として土佐七雄の一つである津野氏を降すなど勢力を拡大しますが、その3年後に突如として自害をしてしまいました。
狂気のためとも言われていますが、この房基の早すぎる死が土佐一条氏の滅亡の遠因となります。
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土佐一条氏の居城であった中村城は連郭式平山城で、当然のことながらそれなりの高さを誇ります。
額に汗して自転車を押して登る羽目になりましたが、中腹までは舗装をされていたのですが途中から石畳となったために、途中で諦めて歩いて登ることにしました。
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中村城の天守閣は模擬天守で、中は四万十市立郷土資料館になっています。
本来は単体の城ではなく、為松城、東城、中ノ森、御城、今城を総称したものとなります。
登っていく途中で東城の詰(本丸)跡がありましたし、模擬天守のあった場所からちょっと歩くと為松城の詰跡もありました。
天守閣は狭い敷地に建っているために、それなりの写真を撮れる角度はこの方向のみです。
当時の遺構として残されているのは土塁に石垣ぐらいのもので、ご多分に漏れずに多くは公園になっていました。
天守閣からの四万十市街になりますが、市街と言うには中心地から離れた所にありますので、地元の方からすると勘弁をしてくれといった感じかもしれません。
のどかな田園風景が広がっています。
いわゆる城跡から離れた第一公園にも、石垣が残されていました。
こちらは資料館に展示をしてあった写真からその存在を知り、資料館の方にいただいた地図を片手に探したものの見つからず、地元の方に聞いてようやくたどり着きました。
もっともその方は軽トラックで先導をしてくれたのですが、坂道で必死にペダルを踏んでも見る見るうちに離されていく程のスピードで走られてしまい、これがジェッターならと悔しい思いをしたのが正直なところです。
肝心の石垣は小さな公園の一部と化しており、ペンキで汚れているところがあるなど悲しい状態であったのが残念でした。
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気を取り直して次に向かったのが、一条教房の墓です。
教房は「日本無双の才人」と評された一条兼良の長男で、自身も父と同様に関白まで登りつめました。
応仁の乱に際して領地のあった土佐に下向し、そのまま土佐に住みつくことになります。
この教房を土佐一条氏の初代と見るか、祖と見るかは議論の分かれるところですが、教房の後は房家、房冬、房基、兼定、内政、政親と続きます。
しかし兼定が長宗我部元親に追放をされた時点で、土佐一条氏は実質的には滅んだと言ってよいでしょう。
この中村をもって土佐の史跡巡りは終わり、次は伊予に向かうことになります。
中村から宇和島まではやはり3時間ぐらいの移動時間を要したのですが、景色を見ているうちに着いてしまった、という感じでした。
そして四国の5日目は宇和島で始まりました。
まず向かったのは宇和島伊達家の菩提寺である、等覚寺です。
JR宇和島駅から細い川沿いをうねうねと進んで行き、路地を抜けたところに等覚寺があります。
ちょっとした城門のような風格の山門を抜けると、そこに宇和島伊達家の墓所がありました。
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宇和島伊達家の初代、伊達秀宗の墓です。
秀宗は伊達政宗の庶長子であり、仙台本家を継いだ忠宗の兄にあたります。
庶子であり、また豊臣秀吉に偏諱を受けたことなどから徳川の世で生きて行くには辛い立場で、大坂の陣の恩賞で政宗が得た宇和島に別家を構えることになります。
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この他に2代宗利、3代宗贇、4代村年、6代村寿、8代宗城、10代宗陳の墓があります。
宗城は幕末の四賢侯と称されて、混迷の時代にその名を馳せました。
等覚寺からほど近い大隆寺にも、宇和島伊達家の墓所があります。
奇数代と偶数代に分かれていますので、寛永寺と増上寺との関係と同様なのかもしれません。
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こちらには5代村候、7代宗紀、9代宗徳の墓があります。
宇和島伊達家は途中で仙台本家の血が入りますが、幕末までしっかりと政宗の血脈を守り通しました。
ちょっぴり嬉しい気がします。
【2009年8月 四国の旅】
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