ちょいスピでセラピー的なKizukiの日々

色んな世の中の出来事、セラピーなどから気付きを得て、ありのままの自分に還ることを目指して生きてます。

ドラマ「Mother」を見て

2011-02-06 09:21:00 | テレビ番組

jynちゃんが、ドラマ「Mother」のDVDを貸してくれました。

去年の春に放映されたもののようで、今人気の芦田愛菜ちゃんが有名になった作品です。(私は最近この子、よく見かけるよなぁ。加藤清志郎くんのように何かCMで火がついたのかなぁ、と思っていたくらいでした。)

「これ、ほんっとにいいから。泣けるよ。見てみて。」とjynちゃんは言いました。

私は連続ドラマはまず、見ません。

あ、これ面白いなと思っても、毎週毎週必ず同じ時間に体をあけなくてはいけない、というプレッシャーに耐え切れずパスしてしまうのです。(かといって、録画しておいて見よう、という気にもなれないのです。リアルタイムで見れなければまぁ、ご縁がなかった、ということで・・みたいな感じであきらめてしまいます。)

私が、毎週毎週必ずちゃんと見た、というのは「北の国から」が最後かなぁ。(あれ、2時間スペシャルで不定期にやるものだ、と思っていた人は後期のファンですね。最初の頃はちゃんと毎週やっていた連続ドラマでした。)

「もう、やめられなくて、ずーっと続けて見ちゃった。お母さんにも貸してあげたんだけど、お母さんも続けて見ちゃった、って言ってた。」とjynちゃん。

んなこと言われても、たいてい連続ドラマになったものって10話はあるでしょ。そんな続けて見られまっかいな、と思っていました。

事実、2話ずつが収められているDVDの最初の2枚は、1日ずつ見ました。

夕食を終えてやれやれ、となってから寝るまでに見られるのはそれくらいが限界でした。


しかし・・

確かに号泣。

卑怯やわ~

昔から「こどもと動物モノは絶対泣ける。」と言いますが、そのとおり。芦田愛菜ちゃんのあの可愛さ。かわいそうさ。誰でも絶対泣いちゃうさ。

最後のほうは「次どうなるの!?」と気になって、結局5話まとめて見てしまいました。おかげで寝不足。

お話は去年、リアルタイムでこのドラマをごらんになった方はご存知かもしれませんが、簡単に言うと、親から虐待を受けていた子供(これが芦田愛菜ちゃん演ずるレナちゃん)を、わずかな期間だけれど担任教師をしていた女(これが主人公の松雪泰子演じる鈴原奈緒)が救い出そうと連れ出しちゃう、つまり誘拐するって話。

ですが、それだけの単純なものではなくて、いろんな人間模様が描かれる。

DVDのト書きに「それぞれの立場からの母性について描かれた作品」「あらゆる女性に捧げる」と書いてあるとおり、いろんな事情を抱えたさまざまな女性たちが登場します。

これを見てまず真っ先に思ったのは、「シングルマザーで生きていく、ってほんとに大変なことだよな。」ということでした。

最初の頃は、虐待をしている母親をなんてひどい奴だ!としか思いませんでした。

けれど、お話が進むにつれて、その母親がレナちゃんを生んだときからの回顧シーンを見たら、なんだかこの母親の気持ちもわかるとこあるな、かわいそうに、と感情移入してしまったのでした。

この母親は最初は普通の夫婦としてレナちゃんを生んだのだけれど、夫が若くして亡くなってしまったのです。

最初からシングルマザーとして産もう、と決めた人はある程度の覚悟はあるだろうけれど、不慮の出来事として夫を亡くし、身寄りもなく、急遽自分ひとりで働きながら子供を育てていかなければならなくなった人はその生活たるや、ほんとに天国から地獄でしょうね。


この母親がまだ夫が存命している頃、幸せそうに赤ちゃんだったレナちゃんを抱いて、テレビを見ているとたまたま虐待のニュースをやっていて「信じられないねぇ。どうして自分の子供にそんなことができるんだろ。」と笑顔で夫と何気ない会話をかわすシーンがあります。

ドキッとしました。

虐待する親というのも、最初から虐待の芽があったわけではないというのは頭で理解しようとしていたけれど、ここまで反対の立場から見ているときだってありえるんだ、と思ったらその転落ぶり、豹変ぶりを本人は一体どう感じているんだろう、と思って・・・

この母親は近所の面倒見のいいおばあちゃんにできるかぎりこどもを預かってもらって体がきつくても少しでも給料のいいところで働こうとしますが、ひょんなことからそのおばあちゃんが、腰をいためて歩けなくなったことで遠く離れた地にいる娘の家族のところへ行ってしまうことになり、もう子供を見ていてくれる人がいなくなってしまうのです。

それでも懸命に身を粉にして働く母親ですが、こどもの発熱やら体調変化は時と所を選ばずですから、毎日大変です。

何度も断っていた同窓会の誘いにあるとき、「ちょっと遅れていってもいいかな。」と参加することにして、その日はこどもを早く寝かしつけようとします。

この母親にとって、レナちゃんが生まれてから初めての自分のための時間、気晴らしでした。

しかし、その日に限ってちっともこどもは寝ようとしない。

ついにお腹が痛い、とまで言い出す。

そんなこんなしているうちに、ついに友達から「もう解散したよ~」とのメールが入る。

ため息とともに、支度していたバッグを投げつける母親。

心が折れた瞬間でしょうね。

「そんなことぐらいでいちいち腹立ててたってしょうがないじゃない。子育てってそういうことの連続だもの。」と腹をくくった感想を述べたら、その時点で、このつらい思いをしている女性を排除してしまうことになるような気がします。

そのとおりすぎて、言い返す言葉もないでしょうから。

だけど、こういう思いをしているシングルマザーに正論を吐くことで問題は何も解決しません。むしろ問題を助長してしまう気がします。

実際私なら・・と考えると自信ありません・・

同窓会をそこまで楽しみにするかどうかは別として、「これだけは」「今日、これだけやらせてくれたら明日からはまたこの子の面倒ばかりの日でも耐えられる。」と思っていたところへぽっきりとそれがダメになると確かに心折れちゃうかも。

ちょっとセレブっぽいティーパーティに誘われて、子供を一緒に連れて行くと、そこでたまたまレナちゃんが、カップを落として割ってしまい、じゅうたんに紅茶をこぼしてしまうシーンがあります。

たぶん、カップもじゅうたんもお高いものだったのでしょう。

ホスト役の主婦は顔をひきつらせながら、「いいのよ。」と言ったあと、「まったく、父親がいないとこういう躾がなってない子になるのかしらね。」と言い放ちます。

これにも当然、傷つくよね~

何につけ父親のいないせいにされたんじゃ、たまったもんじゃないよねぇ。


どちらも日常のなかのたいしたことのないようなエピソードのように見えますが、こういう日常に隠れた些細なことのほうが残酷に心をえぐってくるような気がします。


だからといって、この母親に感情移入できたのもここまでで、それから好きな男性ができて自分の寂しさがそれで紛らわされるのはいいとしても、どうしてその男が虐待すると見てみぬふりをしてしまうのかというのはどうしても理解できない。

早い話がこどもより男をとる、ってことでしょ? 

自分が守ってやらなくては命が消えてしまう幼子が、泣きながら「お母さん、助けて。」とまで言っているのをどうして顔を背けることができるのか、さっぱりわかりません。

しかし、それでも頭で考え、ニュースや情報番組でシングルマザーの実態を聞くよりも、こうしてドラマで1シーンをビジュアルで見ることのほうが「あぁ、ほんとうにたいへんだよねぇ。」というのはグッとくるんですよね。

ですが、これが現実問題だとしたら、どうやって手を差し伸べてあげたらいいのかやっぱりわからないでしょうねぇ。

お隣に住んでいる女性がどうやらシングルマザーらしいぞ、とわかったとする。

さて、それで私ならどうするだろう?と考えてみたところでせいぜい「おかず、作りすぎちゃったんで、食べてもらえませんか?」とちょこちょこ惣菜でもおすそ分けしようかな、ぐらいが関の山です。

向こうも今のご近所づきあいの通例からして、さほど親しくもない人にいきなり「ちょっとこども預かっててもらえます?」なんてことは言わないでしょうし。

そして結局、「行政がなんとかしてあげなくちゃいけないのよ。」で政治のせいに丸投げして終わってしまう。

「こどもはみんなの宝」と言うならば、やはりひとりひとりがもっと真剣に考えないといけないでしょうね。

こんな言葉があります。

「思考を蒔いて、言葉を刈り取る。

 言葉を蒔いて、行動を刈り取る。

 行動を蒔いて、習慣を刈り取る。

 習慣を蒔いて、個性を刈り取る。

 個性を蒔いて、運命を刈り取る。」

私たちひとりひとりがもっと真剣に考えることによって、それは運命をも変えることにつながるはずです。




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