司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

利益相反取引の承認機関 その3

2022年07月08日 | いろいろ

おはようございます♪

以前も何度かご紹介しておりますケドも、株式会社が代表取締役を選定する場合の議事録と、不動産登記に添付するための利益相反取引の承認をした議事録は、それぞれ誰がどういう印鑑を押印すれば良いか。。。が、微妙に違っています(~_~;)

さらにコレ、会社法の原則とも違う。。。(◎_◎;)

しかしですよ!?
もし、代表取締役を選定し、かつ、不動産売買とかの利益相反取引の承認を同じ会議で決議していたらどうするんだ!?。。。とか考えませんか???

まぁ~ね~。。。取締役会を開催した場合の議事録については同じなのですが、何というか。。。どうして統一しないのか???
分かりにくいでしょうに。。。(-_-;)。。。と、常々思っておりマス。

 

。。。で、前回の続きです♪

面白い記事の内容ですケドね、取締役会設置会社が、定款に「利益相反取引の承認決議は、取締役会のほか株主総会によることができる」旨を定めれば、株主総会において利益相反取引の承認ができる。。。というモノ。

えぇ~っ!?。。。なんとっ!!そんなことがっ!?(◎_◎;)
驚いた。。。(◎_◎;)

 

どういう理屈かというとですね。。。詳細は記事(登記研究871号126頁~「登記簿」)を読んでいただくとして。。。。

 

まず、考え方の前提は、代表取締役の選定方法について!
代表取締役の選定機関は取締役会とされていますが、定款に定めれば、株主総会で選定することもできる。。。と解されていますよね。
これと考え方は同じ! ってコトみたいです。

つまり、会社法365条1項では、取締役会設置会社における会社法356条(←利益相反取引をする場合は株主総会の承認を得なければならない)の承認機関は「取締役会」とする旨が定められていますが、定款に「株主総会でも承認できるよ♪」と定めれば、株主総会の承認も可能。。。ただし、取締役会での承認権限を奪うコトは出来ません。。。というワケ。

 

なるほどね~。。。ちょっと目からウロコでございました。
例えば、株式譲渡の承認機関は、定款に定めることによって、取締役会を株主総会にしたり、株主総会を取締役の過半数の一致にしたりすることができる。。。っていうのは、みんな知ってコトだと思います。
。。。けど、利益相反取引の承認機関は、定款に別段の定めを置くことができないと思ってました。。。(~_~;)
(ワタシが無知なだけなのか。。。ん??(*_*;)

 

そっかぁ~。。。確かに、代表取締役の選定と理屈は同じですねぇぇ。。。(^^;)

。。。であれば???

今回、こんなコトができるんじゃないの?

(1)親会社が株主総会の書面決議を提案する(←株主提案すると同時に株主全員の同意が得られる)
(2)提案事項は、「株主総会で利益相反取引の承認ができる旨の定款変更」と「変更後の定款に基づく利益相反取引の承認」
(3)株主総会議事録には、代表取締役Aが会社の実印を押印すればOK!!
(4)不動産登記の際は、株主総会議事録のみを添付すれば良い♪(←通常は定款の添付が必要になるケド、今回は同じ株主総会で定款変更決議をしているから不要)

 

おぉぉ~っ!!!
これは良くない?(←自画自賛!!)

まず、親会社が提案すれば、その場で株主総会決議が成立するでしょ。
そして、議事録には子会社の実印を押せばよくって、会社の印鑑証明書を添付する必要はなしっ!
さらに、同族会社って、利益相反取引の承認をする際に、特別利害関係人が登場しやすいですよね!?
そのために、取締役会の決議が難しくなる場合がありまして(←全員が特別利害関係人になるとか)。。。(~_~;)。。。だけどねっ!!株主総会ならば、契約当事者が役員だろうと、株主だろうと、特別利害関係人になるってことがないんですよ。
。。。なので、今後のコトも考え合わせると、グッドアイデアなんじゃない???。。。(#^.^#)。。。と思いました。

 

。。。と、そんなこんなで、今回の選択肢を会社に提案しましたが。。。さて、結果はいかに???

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

利益相反取引の承認機関 その2

2022年07月05日 | いろいろ

おはようございます♪

早速前回の続きデス!

取締役会設置会社における利益相反取引の承認。。。
普通に開催するなら、取締役会議事録には取締役(及び監査役)全員の個人の実印(←代表取締役は会社実印)を押印し、そのヒト達全員の印鑑証明書を添付しなければなりません。

では、これを回避するにはどうするか???

 

 

最初に思いつくのが、書面決議ですかね?

書面決議の場合は、議事録の署名義務がないので、議事録作成者が個人の実印を押印し、そのヒトの印鑑証明書を添付すればOK♪
で。。。議事録作成者が印鑑を提出している代表取締役だったら、議事録には会社の実印を押印して、印鑑証明書の提出は要らない。。。ってコトになります。

ただねぇ~。。。書面決議をするには、取締役全員に提案書を発し、取締役全員の同意を取り付けることが必要なので、登記の添付書面は簡単なんだけど、前提の手続が面倒くさいかも???。。。という気がしました。

 

 

次に考えたのが、「利益相反取引に該当しないコトの証明書」を添付する方法。

基本的に、100%の親子関係であることを証明するための株主名簿と、取引をした取締役以外の代表取締役又は取締役全員からの上申書が必要になります。
以前の記事はコチラ ⇒ https://blog.goo.ne.jp/chararineko/e/02525a136bd6e6894047f66c5f252add

う~ん。。。そうねぇぇ~。。。(-_-;)
ちょっと気になるのは、利益相反取引に該当しないことを前提とするなら、親会社が株主総会を開催したことをどう考えたらよいか??ということ。
それから、「取引をした取締役以外の」ってコトになると、ABは対象外?。。。え???。。。分からぬ。。。(ーー;)
さらに、もし、A個人の印鑑証明書が要ると言われると、外国でサイン証明書を取得することになるんで、無理っ!!

ということで、決議を経ることについての拘りがあるわけでもないし、なんか、ヤブヘビになりそうなので、これは断念しました。

 

その後。。。他にないかな~。。。と思って探していたら、面白い記事を見つけました!
ワタシが不勉強だっただけかも知れませんが。。。。(~_~;)

次回へ続く~♪

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

利益相反取引の承認機関 その1

2022年07月01日 | いろいろ

おはようございます♪

本日は、不動産登記つながりのオハナシでございマス。

ここのトコロ、不動産登記の案件がいくつかありましてね。。。な~んか流行り???。。。という感じデス。
とはいえ、いつものクライアントさんが声をかけてくださるので、危ないオシゴトはありません。

やっぱり、自分でも「勘」が鈍っていることは自覚してるので、「一見さんお断り!」と思っています。
(↑ どっちみち来ないケドね。。。(~_~;) )

 

さて、今回は、グループ会社間の売買案件でございました。
完全子会社(取締役会設置)が完全親会社(取締役会非設置)に事業用の土地を売るというモノ。
グループ会社間ではよくあるケースでございマスね。

で、これも良くあるんだけど、形式的には利益相反取引に該当いたします。
役員構成は、子会社:取締役ABCDE、代表取締役A、親会社:取締役AB、代表取締役B となっております。

したがって、形式的に、子会社はBの利益相反取引の承認、親会社はAの利益相反取引の承認をする必要がありますね。
承認機関は、子会社が取締役会、親会社が株主総会となります。

クライアントさんからは、親会社の利益相反取引承認の議事録案が送られてきてですね。。。さらに、「子会社の方は利益相反じゃないですよね?」と聞かれまして。。。
何をとち狂ったか全く分からないんですが。。。「そのとおり!」とお返事をしてしまいました。

 

しかし、だんだんと売買日が近づいてきまして、「んっ?。。。子会社の承認???。。。要るじゃなぁ~いっっ!!!わぁぁ~!!。。。ヤバいぃぃ~っ。。。!!(>_<)」と気づきました。
(今考えてみると、Bさんが子会社の取締役であることを見落としていたんじゃないか。。。と。)

でも、子会社の取締役会で承認するとなると、日程的に議事録に全員の実印を押して印鑑証明書を準備することってできるかしら??、しかも、一旦「承認はいりません」と言ってしまった手前、もうちょっと簡易な方法を提案しないといけないような気がしてきました。

そうそう!!それでね。。。AさんとEさんは海外在住者でございマス。
まぁ、普通に考えてサイン証明を取得するのは無理っぽい。。。(-_-;)

 

そこで、いくつか選択肢を考えてみたのですが、同業者の皆様なら、どうします???


ちなみに、(あんまり関係ない話ですが(~_~;))Aさんは日本人だけど、何年も前から海外にお住まいでね。。。
数年前に、会社に伺った際、本店の会議室からテレビ会議でご挨拶したんですよね。
まだまだテレビ会議なんて珍しい時代で、テレビ会議のための設備に結構な費用がかかる。。。という状況で、本格的なテレビ会議。。。
ちょっと感動しました (#^.^#)

当時は、代表取締役のうち最低一人は日本在住者が必要!。。。でしたので、代表取締役は二人いましたケド、間もなくその規制は撤廃されたんで、現在の代表取締役はAさんのみとなっております。

 

。。。というワケで、次回へ続く~♪

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする