きいろいゾウ
タイトルにあわせて、黄色い文字にしたら、見えなくなった。
「きいろいゾウ」
西 加奈子さんの小説です。
久々に本を読みました。
本屋さんで平積みになっていた文庫。
帯に『いつか、この小説の「ツマ」役を演じてみたいです。宮崎あおい』
これに惹かれて、手に取ったかも。
読みながら、いつも、『いつか…宮崎あおい』が頭に浮かんだ。
宮崎あおい。。。。ツマのイメージに合っている気がする。
ツマは、主人公の女の子というか、女の人。
結婚しているから、妻なんだけど、だからツマっていうんじゃない。
妻利愛子と言う名前なんだそうだ。
ちなみに旦那は、武辜歩、ムコアユム。だから、ムコ。
駆け落ちのように結婚した二人の、緑が多そうな田舎を舞台にして、描かれる物語。
具体的な目的やストーリー。。。って感じではない。
こーゆー本って、好きな人と嫌いな人、読みやすい人と読みにくい人がはっきり分かれる気がする。
わたしは、大好き。
完全に、ツマとムコさんの世界に入ってしまいます。
それは、心の世界なんだけど。。。
だから、こーゆー本(でなくても)を電車の中とかで読むと不思議な気分。
本から視線を上げて、周りを見ると、別の世界にトリップしたというか
そんな気分になる。。。
完全に本の世界に浸ってる。
この本は、「きいろいゾウ」という童話をところどころ挟みながら、その「きいろいゾウ」が「はいいろのゾウ」になる話と
ツマやムコさん、そして、ムコさんの昔の恋人夫婦の人生との向き合い方をオーバーラップさせるような形式になっている。
要は、『自分の人生、そして、伴侶の人生を、今を、しっかりと受け止めれば、安らかに生きられる』って言うことなのかな。
ツマとムコさんが暮らす村に登校拒否してしまった小学生の男の子がやってくる。が、しばらく暮らすうちに、「僕、学校に行くよ」と自ら言い出した。その子が、東京に戻るときに、ツマに渡した手紙にある文章↓
『はやく、大人になりたいです。ぼくがそう思ったのは、きっと、ツマさんのせいです。つよしよわしが、その気持ち、足す、大人になることはこわくないんだという気持ちをプレゼントしてくれました。わかる?だからぼくはこれから、たくさんはずかしいことをして、きちんと子供をして、それから、大人になろうとおもいます。大人になっても、つよしよわしみたいに、いっしょうけんめい何かをして、ムコさんみたいに、ツマさんみたいな人とけっこんしたいと思います。』
私、恥ずかしいことを十分にしていないんじゃないかな?だから、大人になれないんじゃないかな?だから、まだ、子供なんじゃないかな?
もうひとつ、気になるフレーズ。
『わたしは眠ります。/ それがそこにあることを、知っているから。/ わたしは、安心して眠ります。/ それがそこにあることを、知っていたから。』
人生を信じると、安心して眠れるのかな?