孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

世界各地で相次ぐ大雨・洪水被害 気候変動の一環か?

2024-05-19 23:38:18 | 環境

(【4月18日 プライムオンライン】4月16日の記録的豪雨で冠水したドバイ国際空港)

【ここひと月、世界各地で相次ぐ大雨・洪水被害】
災害というものは世界中のあちこちで普段に起きているもので、いくつかの災害がおきたからと言ってそれをすぐに長期的現象、温暖化に伴う気候変動に結びつけるのはやや短絡的でしょう。

そうではあるものの、ここ1か月ほどで目にする世界各地の大雨・洪水のニュースはやはり多いような気もします。

東アフリカのケニア・タンザニアでは・・・

****ケニアで大雨続く 約100人死亡 13万人が避難****
アフリカ東部のケニアでは数週間にわたって大雨が続き、堤防が決壊するなどしてこれまでに約100人が死亡し、13万人が避難しています。

地元メディアなどによりますと、ケニア南部のナクル郡では29日、堤防が決壊し少なくとも45人の死亡が確認され、数十人が行方不明となっています。また、南部タナリバー郡では28日、20人ほどが行方不明になっています。

ケニアでは3月以降、大雨と洪水が続いていてこれまでに約100人が亡くなり、13万人以上が避難しています。

東アフリカではタンザニアでも洪水により、少なくとも155人が死亡しています。【4月30日 ANNニュース】
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****タンザニア、洪水で155人死亡 家屋1万棟損壊****
アフリカ東部タンザニアのマジャリワ首相は25日、洪水で155人が死亡、236人が負傷したと明らかにした。1万棟を超える家屋が損壊し、被災者は20万人にのぼるという。

マジャリワ氏は議会で「エルニーニョによる強風を伴う大雨で国内各地で洪水や地滑りが発生し、被害が出た」と説明。農作物や家屋、また道路や橋、鉄道といったインフラにも被害が出たという。

隣国ケニアでも洪水が発生した。国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、23日時点で32人が死亡した。

同国では先月中旬から大雨が降っていたが、ここ1週間の豪雨で被害が拡大。大規模な洪水で約10万3500人が被災した。

ケニア赤十字は先月から188回を超す救助活動を行ったという。首都ナイロビでは24日、一部の道路が通行止めとなり、浸水被害が続いている地区もある。鉄道も全国で運休となっている。【4月26日 CNN】
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南米ブラジルでは・・・

****ブラジル南部の洪水、死者100人・不明130人…大統領「人類全てに対する地球からの警告だ」****
ブラジル南部リオグランデドスル州政府は8日、同州を襲った豪雨で死亡した人が100人に上ったと発表した。130人が行方不明となっており、犠牲者がさらに増える可能性がある。

豪雨は4月末から猛威を振るい、州政府の発表によると、16万人以上が家を追われ、停電や断水などの影響を受けた住民は147万人を超えた。豪雨による洪水で橋や建物が破壊され、道路は川のようになった。空港も冠水し、閉鎖された。ブラジルの全国地方自治体連合は7日、同州の経済損失が46億レアル(約1405億円)以上に上るとの推計を発表した。

ルラ・ダシルバ大統領は8日、「私たち人類全てに対する地球からの警告だ」と訴えた。世界気象機関(WMO)は、異常気象を引き起こす「エルニーニョ現象」による海水温上昇が今回の豪雨を引き起こしたとする見解を示している。【5月9日 読売】
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砂漠の国・中東ドバイでは空港が冠水。

****UAEなどで暴風雨、ドバイ空港が冠水 「過去75年で最大」の降水量で死者も****
アラブ首長国連邦(UAE)とオマーンが16日、暴風雨に見舞われ、死者が出た。鉄砲水が発生したほか、世界で2番目に利用者の多いドバイ国際空港でフライトの欠航や遅れが相次ぐなど混乱が生じた。

ドバイ国際空港の関係者は、「非常に厳しい状況」に直面していると説明。一帯が浸水しているため空港に向かわないよう利用予定者らに呼びかけた。

ドバイでは死者は報告されていないが、UAE北部のラスアルハイマでは男性1人が、乗っていた車が鉄砲水に巻き込まれて死亡した。

隣国オマーンの町サハムでは、救助隊が少女1人の遺体を発見した。同国では14日からの大雨で多くの死者が出ており、これで19人となった。

当局は今後さらなる雷雨や大雨、強風が予想されると警鐘を鳴らした。また、多くの低地がいまも水没したままだとした。

UAEは16日、75年前の記録開始以来最大の降雨に見舞われた。
国立気象センターの発表によると、アル・アイン地方のハトム・アル・シャクラでは24時間以内に254.8ミリの雨が降った。

UAEの年間平均雨量は140~200ミリ。ドバイの年間平均雨量はわずか97ミリで、4月の平均雨量は8ミリ。

ドバイ中心部を捉えた映像では、シェイク・ザーイド・ロードの一部が浸水し、数十台の車両が水没しているのがわかる。12車線ある高速道路で渋滞も起きている。

UAEの国家緊急危機災害管理局は、市民に対し、暴風雨に見舞われる前に自宅にとどまるよう警告していた。政府もまた、職員に在宅勤務を指示し、私立学校には遠隔授業に切り替えるよう勧告していた。(後略)【4月18日 BBC】
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貧困に苦しむアフガニスタンでも洪水が追い打ち。

****アフガン、洪水で300人超死亡 WFP発表****
国連の世界食糧計画は11日、アフガニスタンの複数の州で大雨により洪水が発生し、300人以上が死亡したと発表した。当局は非常事態を宣言し、行方不明者の捜索・救助活動を急いでいる。

大雨のため川の水位が上昇し、村や農地は泥に覆われた。アフガンでは貧困の割合が多く、国民の多くは農業に依存している。

北部バグラン州は最も深刻な被害に見舞われ、WFPアフガニスタン事務所の広報官は、「現時点で311人が死亡し、家屋2011棟が全壊、2800棟が損傷を受けた」とAFPに述べた。【5月12日 AFP】
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更に中部でも再び洪水が発生

****アフガニスタンで洪水の被害続く 中部周辺で新たな洪水で少なくとも68人死亡****
アフガニスタン中西部で大雨による洪水が発生し、これまでに少なくとも50人が死亡しました。アフガニスタンでは今月10日にも北部で洪水があり、300人以上が死亡しています。

アフガニスタン中西部のゴール州では17日から大雨が降り、洪水が発生しました。AP通信などは地元当局の話として、この洪水で少なくとも50人が死亡したと伝えています。また、これまでに2000棟の家屋が全壊したほか、4000棟の家屋が部分的に壊れる被害が出ているということです。

一方、隣接する北部ファルヤブ州でも、洪水により18人が死亡しました。

アフガニスタンでは今月10日も北部で大雨による洪水が発生し、300人以上が死亡するなど、全土で水害が相次いでいます。【5月19日 TBS NEWS DIG】
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【昨年の世界気温は史上最高を記録】
やはり多すぎるように思えます。昨年は日本でも猛暑でしたが、世界的にも記録的な高温となり、各地で山火事も相次ぎました。

****地球温暖化の限界迫る 2023年の世界気温、史上最高を更新*****
欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービスは9日、2023年の世界の平均気温が産業革命前に比べて1.48度上昇し、観測史上最高を記録したと発表した。

23年の世界平均気温は14.98度となり、これまでの最高だった16年の記録を0.17度上回った。世界の海洋温度も記録を更新した。

23年は世界各地で相次ぎ記録的な猛暑が観測され、気温上昇を1.5度に抑えるという15年のパリ協定の限界に近付きつつあるとして、専門家が警鐘を鳴らしていた。

コペルニクス気候変動サービスによると、地球温暖化は今年に入ってさらに悪化した可能性があり、1月または2月までの12カ月間では1.5度を突破する可能性が大きいと予想している。

専門家がそれ以上に懸念しているのは、1.5度以上の温暖化が長期的に続く状況だ。そうなれば地球上の多くの生態系にとって順応が難しくなり、人間が生存できる限界に近付く場所もある。

コペルニクス気候変動サービスによれば、23年の前例のない猛暑は主に気候変動が原因だが、太平洋の海面水温を上昇させる自然現象のエルニーニョによって加速された。

23年は全日の世界平均気温が、産業革命前の1850~1900年の同じ日の気温を1度以上上回った。観測史上初めての現象だった。

世界の気温は1970年代から着実に上昇を続け、2015年には初めて1度を突破する温暖化を記録した。さらに0.5度上昇するまでわずか8年しかかからなかった。

気温が高かった過去30年に比べても23年は突出しており、平均気温は1991~2020年の平均を0.6度上回った。

世界の平均気温は、オーストラリアを除く全大陸と海盆で史上最高またはほぼ最高を記録した。そうした気温の上昇は、ほぼ全世界を覆っていた。

記録的な熱波の影響で、カナダ、ハワイ、欧州南部など各地で大規模な山火事が発生。「パリ協定の上限に近付いた激動の気候を我々に見せつけた」と英インペリアル・カレッジ・ロンドンのブライアン・ホプキンズ氏は述べ、「世界中の大半の政府の行動にみられる自己満足を揺るがすだろう」と指摘する。

23年は世界の海洋も異常な温暖化が続いた。海面温度は1991~2020年の平均より0.44度上昇。上昇幅は観測史上最高を記録し、史上2番目だった2016年の0.26度上昇を大幅に上回った。

海洋の異常な温暖化は、長期的には化石燃料による大気汚染が主な原因だが、昨年7月に始まったエルニーニョも影響している。海面温度が上昇すれば、ハリケーンや台風、熱帯サイクロンの勢力が強まる。

昨年12月にはアラブ首長国連邦ドバイで開かれた国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)に約200カ国が出席し、化石燃料からの脱却に向けて貢献することで初めて合意した。この合意は広く歓迎される一方で、化石燃料の主要生産国がほとんど行動を起こさずに済む抜け穴があるとの批判も出ている。

「もし我々が気候リスク管理を成功させたいと望むなら、経済の脱炭素化を急ぐと同時に、気候データや知識を活用して未来に備える必要がある」とコペルニクス気候変動サービスのカルロ・ブオンテンポ氏は指摘している。【1月10日 CNN】
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【長期的な気候変動との関連は不明だが、もしこうしたことが続くようなら世界は甚大な影響を受ける】
温暖化とエルニーニョで海洋温度が上昇すれば、水蒸気の発生量・降雨にも影響してきます。

****世界中で豪雨や洪水、なぜ起きているのか*****
東アフリカや中東の砂漠など予想外の場所が異例の豪雨に見舞われている

アフリカ東部ケニアや南米ブラジルでダムが決壊し、中国南部の山の斜面を高速道路が滑り落ちる。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで砂漠の空港の滑走路が冠水し、オーストラリアの採掘場に洪水が押し寄せる。世界の多くの場所が水浸しになっている。

ここ数週間に世界各地を襲った異常な豪雨と死者が出るほどの洪水は、場所からみても威力からみても予想外だった。

インフラがこうした大氾濫に備えていないこともあり、猛烈な雨は複数の大陸で死者を出し、破壊や大規模な避難を引き起こしている。

この強力な豪雨は、世界の平均気温が2023年に観測史上最高を記録したことで自然の気象パターンが過剰に加速された結果だと言える。

地球の気温が上昇するにつれて降雨量も多くなる。簡単に言うと、大気が暖まるほど、空中に保持できる水蒸気が増えるためだ。

1年にわたる記録的な世界の暑さとそれに伴う豪雨が、統計上の一時的な変動に過ぎないのか、それとも温暖で多雨な未来に向けて軌道修正する必要があるのか、科学者にもまだ分からない。後者ならば、国のインフラが試され、保険の料率が上がり、世界の食糧生産が複雑化することになる。

気象学者や気候科学者によると、4月の豪雨や洪水はいずれも特定の厳しい気象条件が重なって暴風雨が発生した結果だ。

降雨量は尋常ではないという。米国立気象局の気象予報センターによると、例えば、東アフリカ諸国では4月に約100~500ミリの雨が降り、地域によっては通常雨量の6倍にもなった。

集中豪雨は大惨事を引き起こしかねない。ケニアの首都ナイロビでは7日間で約300ミリの雨が降り、ダムが決壊したうえ、町は泥に埋まった。市街地の道路は川のようになり、死者が出た。

ドバイはたった1日で250ミリ以上の雨が降った。少なくとも1年分に相当する降雨量となり、ドバイ国際空港の滑走路は水につかった。

中国南部・広東省では4月の月間雨量が過去最高の430ミリに達した。1日には山間部で高速道路の一部が崩落し、48人が死亡した。広東省は1億2700万人の人口と中国のテック大手や製造業大手を擁するが、その大半は南部の海岸沿いに位置している。

ブラジルは南部のリオグランデドスル州に軍隊を派遣した。24時間に150ミリ超の豪雨に見舞われ、大規模な洪水被害が出ている。

「このような事象は以前より頻度が高く、極端な降雨量で発生している」。米海洋大気局(NOAA)のチーフ・サイエンティスト、サラ・カプニック氏はこう指摘する。「ドバイのように雨が多そうだと思われない場所でも起きるので、なおさら不意を突かれる」

異常な降雨
予期せぬ強力な豪雨が世界各地を襲っている

先月の東アフリカの洪水は3月~5月の雨期に発生したが、実際の雨量はその年によって異なる。今回は「インド洋ダイポールモード」と呼ばれる気象パターンにより、雨量が増幅されている。

これには正と負があり、正のダイポールモード現象が発生すると、温かい海水をアフリカ東岸に押し流す。一方、負のモードが発生すると、温かい海水が逆方向に押し戻され、オーストラリアやインドネシアに向かう。

今年はダイポールモードが例年より強く、ケニアなどインド洋の西側地域で大雨が降る要因になっている。英大学インペリアル・カレッジ・ロンドンの気候科学者で、欧米大学・研究機関の科学者による団体「ワールド・ウェザー・アトリビューション(WWA)」のメンバーであるジョイス・キムタイ氏はそう話す。【5月8日 WSJ】
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“1年にわたる記録的な世界の暑さとそれに伴う豪雨が、統計上の一時的な変動に過ぎないのか、それとも温暖で多雨な未来に向けて軌道修正する必要があるのか、科学者にもまだ分からない”とのことなので軽々な結論は控えるべきでしょうが、何やら地球が逆戻りできない方向に進んでいるような不安も感じます。
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