孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

中東情勢  イランの攻撃に際し中東諸国がイスラエルに協力 米はイスラエル・サウジ関係を再仲介

2024-05-03 23:16:49 | 中東情勢

(バイデン米政権とサウジアラビアが安全保障や民生用原子力に関する協定で合意に近づいていることが、事情に詳しい複数の関係者の話で分かった。写真はジッダに到着したブリンケン米国務長官。3月代表撮影【5月3日 ロイター】)

【「全面戦争」は回避しつつ面子は保つ・・・緻密に練られた報復の応酬】
4月1日、イスラエルによると思われるミサイルで、シリアの首都ダマスカスにあるイランの大使館施設が攻撃され、イラン革命防衛隊の司令官が死亡。

これを受けての13~14日のイランによるイスラエル本土攻撃、更に、19日のイスラエルによるイランの核開発の中心地域への精密攻撃という報復の応酬は、これまでの支援組織などを使った「影の戦争」が「国家間の戦争」にエスカレートする危険を世界に知らしめました。

しかし一方で、「国家間の戦争」のリスクは当事者であるイラン・イスラエルが一番真剣に認識しているところで、今回の報復の応酬は、そうした全面戦争に発展するリスクを極力排除しつつ、国内外に対し自国の面子を保てる攻撃を行うという、“緻密に練られた”シナリオを基づくものでもありました。

*****【緻密に練られたチキンレース】イランとイスラエルの報復合戦でも「全面戦争」は回避****
米国と秘密接触し事前通告
イランの動きはイスラエルとの全面戦争も辞さないというギャンブル的な振る舞いのように見えるが、実際には水面下で周到な根回しとしたたかな計算をしているのも事実だ。それはイスラエルの後ろ盾である米国との秘密接触を重ねていたことに表れている。

ベイルート筋などによると、イランはカタールやオマーンで行われているパレスチナ自治区ガザの停戦交渉を利用、米側と秘密接触を続けていたもようだ。イスラエル攻撃の数日前には、攻撃に踏み切ることを米側に伝え、攻撃直前にも最終通告していたという。

大半の攻撃は砂漠など過疎地域を狙ったもので、時間のかかる無人機を弾道ミサイルの前に先行発射し、迎撃の準備を与えた。米側は秘密接触について否定している。

イスラエルはイランのミサイルや無人機の99%を撃墜したと発表したが、その裏には米英仏軍とヨルダンも参加した防衛作戦があった。サウジアラビアなども米国を通してイスラエルに情報提供したようだ。

米軍だけで70発以上を撃墜したが、イラン側の事前通告がなければ、イスラエルの防空網がいかに優れていても、これほどの成果は挙げられなかっただろう。

イスラエル、精密攻撃で警告
イスラエルはイランのミサイル攻撃にどう反撃するか、迷いに迷った。戦時内閣では、ガンツ元国防相らがイランへの速やかな反撃を主張、これにガラント国防相らが米国との調整が必要だとして反対し、対イラン最強硬派のネタニヤフ首相はなかなか決断できなかった。

イスラエルはイスラム組織ハマスとのガザ戦争を抱え、住民ら約150万人が避難する南部ラファへの侵攻準備を進めている。北方のレバノン国境ではヒズボラとの交戦が激化しており、いまイランと全面戦争に突入する余裕は事実上ない状況だ。頼みの綱は米国のバイデン政権だった。

だが、パレスチナ住民の犠牲を顧みないイスラエルのやり方を批判してきたバイデン大統領はネタニヤフ首相との会談で、イラン攻撃に「米国が加担しない」ことを通告、自制を強く要求した。首相は米国から支援が得られないこともあって大規模攻撃を断念、限定的な攻撃にとどめる決断を余儀なくされた。

イスラエルが選択したのはイランの“虎の子”の核施設周辺を攻撃し、「いつでも破壊できる」と警告することだった。イラン側の再報復を招かないよう損害を最小限に抑えながら、イランにイスラエルの高度な軍事力を見せつけ、直接攻撃を繰り返させない戦略だ。イスラエルはナタンズの核施設を守る防衛システムを精密攻撃して実証した。

イスラエルはこの攻撃については一切発表していない。米国もブリンケン国務長官が「米国は攻撃には一切関与していない」と発言しただけで、ホワイトハウスは政府内に厳重なかん口令を敷いた。イランを刺激しないためだ。ガザ戦争で国際的に孤立していたイスラエルのイメージは改善、米下院は20日、約4兆円に上るイスラエル支援の緊急予算案を可決した。

攻撃をないものにしたイラン
現地メディアなどによると、イスラエルは4月19日未明、14日のイランのミサイル攻撃の反撃として、イラン中部イスファハン州の「第8シエカリ空軍基地」にミサイル3発を撃ち込んだ。ドローン(無人機)も攻撃に参加した。ミサイルのうち少なくとも1発は空軍機から発射されたという。

この攻撃でイラン側のS300対空レーダーシステムが破壊された。イスファハン州はイランのミサイルなどの兵器生産の拠点であり、ナタンズにはイラン核開発の中核施設がある。このレーダーシステムはこうした重要施設を防衛するためのものだったが、攻撃を全く探知できなかった。

特筆されるべきはイスラエルの攻撃に対するイラン側の対応だ。国営メディアはイスファハン近郊で侵入した「不審物」を迎撃したと報じただけで、イスラエルの攻撃であることには言及していない。革命防衛隊に近いタスムニ通信はイスラエルの攻撃を「虚偽」だと否定さえした。(中略)

「イラン側はイスラエルの反撃をなかったものにしたいのだ。経済的な苦境の中、これ以上イスラエルと事を構えるのを避けたいのが本音。ハメネイ師ら指導部にとってはイスラエル本土を直接攻撃してみせることがなにより必要だった。目的を達成した今は幕引きを図るのに必死だ」(ベイルート筋)。

中東最大の軍事大国であるイスラエルを国家として攻撃したのは1991年の湾岸戦争時のイラク以来であり、イランがイスラエルや米国と対決する「抵抗枢軸」の旗頭として、軍事力の誇示に成功したのは確かだ。イランの「代理人」であるレバノンのシーア派組織ヒズボラやイエメンのフーシ派などはあらためてイランへの信頼感を高めるとみられる。

なによりも「イランにはうかつに手は出せない」という抑止力をイスラエル側に植え付けた意味は大きい。短期的には「勝利者はイラン」と言えるのではないか。

だが、攻撃を受け、イランの通貨リアルは対ドルレートで最安値を付け、インフレも30%を超えたまま。経済的苦境はさらに深まった格好だ。

イスラエルとアラブの和解の流れ加速も
イランとイスラエルは今回、互いの国土を直接攻撃したことで、これまでの「影の戦争」を国家同士の戦争へと変質させた。衝突拡大には至っていないが、偶発的なきっかけで全面戦争に突入しかねない「ガラスの均衡」と言える。ガザ戦争が終結しない限り、イスラエルとヒズボラの交戦は当面続くだろう。

一方でアラブ世界には負の副産物も生まれた。イランへの恐怖心である。
ペルシャ湾岸諸国はイランの革命輸出を恐れ、それがイスラエルとの和解の一因となった。ガザ戦争の長期化でイスラエルへの忌避感が高まっていたが、イランのミサイル攻撃で潮目が変わった。

アラブの盟主であるサウジがイスラエルとの和解の気運を加速するかもしれない。【4月24日 WEDGE(文章の順序を変更して再構成しました)】
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【ヨルダンやサウジアラビアなど中東諸国がイスラエルに協力】
イランはイスラエル本土攻撃を決行するものの、時間のかかる無人機を使用、過疎地域を狙う、アメリカの事前通告しておくということで、イスラエルが確実に迎撃して被害は最小に抑えられることを前提としたものでした。

イスラエルは大規模攻撃は控えるものの、イラン中枢部を狙って、いつでも防空体制を突破できることを知らしめるという限定作戦を実施。

こうした“緻密に練られた”シナリオと同時に興味深いのは、ヨルダンやサウジアラビアなど中東諸国がイスラエルに協力したことです。

****イラン無人機を迎撃したヨルダン、「自衛のため」強調 疑問の声も****
イランによるイスラエル攻撃を巡り、ヨルダンの動きが議論を呼んでいる。パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘を巡り、アラブ国家としてイスラエルに対する批判を強めていたにもかかわらず、イランの無人機を領空で迎撃し、イスラエルを支援する形となったためだ。

ヨルダンはイスラエルと中東戦争を戦った経緯があるだけに、イスラエルでは歓迎ムードが漂うが、イスラム圏の市民の間には疑問を呈する声もあるようだ。

「ヨルダンはイランの無人機や航空機が領空に侵入すれば、撃ち落とす用意がある」。ロイター通信などによると、イランが多数の無人機を発射したと報じられた直後の13日夜、中東の治安関係者はこう語り、ヨルダン軍が迎撃態勢を取っていることを明らかにした。

一方、イラン軍関係者は「ヨルダンの動きを注視している。(イスラエルを防衛する)行動があれば、彼らが次の標的になる」とけん制。だが、ヨルダンは領空を通過したイランの無人機の一部を迎撃した。ヨルダンのサファディ外相は14日、ヨルダンを標的にするとのイラン側の発言が報じられたことを受け、イラン大使を呼び出して抗議したという。

ヨルダンはイスラエルと4度にわたる戦争を戦い、1967年の第3次中東戦争ではヨルダン川西岸と東エルサレムをイスラエルに占領された。200万人を超えるパレスチナ難民を含め、人口の約7割がパレスチナ系住民とされる。

ただ、94年にはアラブ諸国としてはエジプトに続き2番目にイスラエルと国交を正常化。米国とも友好関係を維持しており、米軍も過激派組織「イスラム国」(IS)掃討を支援するために駐留を続けている。

今回、迎撃に参加したのは、米国などとの関係を重視したほか、イスラエルで被害が拡大すれば紛争が拡大し、自国も巻き込まれる恐れがあったためとみられる。米紙ニューヨーク・タイムズによると、ヨルダン政府は14日の声明で、迎撃した無人機やミサイルについて「人口密集地の住民を危険にさらさないために実施した」とし、あくまでも自衛のためだったと強調した。(後略)【4月16日 毎日】
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今回のヨルダンの対応については、あくまでも「自国の領空保護が目的」であり、(対イスラエル対応の変更など)それ以上の“深読み”はしないほうがいいとの指摘も。
それにしても、中東ヨルダンがイスラエルへの攻撃を迎撃阻止するというのは興味深いことです。

サウジアラビア・UAEについては・・・

****サウジやUAE、イスラエルなどにイランの攻撃情報共有****
サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)はイスラエルや米国に対し、イランから得た攻撃情報を事前に共有していたと、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが15日報じた。イランがイスラエルに向けて発射したドローン(無人機)やミサイルの効果的な迎撃につながったとみられるという。

WSJによると1日に起きたシリアのイラン大使館周辺への空爆を受け、米国が中東各国にイランの報復に関する情報共有や迎撃への協力を要請。中東の国々は当初は対立に巻き込まれることを懸念して消極的だったものの、最終的に同意したという。

サウジとUAEは機密情報の共有に同意したほか、ヨルダンは米国やその他の国の戦闘機の領空使用を許可し、迎撃も支援するとした。イランはサウジなどの湾岸諸国に対し、イスラエルへの攻撃2日前に計画を説明した。(後略)【4月16日 日経】
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【アメリカの中東戦略再開 サウジアラビアとイスラエルの国交正常化を再び仲介】
こうしたヨルダンやサウジアラビアの“イスラエル支援”は、パレスチナ情勢を受けてとん挫していた感のあるアメリカの中東戦略の転換点ともなりうるとの見方もあります。

****イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイスラエル支援「中東におけるバイデン外交の転換点へ」****
<イランのイスラエル攻撃の撃退に、ヨルダンやサウジなど湾岸諸国が協力した戦略的な理由とは? 中東での大展開に、バイデン外交の方向転換はあるか?>

長年にわたる「影の戦争」が、ついに直接攻撃になった。イランが4月13~14日、イスラエルに向けて300機以上のドローン(無人機)や複数のミサイルを発射。イスラエルの領土を標的にしたのは、これが初めてだ。

イスラエルが4月1日、シリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館を空爆したことへの報復だった今回の攻撃では、もう1つの前代未聞の出来事が起きた。アラブ諸国がイラン撃退に協力したのだ。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、ヨルダンはイランのドローンやミサイルを多数迎撃し、アメリカなどの戦闘機に領空使用を許可した。アラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアはイランから得ていた攻撃情報を、アメリカやイスラエルと事前に共有したという。

パレスチナ自治区ガザで続く戦争は、中東各地でイスラエルへの怒りをかき立てている。それでも今回の出来事は、ふらつきながらも芽生え始めた「対イラン中東同盟」の最初の試金石になった。

「湾岸諸国の行動は国益を最優先する姿勢を維持していることの表れだ」と、複数の米政権で中東和平交渉に携わったアーロン・ミラーは指摘する。「重要なのは協力自体ではなく、協力があり得ない状況でそれが実現したことだ」

ガザでのイスラエル軍の焦土作戦や人道危機の悪化に、欧米がいら立ちを募らせるなか、イランの攻撃はイスラエルが直面する脅威に改めて注目を集めた。イスラエル政府はこれを機に、イランの孤立を深めようと動いている。(中略)

アラブの現実主義ゆえ?
今回のアラブ諸国の協力を深読みしてはならないと、元米当局者はクギを刺す。現実主義の所産である可能性が高いからだ。「ヨルダンの行動は主に地域的計算に基づき、自国の領空保護が目的だ」と、米国防総省の元上級顧問ビラル・Y・サーブは語る。

サウジアラビアは自国の関与が目立たないようにしているようだ。サウジアラビア系のニュース専門衛星テレビ局アルアラビアは4月15日、匿名の情報提供者の発言として迎撃に参加したことを否定し、同国の微妙な立場が浮き彫りになった。

「ガザ戦争は終わっていない」と、ミラーは言う。「イランに敵対していると受け取られかねない連携を正式化することには、多くの国が慎重になるはずだ」

アメリカは1月、サウジアラビアとの防衛協定に向けた協議を再開した。協定の実現は、イスラエルとサウジアラビアの関係正常化を仲介しようとするジョー・バイデン米大統領の取り組みの大前提だ。

今回の出来事は、バイデン外交の転換点になるかもしれないと、オバマ政権でイスラエル・パレスチナ交渉特使上級顧問を務めたダビド・マコフスキーは話す。

「バイデン政権が(サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と)新たな道を探っても驚きではない。『中東で大展開があった。この際、方向転換してはどうか?』と」【4月23日 Newsweek】
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実際にサウジアラビアとイスラエルの国交正常化交渉が、アメリカの仲介で再び動き出しています。ただ、ガザでの戦闘開始以前に比べて、サウジアラビアにとって「パレスチナ国家樹立」がより優先的なものとなっており、イスラエルがそこで譲歩しない限りは進展は難しいかも。

****サウジ・イスラエルの国交正常化交渉、米の仲介で再始動…「パレスチナ国家樹立」巡りなお溝****
サウジアラビアとイスラエルの国交正常化交渉が、米国の仲介で再び動き出している。正常化の見返りをめぐるサウジと米国間の協議が合意間近との観測もある。

パレスチナ自治区ガザでの戦闘を受け、サウジは「パレスチナ国家樹立」への道筋を示すよう強く求めているが、イスラエルとの隔たりは大きく、和解への道のりはなお険しい。

サウジの首都リヤドで4月末に開かれた世界経済フォーラム特別会合。急きょ追加されたセッションに登壇した米国のブリンケン国務長官は、「米国とサウジの合意はもうすぐだ」と強調した。サウジのファイサル・ビン・ファルハン外相も別の場で「協議はほとんど終わった」と語った。

米国はサウジがイスラエルとの国交を正常化する見返りとして、サウジとの安全保障協力強化や原子力発電所開発の支援に加え、パレスチナ国家樹立に向けた交渉の後押しを提案しているとされる。

最大の焦点となるパレスチナ問題について、ブリンケン氏は会合で「正常化の進展にはガザの平穏とパレスチナ国家への確かな道筋が必要」と述べた。ファイサル氏も「パレスチナ国家樹立への確実で不可逆な道が欠かせない」と訴えた。

ブリンケン氏は4月末のサウジ訪問で、実権を握るムハンマド・ビン・サルマン皇太子やファイサル氏と会談し、詰めの議論を行ったとみられる。

アラブ諸国は近年、イスラエルに接近し、2020年にアラブ首長国連邦などが国交を正常化した。そこで優先されたのは、パレスチナ国家樹立の「大義」よりも安全保障や経済面での実利だった。

長年イスラエルと対立してきたイスラム教スンニ派の盟主サウジも、最大の脅威であるシーア派大国イランを封じ込めて地域の安定を図り、脱石油依存に向けた経済多角化を推進するため、イスラエルとの関係を強化したいという思惑があった。ムハンマド皇太子はイスラエルを「潜在的な同盟国」とまで評した。

だが、ガザの戦闘で情勢は一変した。アラブ圏で反イスラエル感情が噴き出すと、交渉は凍結されたとみられていた。その中で再び動き出した背景には、秋の大統領選に向け、外交で得点を稼ぎたいバイデン米政権の思惑がある。交渉が成立すれば、中東の対立の構図を根底から変える「歴史的和平」となるからだ。

ただ、サウジの政治評論家ムバラク・アラアティ氏は「ガザ戦争で状況は複雑になった。サウジも国交正常化による経済面などでの期待は大きいが、今はパレスチナ国家樹立を優先せざるを得ない」と指摘する。

イスラエルとの和解に対し、サウジ国内での反対は根強い。22年の米研究機関の調査では、国交正常化に「賛成」との回答は5%にとどまった。サウジの会社社長(45)は「パレスチナ国家実現まで和解するべきでない」と言い切った。

ガザで戦闘が続く限り、イスラエルへの反発は収まらず、最南部ラファに侵攻すれば、交渉はさらに難しくなるとみられる。それでも、アラアティ氏は「中東では物事が突然動く。イスラエル次第で一気に進む可能性もある」との見方を示した。【5月3日 読売】
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先ずは、アメリカとサウジアラビアの間の安全保障協定合意の方向で動いているようです。

****米・サウジ、安全保障協定で近く合意か イスラエル関係正常化の一環*****
バイデン米政権とサウジアラビアが安全保障や民生用原子力に関する協定で合意に近づいていることが、事情に詳しい複数の関係者の話で分かった。

関係者によると、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘勃発を受けて頓挫したサウジとイスラエルの関係正常化計画を再び軌道に乗せることを目的とした提案などが草案に記されている。

ただ、米国とサウジは現時点で2国間の安全保障協定を巡る交渉を優先しており、この協定はイスラエルに提示する、より広範なパッケージの一部になるという。

米国務省のミラー報道官は2日、パッケージの米・サウジ部分について「合意が非常に近い」と述べ、「非常に短期間で」詳細がまとまる可能性があるとした。

湾岸諸国の外交官やワシントンの関係筋によると、この計画はサウジが中国製兵器の購入を停止し、中国からの投資受け入れを制限する見返りに、米国がサウジ防衛を正式に保証するとともに、サウジがより先進的な米国製兵器にアクセスできるようにする内容になる見通し。(後略)【5月3日 ロイター】
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