(台北 11日 中央社)整備が進む台北市の台北機廠鉄道博物館園区で10日、総事務所と職員浴場の修復工事が始まった。起工式に出席した鄭麗君文化部長(文化相)は、同博物館が新たな段階に入った象徴だとし、計画の進展に期待を寄せた。
同園区は日本統治時代の1935年に落成した台北鉄道工場を始まりとしており、戦後には台北機廠として台湾鉄路管理局(台鉄)によって使用された。2012年の工場移転に伴い、工場としての役目を終えた。台湾に現存する鉄道車両整備工場として最も古く、文化や交通発展の面でも歴史的価値が高いため、15年に全体が国定古跡に登録された。17年に文化部(文化省)と交通部(交通省)は鉄道博物館としての整備に向けて協力する覚書を締結。全域を整備し、修復や公開は区域ごとに行う方式を採用し、施設の修復、活性化を目指している。計画期間は26年まで。
総事務所はかつては工場の運営の中枢として機能しており、修復後は博物館の事務センターとして使われる予定。収蔵品の研究室を設置するほか、常設展を開催し、工場の歴史を紹介する。
浴場は当時の職員が一日の疲れを癒す場所で、職員同士の結びつきを強める役割を担っていた。修復工事の設計を担当する建築家の徐裕健氏によれば、大きなガラス窓や中央部のアーチ状鉄架構は当時の鉄骨技術の発展を反映しているという。