BE HAPPY!

大山加奈選手、岩隈久志選手、ライコネン選手、浅田真央選手、阪神タイガース他好きなものがいっぱい。幸せ気分を発信したいな

本拠地開幕

2010-04-06 21:14:29 | 野球
     近所の小学校の花


 いよいよ甲子園での初ホームゲーム。
相手は巨人と、盛り上がるカードになりました。

双方エラーで、1-2となった後…

4回裏:新井の今季第1号2ランで逆転 3-2

6回表:阿倍のタイムリーで追いつかれます 3-3





6回裏:肩を痛めている兄貴金本ですが、甘い球を見逃さず、勝ち越し2ラン 5-3

走りながら、ガッツポーズが出ますが「あれはガッツポーズじゃなくて、『よっしゃ!』」なんだそうです。
これで、通算本塁打数が長嶋さんに並びます



7回表:巨人に1点を返されます。5-4

8回裏:チャンスで追加点がとれず、緊張の9回へ

9回表:しかし、1点でも勝っていれば守ってくれる、守護神藤川。
    球団記録に並ぶセーブを上げました

新井、金本のアベック弾で、連敗脱出 \(^_^)/
本拠地開幕を白星で飾りました。



枝垂れの大木があります。

名古屋ドームのあれは、厄落としだと思って今回だけは大目に見てあげる(?)から ここからどんどん勝利の花を咲かせていってね


F1 マレーシアGP

2010-04-05 20:10:09 | モータースポーツ


 予選が雨に見舞われて 大波乱
ビッグネームが軒並み後方に沈みます
バトン17位、アロンソ19位、ハミルトン20位、マッサ21位。

 ベッテルが3番手からポールポジションのウェバーをパスし、トップに出ます
予選9位の可夢偉選手は順位を1つ落として10番手。

1 ベッテル ← 2 ウェバー ←3 ロズベルグ

後方の2強勢は…

13 ハミルトン ← 14 マッサ ←15 バトン

2周目、アロンソがバトンをパス。
ハミルトンもどんどん追い上げます。可夢偉をパスして10位。あっという間に入賞圏内に飛び込みます。
ぺトロフもパスして9位に出ますが、ルーキー・ペトロフも懸命にくらいついていきます。
ハミルトンを抜き返します。そのすぐ後ろの可夢偉も頑張ってほしい。

バトンがアロンソをパスして15位に上がります。

9/56 可夢偉選手がマシントラブル
今回はエンジンのようです。いい位置からのスタートだっただけに残念です

10/56 バトンがタイヤ交換。前回も自身の好判断で勝利を呼び込みましたが、今回も前の車にひっかかったところでさっとピットイン。
ブラウンGP時代にロス・ブラウンの戦略をしっかり吸収していたのでしょうか。

シューマッハーもマシントラブルでリタイア。
他にも続々リタイアのマシンが出ます。

ハミルトンは怒濤の追い上げ。6位にポジションを上げます
マッサも8位まで上がってきます。

24/56 ベッテルがピットイン。ハミルトンの前に戻ります。ハミルトンが追い立てますが、何とか前をキープ。

ウェバーがピットインしますが、タイヤ交換に時間がかかってしまいます。

去年までは燃料が軽い状態で長く走れるよう、少しでも後にピットインした方が良かったのですが、今年は給油がないので、早めにピットインして、タイヤを新しくした方が有利なのだそうです。
タイヤ交換は義務ですが、雨が降るとこの義務が解除されます。
今日はこの後雨になる可能性もあるので、ピットインを遅らせるのも一つのかけひきです。
そろそろ夕方のスコールの時間

36/56 ハミルトンが5位スーティルに襲いかかりまますが、スーティルも譲りません。昨年躍進したフォース・インディア&スーティル、今年も好調です。

アロンソはまだピットインしません。
雨が降らなければ、タイヤ交換をしなければなりませんが、どういうタイミングでくるのでしょう。

37/56 アロンソがピットイン。9位でコースに戻ります。

7位バトンに、8位マッサもプレッシャーをかけます。

44/56 マッサがバトンをパス。

7 マッサ ←8 バトン ←9 アロンソ

アロンソはファステストラップ連発で追い上げています。
バトンがハードタイヤ、アロンソがソフトタイヤなので、アロンソの方が有利か。

ハミルトンがスーティルにおさえられている間に、この7~8位グループが迫ってきます。
バトンに迫るアロンソ。しかし、マシントラブルを抱えているようです。シフトダウンが上手くいかない様子。

55/56 アロンソが仕掛けましたが、バトンがしのぎます。
アロンソの車が白煙を噴き出します
あと1周だったんですが、リタイア

過去2戦、途中までトップを快走しながらマシントラブルに泣かされてきたベッテルが、ついにトップでチェッカーを受けます。
チームメイトのウェバーとの1-2フィニッシュ \(^_^)/
マシントラブルがなければ、やはり強い、レッドブル
ウィニング・ランで、チームに「サンキュー!」を連発するベッテル。
「やったー!」よりも、「ありがとう」
こういうところが好きだなあ


 リザルト
 1 ベッテル(レッドブル)
 2 ウェバー(レッドブル)
 3 ロズベルグ(メルセデスGP)
 4 クビサ(ルノー)
 5 スーティル(フォース・インディア)
 6 ハミルトン(マクラーレン)
 7 マッサ(フェラーリ)
 8 バトン(マクラーレン)
 9 アルグエルスアリ(トロ・ロッソ)
10 ヒュルケンベルグ(ウィリアムズ)
11 ブエミ(トロ・ロッソ)
12 バリチェロ(ウィリアムズ)
13 アロンソ(フェラーリ)
14 ディ・グラッシ(ヴァージン・レーシング)
15 チャンドック(ヒスパニア・レーシング)
16 ブルーノ・セナ(ヒスパニア・レーシング)
17 トゥルーリ(ロータス)

※ リタイア… コバライネン(ロータス)、 ペトロフ(ルノー)、 リウッツィ(フォース・インディア)、シューマッハ(メルセデスGP)、小林可夢偉(BMWザウバー)、グロック(ヴァージン・レーシング)、デ・ラ・ロサ(BMWザウバー)


ベッテルが、3度目の正直で優勝 おめでとう
今回の表彰台は3人とも新顔ですね
やはりこういう展開になってほしいです。
ハミルトンに追い上げられながらも5位を守ったスーティル、素晴らしいです
レッドブル、メルセデスGP、ルノー、フォース・インディアあたりがどんどん表彰台に上ってくれると、面白くなるんですけどね。

アロンソは13位完走扱い。
あそこでバトンに勝負を仕掛けず、だましだまし最後までもっていってたらポイントがとれたかもしれませんが、やっぱりレースですから、競争してナンボですよね!
みんなが守っちゃったらつまらない。
アロンソのレーシング・スピリットに拍手をおくりたいわたしです

ザウバーは、何とかもうちょっとマシンの信頼性を高めてほしいですね
可夢偉選手は完走すれば、それなりの結果がついてくる人だと思うので…
経験を積むという意味でも、最後まで走らせてあげたいです。

前回は、レースは荒れたけど、表彰台に上がるのは結局、フェラーリ&マクラーレン? という感じでしたが、今回は「ストップ・ザ・2強」という顔ぶれになってくれました。
今年も戦国時代のようなF1になってほしいです

セミファイナル

2010-04-04 21:23:08 | バレーボール


 いよいよ今季のプレミア覇者決定に向けて、セミファイナルラウンドが始まりました。
加奈さんは、いったんチームを離れて治療に専念することになりました。
コートに立てなくてもずっとチームをサポートしていた加奈さんの気持ちは、チームメイトが一緒に持っていって戦ってくれると思います。
今は落ち着いてじっくり治療してほしいです。
手術から復帰までがすごく早かったので、今は足踏みしているように感じるかもしれませんが、「この手術をして復帰した選手はいない」といわれるような難しい手術だったのだから、完全復活まである程度時間がかかるのは仕方ないのでしょう。
加奈さんが自分自身を責めないでくれるといいなと思います。
エリカさんは、足のケガが治ったようで、セミファイナルから復帰してくれています。


 東レ  久光

スタメン:迫田、荒木、バルボッサ、中道、宮田、木村 リベロ;濱口
途中出場:高田、大山未希、芝田

 25-19
 16-25
 25-23
 23-25
 18-16

最初から、セミファイナルにふさわしい大熱戦でした。
どちらも粘りのあるレシーブで、最後まで競り合いました。
東レの方がややサーブがよく、サオリンの上手いスパイクや、エリカさんのブロードが要所できまっていたようです。

 東レ  JT

スタメン:迫田、荒木、バルボッサ、中道、宮田、木村 リベロ;濱口
途中出場:高田、芝田、大山未希

 23-25
 26-28
 23-25

残念ながらストレート負けでしたが、スコアを見ると、どのセットも競り合っていたのがわかります。
JTは徹底的にヨンギョン選手にボールを集め、要所でひょいひょいとセンター線を使うという攻めだったようです。
東レは、ちょっとサーブレシーブを崩され、サイドに偏ったところをブロックでやられてしまった感じです。



 東レ  デンソー

スタメン:荒木、バルボッサ、木村、迫田、中道、宮田 リベロ;濱口
途中出場:大山未希、高田、芝田、森

 27-25
 24-26
 18-25
 25-23
 15-10

東レはこの試合の結果次第でファイナルへ薦めるかどうかが決まります。
セットカウント1-2で迎えた第4セット、デンソーに21-23とリードを奪われ、まさに土俵際まで追い込まれますが、そこから相手のミスもあって逆転。東レがフルセットの熱戦を制しました
\(^_^)/



 セミファイナル順位

1 JT    3勝0敗
2 東レ   2勝1敗
3 久光   1勝2敗
4 デンソー 0勝3敗 


ファイナルラウンドは、4/10(土) 東レ  JT となりました。
今季の成績からいうと、JTの方が分がいいですが、ファイナルは1発勝負。
東レもレギュラーラウンドの最終戦で一度勝っているので、勝負の行方は全くわかりません。
ここまできたら3連覇だ、東レ



副菜特集

2010-04-02 21:59:55 | クマでもできるシリーズ


 今日は、野菜を使った副菜特集です。
まずは、チョロきったんさんに教えて頂いたあったかいサラダ


 チョロきったんさんのイタリアン風温かいポテトサラダ(2人分)
1 下ごしらえ
 ・ジャガイモ(2個)を4㎜の厚さの輪切りにし、水にさらす
 ・さやいんげん(1/2パック)のすじをとる
 ・アンチョビー(大1)、ニンニク(1片)をみじん切りにする
 ・赤とうがらし(1本)は種を取る
2 下ゆで
 ・鍋にたっぷり湯をわかし、塩をひとつまみ入れて、さやいんげんをさっとゆで、氷水にとる
 ・同じく、ブロッコリーを柔らかめにゆでて、ざるにとる
 ・ジャガイモは、塩半つまみ入れて、竹串が通るぐらいにゆでる
3 フライパンにオリーブ油を熱し、ニンニク、赤唐辛子を弱火で香りがたつまでいためる
4 アンチョビーを入れ、中火にする
  火が通ったら、ブロッコリーを木べらでつぶしながらいため、塩こしょうする
5 ジャガイモ、さやいんげんを入れて、ざっくりあえる
  塩こしょうで味を調える  

温野菜は、生野菜のように体を冷やさないし、野菜は加熱するとかさが減るので、その分たくさん食べられます
野菜をたくさんとりたい方にはおすすめ!
イタリア~ンな味付けですが、和食にも合いますよ。
「花冷え」という言葉もあるように、今の時季は案外寒い日があります。
特に今年は、冬将軍様がいつまでもちょっかいを出してくる感じですね。
そんな日にも、ほっこりあったか~いサラダが嬉しいです
チョロきったんさん、いつもおいしいのを教えて頂いてありがとうございます


 エリンギとキャベツのさっと煮


1 下ごしらえ
 ・エリンギは石づきをとって、縦半分に切り、薄切りにする
 ・キャベツはざく切りにする
2 鍋に、だし汁400㏄、みりん大さじ2・1/2、薄口しょうゆ大さじ2・1/2を煮立たせ、キャベツを入れる
  キャベツに火が通ったら、エリンギを入れてしんなりするまで煮る
3 器に盛りつけ、かつおぶしをふる  

ちょっと甘口のあっさり味。
汁と具の分量を調節すれば、スープにも煮物にもできます。
簡単なので、あと一品! にお役立て下さい。

寒くなったり温かくなったり、温度差が激しいので、皆様もお体には気をつけて下さいね!

一星へようこそ ―ダイヤモンド(後編)―

2010-04-01 21:30:58 | 一星


 娘が補導されたのは、新しいプロジェクトが始動して一月ほどした頃だった。
驚いて警察署にとんで行くと、娘は見たこともないラメ入りの、露出度の高いワンピースを着て座っていた いつの間にか染めた髪が、蛍光灯の光にやけに赤茶けて見えた。
娘は遅い時間に繁華街をうろついていただけで、犯罪行為をしたわけではなかった。が、娘の持ち物の中にタバコを見つけて、わたしは愕然とした
一体、いつからこんな物を。そもそも、どうやって入手したのだ。
「そんなん、自動販売機置いてる店で、18歳ですけどタスポ忘れました言うたら、すぐ貸してくれるわ」
わたしは耳を疑った。それが本当なら、あきれた店だ。怒鳴り込んでやる。
「どこの店だ。角の酒屋か?」
「どこの店でもやってるやろ。大人なんか、みんなそうやん。自分とこさえ儲かったら、人のことなんかどうでもええねん。お父さんの会社かて、そうなんちゃうん? 儲かる思たら、人体に有害なもんでも平気で売ってるんちゃうん?」
わたしは娘の頬を張った。娘は頬を押さえて立ち上がると、棚の中から妻が買い揃えたカップを取り出して、床にたたきつけた。
「こないだ、お父さんがTVに出てるの見たわ。何が、プライベートを犠牲にせんでも働けるや。聞いてて、片腹痛かったわ!」
娘は読書家なので語彙が豊富だ。だから、こういう時は本当に憎たらしいことを言う。片腹痛いとはよく言ってくれる。だが、痛い所をつかれたのも事実だった。

娘が割ったカップの破片を片付け、流しの食器を洗っているうちに、頭が冷えてきた。
マスコミに「新しいワーキングスタイルの提唱者」と呼ばれたわたしだが、肝心の自分の家庭には目を向けなかった。居間の空気が妙にヤニくさかったり、ガラス戸が茶色っぽく汚れていることに不審を感じても、原因を突き止めようとはしなかった。本当に親に知られたくないなら、居間でなど吸わないだろう。娘は気づいてほしかったのだ。タバコの匂いにも、染めた髪にも。
娘がもっと手のかかる子供だったら、わたしももう少し気をつけたかもしれない。だが、娘は小さな頃からききわけがよかった。学校の成績も良かったので、わたしは安心しきっていた。信頼していたといえば聞こえはいいが、要は、甘えていたのだ。娘のものわかりのよさに。
酒屋の店主にも、娘は止めてほしかったに違いない。
―あんた、18歳未満なんちゃうん? タバコは売られへんよ
と言ってほしかったのだ。それなのに、ほいほいとタスポを差し出されて、娘は大人というものに絶望したのだろう。
わたしは、いわゆる「グレた」経験がないので、そういう少年少女の心理はよくわからない。娘の行動から推測するなら、自分をわざと粗末にして引き止めて貰おうとしているのかもしれない。もし、誰かがあなたのダイヤの指輪を地面に投げ捨てたら、あなたは急いで拾うだろう。その指輪が大切なものであるなら―
娘は自分を地面に叩き付けて、「わたしが大切なら早く拾って!」と訴えていたのかもしれない。「コーヒーカップなんかより、わたしを大切に思って!」
なのに、わたしは黙殺した。
わたしは、仏壇に線香をあげて、自分の気持ちが十分落ち着いているのを確かめ、娘の部屋へ行った。ノックをしても返事はなかったが、「入るぞ」と声をかけてドアを開けた。娘は振り向いてくれなかった。その背中に、わたしは話しかけた。
「志織がいつもいい子だったから、お父さんは甘えていた。志織はSOSを出していたのに、気づこうとしなかった 本当に悪かったと思う。だが、『どうでもいい』なんてことは断じてない。それだけは信じてほしい」
わたしは間に合うだろうか。娘が粉々に砕けてしまう前に、あるいはどこか見えないところに転がっていってしまう前に、拾い上げることができるだろうか。

翌朝一番でわたしはマネージャーのところに行き、娘が今危うい状態なのでちゃんと見ていたいと説明し、プロジェクトリーダーを別の人間に替えてくれるよう頼んだ。
マネージャーは、「みんなの意見を聴いてみましょう」と言った。
メンバーは揃って異議を唱えた。
「そんなの、おかしいですよ。プライベートが大変な時は助け合おうって言ったのチーフですよ。それなのに、そんな理由で降りられたら、おれたちのやってきたこと全部否定されちゃうじゃないですか」
と言ったのは、緒方くんだ。
手塚くんは、「わたし、子供に話します。去年はお母さんが色々助けて貰ったから、今年は助ける側にまわりたいって。うちの子、バカじゃないから、ちゃんと説明すればわかってくれると思います」
沖田くんは、こう提案した。
「サブリーダーみたいなのつくって、マネージャーへの報告とか、チーフじゃなくてもできることはどんどん代行すればいいじゃないですか。そうすればチーフの負担も減るし、何なら、おれがやってもいいですよ。いいヘルパーさんにあたったおかげで、父も最近落ち着いてますから」
わたしは皆の厚意に甘えることにした。
5時になると、わたしは娘に電話をかけた。
「今から帰るが、何か食べるものを買って帰ろうか? それとも、どこかに食べに行くか?」
娘は戸惑っている様子だった。しばらく間があって、
―うちの近所にインド料理屋ができてんけど」
という声が返ってきた。うちの町内は小さな民家が建ち並ぶ住宅街だ。そんなところにインド料理店が開業したというのか。だが、娘がそう言うなら、あるのだろう。
「そこに食べに行くか?」
―…うん」

インド料理屋は本当に存在した。普通の民家を改造したらしく、瓦屋根に引き戸というつくりだ。店に入ると、インド人らしい店主がかたことの日本語で迎えてくれた。何を頼んでいいのかわからないので、Cセットというのを注文した。
大きなプレートに、ナン、カレーソース、タンドリーチキン、サラダが載っている。娘はマンゴージュースも頼んだ方がいいと言った。インド料理のピリピリは、マンゴージュースじゃないとおさえられないからと。わたしは娘の言う通りにした。
カレーソースは甘みもあっておいしかったが、食べているうちに口の中が火照ってきた。冷たく甘ったるいマンゴージュースが、その火照りを鎮めてくれた
それから毎日、わたしは定時で帰宅した。会社の近くの商店街で食材を買い込んだり、弁当を下げて帰ることもあった。
酒屋の店主にも話をしに行った。タバコを買いに行ったのは娘が悪いが、本人の自己申告だけで簡単にタスポを貸すのはいかがなものだろうか。
店主は、わたしがごく短時間だがTVに映ったのを見ていたようだ。
「あんな大きい会社のエライさんやったら、そら、きれいごとも言うてられるでしょうけど、わたしらは小さい店ですさかい、300円の売上でも大きいんですわ」
うちの会社だって楽して儲けているわけではない。取引先に出向く時は、路線図を広げて、10円でも安い経路を選ぶ。たかが300円などと思ってはいない。だが、300円の売上と引き替えに、かけがえのないものを傷つけてしまうなら、それはやはり、はかりしれない損失ではないだろうか。
その日は、ちょうど切れていた料理酒用の鬼ころしを買って帰った。
その後、わたしはちょくちょくそこで買い物をした。わたしは晩酌はしないが、店には酒以外の物も置いてある。娘が好みそうな菓子や、眠気覚ましのガム、雑誌などを買った。金額は、できるだけ毎回300円以上になるようにした。

一週間ほどして、娘が訊いた。
「お父さん、あたしが補導されたから早よ帰ってくるのん?」
「まあ、そういうことになるのかな」
「いつまで、こんな早よ帰ってくるのん?」
「お父さんが志織を大切に思っていることをわかって貰えるまでだ」
「そんなん、一年たっても二年たってもわかれへんかもしれへんやん。その間、ずっと早よ帰ってくんのん?」
「そうだ」
わたしは本気だった。自分が大切に思うことを貫くためには、開き直りも必要だ。
娘は学校にはちゃんと行っているようなので、わたしは出社を一時間早くした。さすがにそうしなければ、仕事が回りきらないところがあった。
数日後、娘が新しいカップを買ってきた。娘がカップを割ってから、わたしたちは引き出物のペアのマグカップを使っていた。娘が選んだのは、白地にストライプが入った色違いのカップだった。娘のはピンク、わたしのはネイビーのストライプだ。娘は翌朝、早起きしてそのカップにコーヒーをいれてくれた
「お父さん、今日から残業してもええから」
カップをわたしの前に置いて、娘は言った。
「お父さんがこんなんでリストラされたら、あたし、高校行かれへんようなるやん。その方が困るねん」
「お父さんが遅なっても、夜遊びもせえへんし、タバコも吸えへん。そやから、今日から普通に働いて」
わたしはどう反応していいかわからなかった。抱きしめてやればよかったのかもしれないが、いくら何でも照れ臭かった。「ありがとう」と言うのが精一杯だった。
出社すると、はかったようにイレギュラーが起きた。対応するのに時間がかかりそうだ。わたしは5時になると娘に電話した。
「帰りが九時過ぎになりそうなんだが、かまわないか?」
―そやから、ええ言うてるやん。いちいち電話もしてこんでええから」
翌日からは、帰宅予定時刻をメールすることにした。面倒なら返信しなくていいと言ったが、娘は、最低限「了解」とだけは返してきた。ある日、こんな返信がきた
―お父さんが『関西ウォーカー』は角の酒屋で買えいうから、買いに行ってん。そしたら、タバコ買いに来た思いはったらしくて、18歳未満には売られへんて言われた」
親父のへんくつ顔が浮かんできて、わたしは少し笑った。
娘の生活はそのまま落ち着いてくれたが、中三の大事な時期にそんなことがあったので、娘は本来の学力に見合う高校へは進めなかった。娘が入学したのは、N高という、学区内では中の上くらいの学校だ。
それでも、娘がもう一度自分を大切にしようと思ってくれただけで、わたしには十分だった。

コーヒーを飲み終わって店を出ると、胸ポケットの携帯が震動した 沖田くんからだ。
―チーフ、今日は戻ってこられるんですよね?」
「30分くらいで帰るよ。どうした?」
わたしは取引先との交渉をすませた帰りだった。しかし、また何か問題が起こったようだ。別の取引先へ説明に行かねばならないようだ。
「わかった。説明に必要な資料を机の上に出しておいてくれ」
今度は沖田くんも連れて行こう。彼は皆をまとめる力のある人間だ。取引先にも、今から顔を知って貰っておいた方がいい。
わたしは「一星」のある商店街を抜けて、駅へ急いだ。