銀座のうぐいすから

幸せに暮らす為には、何をどうしたら良い?を追求するのがここの目的です。それも具体的な事実を通じ下世話な言葉を使って表し、

元・悪がきは、最高の人材です(大・お弁当やさんのケース)

2010-01-15 14:31:52 | Weblog
 『カンブリア宮殿』と言う番組が、テレビ東京にあります。これは毎週見ているわけではないが、ときどき見ると、なかなかよいことを教えられます。お正月第二週はお弁当屋さんの会長と社長が登場しました。

 一日、6~7万食を配達しており、(私が心積もりだけで、計算すると、年商、200億円は超えている)大お弁当屋さんです。ただし、大田区を中心として、昔で言う京浜工業地帯に存在する、大会社への配達が多い模様なので、私は今までその社名を、まったく知りませんでした。玉子屋さんというそうです。

 お弁当の実物が登場しました。サブ司会者の小池栄子さんは、果敢に挑戦しましたが、村上龍さんは、最初は、ためらっていた模様です。おかずの仕切りが、九つはありそうな立派なお弁当ですが、お値段が、480円+いくらかで、全体で500円以下です。村上隆さんは過去にヒットを出したライターであり、今ではテレビのコメンテーターであり、講演の依頼や、単発コラムの依頼等も多いでしょう。となると、打ち合わせと称してしょっちゅう、ひとばん一万円ぐらいの割烹、または、フレンチで食事をされるのだろうと、推察をしました。だから、あっさりとかつはっきりといえば、お値段に怖気を振るったのでしょう。

 ところが、その村上氏も、小池さんにつられて食べてみて、「おいしい。食べられるね」とはっきり言っていました。そのおいしい理由は最後の方に出てきましたが、今でも、創業者(会長)がじきじきにメニューを創案するのだそうです。その九つの仕切り内全部のおかずと、ご飯(こちらも、白飯だけではないと感じますが)のメニューを考えられるそうです。それも、ロマンと継続性(つまり今日これを食べたら、何を次の日に食べたくなるだろうかという人間本来の気持ち)を、よく勘案しながらメニュー九品を考えるそうです。

 しかもお客からの反応(言葉もだが、食べ残しチェックもする)も大切に反映するそうです。しかも総個数6~7万個をすべて、一種類でまかなうわけですから、仕入れ等は、相当単位が大量に成り、それこそ、安く仕入れられるでしょう。
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 鍼灸医である主人が「もしかすると、この人は肝臓がわるいよ」と言っていましたが、もし、試食やら、社員と交流で呑むことが体への負担になっていらっしゃるのなら、気の毒ですが、それだけ、入魂の運営だということです。

 もうひとつ秘密があって(あまってしまって、廃棄するもの)をできるだけ避けているので、これだけの安さにできる模様で、駅弁で買うと、880以上でしょうねというようなクラスの、お弁当を、500円以下で、毎日、6~7万色を、12時までに配達しきる会社です。かつ注文はその日の朝に受けるだけという。

 こと、お弁当という点に関しては、これ以上、ない、ほどの、合理性を追求しているのですが、かといって、ほかの会社に見られる成果主義とは、ことなる、温情主義もまた、そのそこに流れている、ユニークな会社です。
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 その最大のポイントは、人材活用術にあります。いわゆる悪がきを採用し、社員として組み込み、かつ、彼らを、一般の大企業のイメージで言うところの、使用人というか、社員として再教育するのではなく、かれらの、自主性を尊重する、一種の子会社システムをとっているところにあります。

 これは、本当のことを言ったら、苦肉の策だったともいえましょう。高度計座成長時代は、大会社での募集人員が多くて、『よらば大樹の陰』を選ぶ若者が多かったので、イメージとして、まだ、格の低いお弁当屋さんは、よき人材を集められなかったからです。

 ところが、ここで、事件が起こります。食中毒事件が起きたのです。会社の信用はがた落ちとなり、再起不能かと思われました。そして、ほとんどの従業員は、業務停止時期内に去っていったのに、その悪がきたちだけは残って、しかも、得意先へ、謝罪めぐりを、してくれたそうです。怒こっているであろう、得意先へ乗り込むのは勇気が必要だけど、それが、可能だったのが悪がきたちの度胸でした。

 つまり、悪がきだからこそ、喧嘩のやり方も知っているし、落とし前のつけ方等も知っているし、けじめのつけ方も知っていたわけです。彼らの心の中にある、正義感=====つまり、自分のほうが悪かったら、素直に、そして、早急に謝らないといけないというのは、この場合、最高の結果につながった模様です。会社はつつがなく再起しました。

 しかも発展しつつあります。規模がもたらすメリットがこの会社にも生まれていますから。なおそれは、銀行マンから親の後を引き継いだ現社長の経営手腕にも負うところが大きいそうですが、ロマンを理解し、心理学的手法を、よい方向で生かす、創業者の心構えもこの会社では大きい模様です。

 会長が番組内で言った、最もすばらしい言葉は、・・・・・・学校の勉強の成績がいいというのは、誰かがやったことを理解する能力。だけど、悪がきたちは、日々、新しいことを発明し、発見し、自分で考える・・・・・でした。もちろん、ありとあらゆることには、両面がありますので、これがすべてのケースで、100%当てはまるともいえないが、しかし、すばらしい真実ではあります。社員は幸せそうでした。
    では         2010年1月15日   雨宮 舜
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