飴と鞭

　昨日の夕方、ネットで注文していた無駄吠え防止の機器が届いた。早速取り出してみると思っていたよりずいぶん小さい。巣箱くらいあるんだろうと想像し、どこに置こうか考えていたが、掌に乗るくらいのサイズだったので棚の上に置くことにした。

　角形の9Vの乾電池は別売りだったので、午前中のうちに買って来ていた。箱から取り出し説明書を読もうとすると、すべて英語で書かれていたので、ネットで注文した時のサイトで日本語の説明を読むことにした。まずはテストで正常に動くかどうかの確認が必要とあるので、緑のランプが点滅するの確認した後、機器の前で「ワンワン」と大きな声を出してみる。と、ランプが緑から赤に変わる。ブーッと微かに音がするが、テストモードなので人間の耳にも聞こえるような音域にしてあるようだ。

　そんなことをしていたら、臆病者のテオはスタスタと裏庭に出てしまった。なにやら危なげなことが行われているのを察知したのだろう。

　さて、これでセッティング完了。あとはテオが無駄吠えをしてくれるのを待つだけだ。説明書には無駄吠えを止めた時には、すかさずオヤツを与えたっぷりと褒めてやることが大事だとあった。そういうことならと、乾電池を買いに行ったついでに、テオのオヤツも買って来た。躾のためのオヤツだからと「おすわりくん」というご利益がありそうなものにする。

　テオはどうやら「おすわりくん」が気に入ったようで、ひと粒与えた後は、お座りも伏せもこちらの号令ひとつで積極的にやってくれる。おお、いいぞいいぞ。その調子だ。

　ただ、昨日の夜から今朝まで、誰も我が家を訪問した人がいないので、無駄吠え防止機器の出番はない。テオには無駄吠えを止めてほしいが、せっかく購入したのだから、早く効果のほどを見てみたいアベさんなのである。