映画の会の世話人のMさん(74)が元気がありません。先日の会ではアクション映画「ホワイトハウス・ダウン」を見たのですが、映画館で何回か、足元がふらつき、転びそうになりました。会食のとき、参加した女性が「体調が悪いのですか」と尋ねました。その回答に、私は衝撃を受けました。
「心拍数が(1分間に)30程度しかないのです。医者には心臓の洞がおかしいいので、ペースメーカーを入れるように勧められているのですが‥」。心臓は興奮伝導系というシステムで電気信号が流れ、きちんと動くように制御されています。最初の信号を出すところが洞房結節(洞)というところで、房室結節→ヒス束→プルキンエ繊維→右脚・左脚に流れ、右心房・左心房、右心室・左心室が動いて、肺や全身に血液を送る仕組みになっています。
洞房結節に異常が起こるのが洞不全症候群です。発症の原因が不明なことがほとんどで、Mさんも原因はわからないそうです。通常60~70ある心拍数が少なくなる除脈を引き起こし、運動しても心拍数が上がらないため、脳に血液が回らず、失神発作が起こります。
心拍数は40以下だと治療の必要があるとされ、根本的にはペースメーカーを植え込む手術をしなければなりません。「手術は痛いといいますし、ペースメーカーを入れても電池の寿命が6~8年なので、また手術しなければなりません」と、Mさんはペースメーカーには消極的なようです。生活上の注意をしながら、ゆっくり生きようと考えているようです。このため、映画の会は当分、休むことになりました。