足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

欧米の株価は落ち着く・・・・ そーせいGに好材料が出る

2016-04-19 05:46:55 | 投資戦略
日経平均をはじめ上海株は下落したが弱気ムードはヨーロッパでせき止められ、NY株は反発した。
ウォール街ではナスダック指数の上昇が目立ったほか、中小型株に引き続き人気があり、これまで相場を抑えていたバイオ、医薬品株も相場を押し上げた。NYダウ平均は1万8000ドルを回復し、昨年7月以来の高値。
日曜日のドーハでの産油国の首脳会議で生産凍結の合意がイランの不参加で見送られたが、原油相場は予想に反して堅調であり、欧米の株価に安心感を与えた。
東京市場は熊本震災と原油安懸念で売られたが、欧米の株価の落ち付で安堵感が出るだろう。

昨日は相場の大幅安のなかでそーせいG(4565)が大商いで1,260円高と気を吐いた。先の大幅高の原動力になったのはアラガン社にGタンパク質共役受容体(GPCR)関連で戦略的共同開を開始したことだが、さらに新しい材料が出た。

アラガン社との契約については次のように先の「トリトンスクエア通信」で書いた。
「アラガン社が注目したのは有望医薬品開発が約束されているGタンパク質共役受容体GPCRを取り出す技術で、GPCRは2012年のノーベル賞の対象になった。米ディユーク大のロバート・レフコビッチ教授とスタンフォード大のブライアン・コビカ教授が受賞した。
世界の製薬会社は研究を進めてきたが、そーせいGが実用化の技術開発では先端をいき成功していた。困難とみられていたGPCRの創薬は業界でも夢のような話であった。アラガン社が高額資金を投じて契約を結んだ意味は大きく、画期的なことである。
専門的なレベルの話だが、そーせいGの株価がこれから先にその成長性を織り込んでいく。契約では差し当たりアルツハイマー病の先進的な治療薬として登場する。世界では4,500万人の患者(北米480万人、西欧750万人、アジア太平洋360万人など)があり、2050年には1億3000万人に達するといわれている。
この契約は同社にとっては第1弾で、この技術を軸に世界の製薬企業との関係が一段と深まる。」
早くも膨大な市場であるがん治療薬分野にもGPCR開発の技術が拡大してきた。今後の成長の道筋が一段と広がった。小野薬品(4528)と並んで日本の医薬品業界でのバイオ関連の本命の地位を築く。
(アラガン社はアイルランド国籍の米医薬品会社で超大手企業が買収の手を差し延べる話題の成長企業)


産油国は生産上限まとまらず

2016-04-18 05:54:40 | 投資戦略
カタールの首都ドーハで開かれていた主要産油国(世界生産量の半分を占める)の会合は生産量の上限を決議する案がまとまらないまま閉幕した。最大手の産油国サウジアラビアが、イランの参加がない合意に難色を示した。
今回の会合はサウジとロシアがリードして会議が進められたが、輸出に対して制裁されていたイランの増産に釘をさした。根底には両国の政治的に微妙な関係が残ることが露呈した。
1月から原油相場は30%上昇してきただけに、生産凍結の必要性が薄れてきた。
これまでの世界の株価の反騰の原動力であっただけに、今週の世界の株価がどのように反応するか大きな焦点になってきた。
原油相場の今後の動向を握るのは米国と中国の堅調な需要である。
中国景気には底入れの機運も出てきた。これまでの景気対策が効果を出し始めたのと、中国に追随した新興国の景気の底入れ機運である。最近の新興諸国の株価をみると、アジア諸国をはじめ、ラテンアメリカ、アフリカも落ち着いてきた。欧米の投資家の資金の回帰が始まった。

東京市場では今月末から3月決算の発表が本格化する。決算の減額修正は出ているが、焦点は2017年3月期の見通しである。
先行きの不透明感が残り、相場の頭を抑える。物色人気が残るのはヘルスケアと消費関連である。この分野で成長路線がつづく銘柄を引き続き物色していきたい。一つの候補は決算発表が終わったドラッグストア関連である。業界の再編成が注目される。


産油国の会合に関心

2016-04-16 07:01:18 | 投資戦略
ウォール街の関心事は週末のカタール首都ドーハで開催される主要石油国の主脳会合での結論。
原油生産を現段階での生産の凍結観測が大勢の見方で、最近の原油相場は$40前後で落ち着いてきた。本年初めから水面下では、交渉が進められてきたが、この日の株式相場は、その結果待ちで見送り気分。

アップル(AAPL)が下落した。日経新聞でのiPhoneの減産観測の記事が材料になった。
第1面の「iPhone減産継続」報道がNY市場でも注目された。製品の部品生産が日本、台湾に集中しているので、生産メーカーの動きがどこよりも早く耳にはいる。
アップルは時価総額が6090億ドル(66兆円)と世界最大で米国企業の顔である。それだけに機関投資家、ヘッジファンドの持ち株比率が大きく、株価の動向がNY株市場に影響与える。最近のアップルの動きをみると、ITバブルのピーク時にインターネット産業の顔になったシスコ・システムズ(CSCO)のことを想起する。その先行きに大きな期待が集まり、IT化の進展が続き主役として大きな成長が約束された。
しかし、ここへきて技術革新の波はITのバックボーンから、それをどのように生かすかの方に主軸が移り、グーグル(GOOG)やフェスブック(FB)という新興企業がのし上がり、シスコ・システムズ人気は終焉した。数年以内にはグーグルがアップルの時価総額を追い抜く時代が来るだろう。
次の主役のひとつはAI(人工知能)で、ウォール街では有望株探しがはじまった。

東京市場でも底入れ感が出てきた。円高が大きなカギだが、5月の伊勢志摩サミットを控え、政府・日銀になんらかの動きが期待される。
相場の押し目局面では、これからの主役を求める動きが来週は一段と高まるだろう。


ダウ理論が相場の基調転換を暗示

2016-04-15 06:15:20 | 投資戦略
NY株は小休止。
銀行、バイオ、通信は堅調であったが、最近の相場のリード役のひとつエネルギーが下落した。
週末にカタールで開催される主要産油国の首脳会議で生産量の凍結が決まるかどうかが大きな焦点。この日の市場では会合の成り行きに慎重な見方も出ていた。
一方、銀行の決算発表をみて強気見方が増えてきた。NY市場では金融株の相場全体のセンチメントに与える影響度は東京市場よりはるかに大きい。

ダウ理論というのがある。19世紀にNYダウ平均が誕生して以来、相場観測のテクニカル分析に利用される。もっとも利用者が多い手法のひとつ。
この分析に先行き「買い」シグナルが点滅した。「100%の確率での強気サイン」とみる。本家本元のウォールストリー・ジャーナル社のウィリアム・ハミルトンのアナリストの解釈だ。ダウ平均、ダウ輸送株の両指数が暗示した。この日も運輸株指数は堅調。米国景気の動向がみえる典型的な景気敏感指数だ。
ただ別のテクニカル分析家リチャード・モロニーも「100%の確率とはいえないが、82%の可能性がる」と同調する。
理論の解釈にそんなに大きな差がなくなったのが、今回の反騰局面での特色である。

世界の市場のなかで一人取り残されてきた東京市場だが、今週に入っての連騰には久しぶりに注目する外人投資家が出てきた。特に円相場の反転の勢いが衰えてきたことに関心。

日経平均レバレッジETF(上場投信)が昨日は+6.31%と日経平均の+3.23%の2倍の上昇率。3月の12,070円を抜けば、相場の本格反騰を暗示する。株価の動きに注目したい。

世界の株価の堅調が続く

2016-04-14 06:17:24 | 投資戦略
NY株は続伸した。
中国の3月の輸出が9ヵ月ぶりに上昇したのを好感して新興国諸国の株が上昇した。
ウォール街では金融、バイオ、半導体、中小型株に人気が集まった。
金融ではJPモルガンが、ゴールドマン・サックス、シティG、ウェルズ・ファーゴが牽引した。銀行株の上昇は好調な決算が背景。これまで低迷していたセクターに光が戻ってきた。
ダウ銘柄で目立ったのはアメリカン・エクスプレス(AXP),キャタビラー(CAT)など。特に年初来の好調な相場の局面ではキャタビラー(CAT)が人気を集める。世界の設備投資に敏感な銘柄で、波乱相場のなかでも着実に株価水準が上昇している。市場では「一つの謎」と首を傾ける向きも多いが、世界景気の先導役を果たしてきただけに、その動きには注目したい。足元の業績よりも先行きの回復の確実性に投資家は賭ける。

「トリトンスクエア通信」では先にコマツ(6301)に注目した。本年は1~2月の下落相場のなかで逆行高して+9%になりキャタビラーの動きに追随したが、その後、反落したものの下値は3,900円で固まり、最近は再び反騰基調にある。

ことしはヘッジファンドが不調であったが、2月には底入れ3月の実績は+3.79%になった。月間の上昇率は2012年1月以来である。先行きに機敏な投資家の資金がヘッジファンドに戻りはじめた。

東京市場でも昨日の堅調な動きを業種別にみると鉱業、繊維、化学・医薬品、石油、非鉄、機械、電気、輸送用機器、海運、銀行などであった。先行き景気に明るさの兆しを先見し始めたのか、単なる一時的な反発なのか判断に苦しむが、これまであまり見られなかった人気である。