足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

10年余越しにハイテクに強気

2012-10-25 06:53:29 | 株式

ことしのバロンズ誌の新年の座談会でハイテク株に引き続慎重論を出したのはフレッド・ヒッキーであった。

ハイテク株の専門家で長年にわたって、業界を分析し、自分の資産運用でもハイテクの売買を行ってきた。弱気の始まりはITバブルのピークで、それ以来、12年余も弱気であった。ITバブルで米国を牽引した一大技術革新が終焉し、新技術の芽はしばらくは開かないという信念の持ち主。

ただ 年初来久しぶりにハイテク株に成長の芽が出てきたとみる。

ことし半ばに新春座談会のフォローアップ版が出たが、その時も「9月になったら考える」と再度、強調していた。投資は金相場に偏った運用であった。

ただこれまでの慎重論のなかでもアップルの売買にはちゃんと参加してきた。

さて、われわれの関心事はヒツキーの胸に秘めた銘柄はなにか。

10~月相場に向かってハイテク株の評価を急ぎたい。


フエィスブックが好決算・・・相場の基調は休養

2012-10-24 07:49:11 | 株式

NY株は企業業績への不安感とスペイン問題が浮上し大幅安で終わった。

決算発表も佳境に入ったが大型企業の不振が目立つ。

業績不振は予想されていたが、いざ発表されると相場の基調が弱いだけに株価の足を引っ張る。

そんな中で注目のフエィスブックの第3四半期は売上が前年比で+28%増加し、引け後の取引で株価が一時は+10%と急騰した。広告収入が+24%増加した。モバイル向けで出遅れたが、ようやく成長の原動力になってきた。会員数は101000万人と大台に乗った。依然として世界的に加入者の増加が続くのは同社の強味である。

今週のバロンズ誌がダウ平均の史上最高値(14,164ドル)が見えていたという特集を組んだが、市場では「その頂上が見えてきた」と実感するものの、相場は一気の更新は無理として休養を決め込む。当然の動きである。

本日から米連銀の2日間のFOMC,月末は日銀の政策会合と重要イベントがあるが、円相場の軟調をみていると日銀の動きに注目が集まっている。

東京市場でも今週から決算発表が本格化してきたが、足元の発表企業のなかでもサプライズが出てきた。

われわれが注目してきた。エムスリー(2413)は好調な決算を発表したが、日本でも医療関連でネットを利用したビジネスが花を開かせてきた。

本日はヤフー(4689)の決算発表だが、経営陣の交代で成長路線に再び回帰しはじめた。久しぶりに決算には関心を引き付けられる。


NY株はハイテクが反騰・・・東京市場のIPOは過熱

2012-10-23 07:47:21 | 株式

NY株は3日ぶりに反騰した。

これまで相場の頭を抑えてきたハイテク株が反騰した。アップルが決算を控えているが+3%になりハイテク株をリードした。

この日、決算発表したヤフーは久しぶりの好決算で上昇した。グーグルから移籍したCEOのメイヤーの初めての決算説明あがったが、利益が事前の予想を上回った。広告収入の好調が背景だ。3ヵ月前の就任いらいマリサ・メイヤーの経営力に注目する向きが増えていたが、決算発表でまず市場の期待に応えた。今回の決算ではグーグルが大幅安になったのとは好対照である。

ヤフーの収益の源泉である広告収入が反転した。

米国での今夕は大統領選にからむ最後のTV討論会が開催される。過去2回の討論会ではオバマ、ロムニーの両候補の人気は互角であった。最後の討論会が選挙の結果に影響する可能性が高まってきた。11月には新大統領が決まり相場の不透明な材料は一つなくなる。

先週末、東京市場で公開されたトレンダーズ(6069・マ)の初日は買い物が殺到し寄付かず、2日目に6500円とIPO価格2,550円の2.5倍で寄り付いた。インターネットを利用した女性向けの美容関連サービスというビジネスモデル。一般受けする事業内容だが、われわれの理論株価は5,890円。理論株価に時価が到達した。分野が限定されるだけに成長には限界がある。

投機と割り切った資金が圧倒したが、この種のケースでは公開後が株価のピークになる。ITバブル時の株価の過熱に等しい。


中間決算の発表が始まる

2012-10-22 07:06:41 | 株式

先週のNY株は週間ではほぼ変わらずに終わった。

発表中の第3四半期の決算が相場を動かした。先週のハイライトは金曜日のグーグルの決算で事前の予想を下回り、一時は9%超の下落になり、サーキット・ブレィカーが発動され一時は売買が中止になり衝撃を市場に与えた。広告収入がアナリストの予想数字に達しなかった。アップルと並んで米国のハイテク株のリーダー役だけに、投資家の期待感は大きかった。広告の増加の源泉が携帯電話の分野に移行しているが、PC向けとは異なり広告単価の低下が収益面で足を引っ張った。ほかにマイクロソフト、IBM,インテルの決算も不振であった。

今週はアップル(木曜日)の決算だが市場の期待感は大きく、その内容が相場全体に影響を与えるだろう。同じ日にアマゾンも発表する。

S&P500銘柄のうち41社が予想を上回ったが、この社数は2009年第1四半期以来の低調な社数である。りーマンショック時以来である。

東京市場でも今週から中間決算の発表が始まるが、目下のところ市場では役者が不在である。

最近の売買代金でみるとソフトバンクだが、相場のリード役というより、その積極的な拡大戦略に対しての市場の戸惑いによる売買高の急増であった。

普通、企業がM&Aを仕掛けた場合、買収する方の企業が売られ、被買収企業が買われる。

イー・アクセスの場合は常識通りの動きになった。スプリントの場合も発表当初はソフトバンクが売られ、スプリントが買われたが、下落率が常識以上に大幅になり、投資家は大きな打撃をこうむった。それにスプリントの株価は買収発表の割には反応が鈍く、投資家は戸惑っている。

月末にはソフトバンクの決算発表があり、孫社長の買収戦略についての詳細な説明が期待されるが、その内容が市場の人気の方向性を決めることになるだろう。


相場は不安の壁を登る・・・NY株の下落はプラス材料

2012-10-20 09:29:46 | 株式

NY株が急落した。

けん引役はこれまで反騰相場のリード役であったハイテクでグーグル、マイクロソフトなどで、いずれも決算が事前の予想を下回った。

それに毎年1019日にはブラックマンディの亡霊が徘徊する。25年前の19871019日に相場が一日で23%も暴落した。ブラックマンディである。

この下落率を現在のダウ平均に当てはめると3100ドルに匹敵する暴落で世界の投資家を震撼とさせた。

相場の世界ではこの種のジンクスを気にする風習がある。

足元の米国景気は住宅市場がけん引役になって回復基調が鮮明になってきたが、中国経済の減速、ユーロ圏の金融不安が市場に懸念材料としていつも頭をもたげる。

1987年の暴落の日には売りものが殺到し、取引を一時中断するサーキットブレイカーが発動された。

現在の市場のメインプレイヤーである多くのヘッジファンドは、この種の暴落を経験していないだけに、相場がこれといった理由もなしに下げると市場では先行きに不安心理が増幅される。

当時はグリーンスパン連銀議長が就任して間もない時でインフレを抑えるために利上げしたばかりであってクラッシュに戸惑った。

当時は東京市場もクラッシュの余波を受けて暴落したが、当時の個人投資家は懐が深く、暴落時には買い向かうという行動に出る向きが多く、日本株の回復は世界の株価に先行して回復した。当時の日本の世界における存在感は、現在の中国のようで世界の経済に影響を与える力があった。

現在のアメリカの経済力は22年前に比べ格段に強くなった。当然、株式市場も他国を引き離し、リーマンショックの洗練を受けて金融システムは強化され、バーナンキ議長の巧みな金融政策が株式市場に大きな支えになっている。現在のNYダウ平均は日経平均を追い抜いたが、当時は日経平均の10分の1であった。この事実をみても日本の実力の低下が実感される。

ウォール街の現在の関心事はNYダウ平均が2007年の史上最高値の14,164ドルを追い抜いていつ新記録を達成するかにある。

昨日のようなNY株の下落は相場にとってはむしろ好ましい。いまは“相場は不安の壁を登る”という格言を地で往っているだけに、不安の増幅は先行きの相場展開には「ばね」の役目を果たすだろう。