先週、米バロンズ誌が著名な投資の専門家を集め有料の講演会を行った。毎秋、ニューヨークで開催される。参加者のうち5人は同誌の新春座談会の常連メンバーである。参加者はすべて資金運用の最前線で活躍している。
海外からフレックス・ズーロッフ(ズーロッフ・アセット・マネジメント)とマーク・ファバー(ニュース・レターの編集者)が参加したが、注目されるのは、この両人が円安を予想したことである。
ズーロッフはチューリッヒでヘッジファンド、年金運用などで実績があるが「日本では注目すべき変化が起ころうとしている。円相場のトレンドの転換である。円安は特に輸出企業に大きな恩恵を及ぼす。向こう2~3年は円安が継続し100円台に乗せる。このような見方はメディアには見られないが、円安は日本の輸出企業には膨大な利益をもたらせる。株価水準は20年前と同じで、円安で日本株に注目が集まるだろう」と語った。
またマーク・ファバーも「円相場は下落に転じる。日本の国債には全く魅力はない。資産運用の一部を日本株への投資に向ける」と語った。
ズーロッフはスイス、ファーバーは香港をそれぞれ拠点にして運用している。
早くから円高を予見してきたが、ここへいきて見方を大転換した。
これまでから円相場の転換点では実績のある投資家だけに注目される。