足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

米議会の緊迫が続く

2011-07-25 07:41:02 | 株式

ガイトナー米財務長官が「世界の目はわれわれの決断に集まっている」と語るように、米財政再建協議が緊迫してきた。

82日までに政府の債務上限を引き上げなければ米国がデフォルトに落ち込むという切迫した時間を迎えて、本日の東京市場の始まりまでに与野党間の合意をまとめたいと週末から協議が続いてきたが、日本時間の本日の早朝までには決着しなかった。

債務上限の引き上げには与党の民主党は歳出カットと増税を主張してきた。

本日の東京市場の焦点はドル相場の動きである。NY市場では現在ドル安が進行している。

米国が上限引き上げに失敗してデフォルトに陥ることは考えられないが、時間が切迫しているだけに、ガイトナー財務省長官は安易な妥協で終わることには警戒している。

良識ある米議会だけに最悪の事態になることは考えられないが、来年の大統領選を控えて出来るだけ失点を少なくしたいオバマ大統領の決断を鈍らせている。

週末のNYダウは小幅安で終わったが、ナスダックは高かった。

ウォール街でも最悪の事態にはならないという読みがある。

今週は東京市場でも決算発表が本格化し、議会では重要法案の審議が始まる。相場の方向性は上昇トレンドであるが、波乱を抱えながらの動きになるだろう。

目先はETFに銀上場投信(1973)に注目したい。金相場の新高値を追いかけて銀相場の出遅れが目立つ。


半導体株が急騰・・・ウォール街

2011-07-23 08:20:14 | 株式

今月のウォール街は急騰のあとは一服するという相場の動きの繰り返しで、木曜日の+152ドルのあと、昨日のNYダウは-43ドルで終わった。依然として強弱が分かれる展開である。

それでも今週は週間では+1.6%であった。

昨日はキャタビラーの決算が不振で売られた。日本の震災の影響で部品の調達に支障をきたしたことが指摘された。

一方、半導体大手のアドバンス・マイクロデバイシスが+19%と急騰したほか、フラシュメモリーのサンデスクが+10%になった。ほかにはワイアレス向けの半導体メーカーのスカイワーク・ソリューション(SWKS)も+19%とAMDに次ぐ上昇にありナスダック指数を押し上げた。半導体メモリー市場は不振だが、モバイル向けの半導体は絶好調だ。

半導体銘柄も選別の段階にはいったし、モバイルの好調が続く。

ギリシア問題が短期的には決着がついたが、残るは議会での財政再建協議である。昨日は民主党の支配する上院で話し合いがまとまらなかった。週末に引き続き話し合いが行われる。

東京市場では連日、日経新聞に第1四半期の決算の見通しのニュースが伝わる。来週は本格的に決算発表が始まるがポジティプなニュースも散見された3ヵ月前とは異なる。

引き続き個別物色が続くだろう。


2011年の後半相場が始まった

2011-07-22 07:54:18 | 株式

これまでの欧米の株価の大きな懸念材料であったギリシア問題、米財政再建協議に明るさが見えNY株は大幅高になりNYダウ平均は今月の高値を抜いた。

NYタイムズがオバマ大統領と議会との話し合いがまとまる方向と伝えたことがきっかけである。また発表中の第2四期の決算もモルガンスタンレー、マイクロソフトなど大物の数字に相場が反応し市場のセンチメントに安心感が蘇った。

相場の環境は昨年7月を想起させる。昨年もNYダウは月間で+7%と急騰し、2010年の後半相場の幕開けを告げた。

ウォール街がいかに先行きにいかに慎重であったかが、オプションのPut/Callレシオに最近は注目する向きが出ている。Put残をCall残で割ったレシオであるが、最近は1.00を超えていた。特に21日移動平均が0.90を上回ったのは過去10年のうち12回だけであったが、うち10回はその後、S&P500100ポイント以上の反発になった。昨年7月のときよりも今回の比率はやや高くなった。

昨年の懸念材料はダブルディップ懸念が日を追って深まっていったことだ。

先の本欄でマーチン・アームストロングがπ理論から61314日を相場の底値と予言していた野を紹介したが、613日が底であった。実に見事な予想であった。

年末相場に向かってテーマと銘柄を至急に検討する時がきた。


クラウドコンピューテイングが現実買いに

2011-07-21 07:55:43 | 株式

ウォール街は前日のダウ平均+202ドル高のあとだけに一休みだ。

引き続きインテルなど好決算の発表が相次ぎミクロの材料には事欠かない。

しかし82日に期限が切れる米連邦政府の借金の上限引き上げ問題が議会でまとまらず、ヨーロッパの金融不安と並んで相場の懸念材料として相場の頭を抑える。

それにもかかわらずいいままで株価の上昇を支えてきたのは不安の壁を登るという格言で表現される相場のもつ独特の習性である。

VIX(恐怖)指数が昨日は19.09と先週の20台から下落した。

東京市場でも個々の決算予想の増額が出始めた。

テーマとして浮上してきたのがクラウドコンピューテイングである。ウォール街ではアップル、グーグル、アマゾン、セールスフォース・コムなど、恩恵を享受して成長率に加速が見られる。

日本でも先行き息の長いテーマに浮上するだろう。インターネットの環境の進化が経済の効率化を引上げるために絶え間なく動いている。

データセンター関連に注目している。先週はネットワンシステムズ(7518)に関連株として注目を始めたが、中堅のデータセンターのビットアイル(3811)にも注目を始めたい。7月決算で1400円の配当がまるまるとれる。

20117月期を起点にした3ヵ年計画では利益が倍増する。その計画を足元では上回っている。タイミング良い設備投資の刈り取り期とクラウド時代の到来が一致した。


NY株の予想外の反転・・・ハイテクに注目できる

2011-07-20 07:53:30 | 株式

NY株は寄り付き前から時間外での先物取引が堅調であったが、相場が始まるや一気に12500台に跳ね上がり終日、好調な推移をたどった。この日のNYダウの上昇は本年最高であった。

先週末のグルーミーな雰囲気を吹きとばした。何が変化したのか?

難航している米財政再建問題の議論が議会で始まり与野党での妥協の動きを市場は察知し始めたようだ。

また時価総額で世界最大のハイテクにのし上がったアップル(AAPL)の利益は前年比で2倍になるという驚異的な数字をだした。牽引役はiPhoneでこの人気がハイテク株に広がった。

6月に始まったNY株の上昇トレンドは足掛け2ヵ月経過したが、この日の相場展開をみているかぎり年末高の相場が継続している。企業業績はハイテクを中心にポジティブ・サプライズ決算が続く。先週まで続いた短期的な「売りエネルギー」もこの日は萎えてしまった。

財政問題で米議会での妥協が成立(充分可能)し、ユーロ問題に解決の筋道が出れば、日本の震災で腰を折られた世界的な株高トレンドの再燃は十分に考えられる。

アップル、グーグルの好決算をみてインターネット関連にわれわれは力点を置き始めたが、東京市場では小粒であるがピカリと光る銘柄もある。これからも注目の幅を広げる。

先週、注目したネットワン(7518)には市場参加者が増えてきた。