ウォール街は一転して弱気に転じた。
前日はバーナンキ議長がQE3の用意があることをほのめかしたが、この日の上院での議会証言では「いますぐ行動を起こすつもりはない」と前言を打ち消し株価は下落した。
議会では8月2日に迫った政府の債務の上限14兆3000億ドル(1120兆円)の引き上げについて野党との話し合いがまとまっていない。野党の共和党は上限の引き上げの代わりに、足元の財政赤字の削減を提案している。
債務の上限引き上げがまとまらなければ米国債に格付け引き下げのリスクに直面する。
この日、第2四半期の決算が発表され大手銀行株のトップバッター役のJPモルガンは好決算であった。また引け後のグーグルの決算は事前の予想を大きく上回り、引け後の取引きでは+11%と急騰した。
市場では材料をミクロとマクロの駆け引きと読む。マクロ問題にはさらにヨーロッパの金融危機がある。
バーナンキ議長の前言の取り消しは多分に議会での結論の遅延に対しての側面援助的な動きが感じられる。景気の停滞、株価の不透明性を払拭する大きな材料が政治にあるという意思表示か?
事実ならバーナンキ議長の言動には、相場を読む多くのカギが秘められている。
東京市場でも政治の停滞が大きな懸念材料であるが、これまではNY株が下値を支える役目を果たしていた。
週末の連休明けの相場には様々な材料が交差する。