マクロとミクロの綱引きが相場の方向性をにぎるウォール街であるが、この日はミクロがマクロを押し切った。
前日、好決算を発表したグーグル(GOOG)が+13%も急騰した。2008年10月以来の上昇である。時価総額が13兆7000億円の大型企業がこのような大幅高をするというのは、いまの世界のどこの市場にもみられない現象である。インターネット業界の威力を改めてみせつけた。“NY市場は生きている”という実感を味あわせてくれる。投資家には大きな安心材料である。
問題の金融機関の一つであったシティ(C)の業績も予想の上限の数字になった。
エネルギー株ではペトロホーク・エネルギー(HK)にBHPがTOBを発表し株価は+62%も急騰した。エネルギー株には根強い人気が継続する。東京市場でのエネルギー関連株の先行きを読む一つのヒントになる。
マクロ面では連邦政府の債務上限枠の問題が難航しているが、相場の読みでは「いずれ与野党の妥協が出て決着」という見方が根強い。いま一つはヨーロッパの銀行のストレステストの結果が発表になったが相場の材料にはならなかった。
東京市場は3連休にはいるがNY株の底堅さがなによりものよりどころだ。
兜町でも個々の銘柄の物色人気が続いている。この人気は連休明けにも引き継がれるだろう。
株価を動かす最大の材料は月末から本格化する第1四半期の決算発表である。