足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

新興市場の下げ

2006-07-26 18:06:11 | 株式

新興市場の下げがきびしい。代表的な指標であるマザーズ指数は1月10日の高値から-60%、ヘラクレス指数は-53.3%である。わづか6ヵ月余の間の下げである。

新興市場は個人投資家が支配する市場であるだけに信用取引の投げが相場の下げを加速させる。信用取引も貸借取引ではないので大半の銘柄はカラ売りができない。したがって昨今のような地合いでは「投げが投げを呼ぶ」という現象がでる。カラ売りの買戻しという需要がないだけに一方通行になってしまう。

これまで新興市場のスター的な存在であったインターネット株の崩れが市場全体の人気に大きな影響を与えている。高値からの下落率をみるとヤフー(4689)が-51.4%、楽天(4755・JQ)が-61%、ACCESS(4813・マ)が-47%である。きっかけはウォール街でのネット株からの人気の離散である。世界のネット株をリードするグーグル(GOOG)は好決算を発表したが売られた。ITバブルの崩壊局面を想起させるが、本質的には異なる。インターネットには「Web2.0」という新しい革命が始ったところである。ハイテク分野ではもっとも成長が期待できる分野だけに、新興市場がテクニカル要因で下げているのはチャンスであると思う。世紀の投資家ビル・ミラーは「価値のある株の下げは、その株の投資価値が上がることを意味する」と語る。

東京市場でもそのような銘柄が続出してきた。


米再利上げの可能性は50%に低下

2006-07-25 18:23:22 | 株式
今週に入ってからのウォール街での関心事は第2四半期の企業業績の発表から、経済指標の方に移ってきた。日本時間の今夜の消費者信頼感指数、中古住宅販売、木曜日の新築住宅販売、耐久財受注、金曜日の第2四半期(4~6月)のGDP,ミシガン大学の景気セン チメント指数と続く。 先週、水曜日のバーナンキ議長の議会証言の内容に反応してNYダウ平均は212ドル高になったのは、これらの景気指標が引き続き景気の鈍化を示すなら「利上げ休止もありうる」と受け止められるような発言があったからである。休止の可能性は証言前の80%から60%に低下し、今週はさらに50%まで下がった。 世界の株式市場の目が中東紛争から金利の方に向いてきた。そういった意味では今週の米景気指標は株価には大きな影響力を持つ。 東京市場で気がかりなのは売買代金が盛り上がりに欠けること。それでも三菱電機や北越製紙など個々の材料には反応するようにはなってきた。相場全体は下値リスクが限定されてきたことは確かである。

インターネット株の分析

2006-07-24 17:57:08 | 株式

インターネットの象徴的な存在であったヤフー(4689)、楽天(4755・JQ)が売られた。新興市場からの人気の離散、ウォール街でのハイテク株の下落など世界の投資家のインターネット株をみる目はきいしい。

「トリトンスクエア通信」では先に「Web2.0」革命に注目し、インターネット株に再び下克上の時代が始まったことを強調した。その見方は今回のウォール街でのグーグル、ヤフー、日本のヤフーの決算発表をみていっそう強くなった。ここ10年のネット株の生き残り組みがそのまま次の10年も成長株としてみることができなくなってきたからである。われわれはインターネット株のこれからの有望株について再検討を迫られている。これは一般の投資家には困難な作業であるが、ネット革命の第1期と異なり、「Web2.0」命の第2期ではビジネスモデルの新奇さよりも、小規模であってもよい、新しい技術の芽をもっている銘柄の発掘に注力しなければならないことである。

グーグルの決算をみてネット企業が売上げ比でどれだけのR&D(研究開発投資)に資金を投じているかが、成長の分岐点をみる大きな要点であることがわかる。


金相場に賭ける

2006-07-23 18:58:37 | 株式

北朝鮮問題、インドでのテロ、イスラエルとレバノンの紛争など地政学リスクの高まりから金相場が今月中旬には$668まで上昇し、「次の目標は$800」といわれたが、このところは調整局面にはいってきた。今年の高値は511日の$722である。

本来なら夏場にかけては調整局面が続き、新高値に挑戦するのは秋以降と見る向きが多く、ヘッジファンドなども買いのポジションを減らし、夏場にかけての下落局面で買い戻す方針のところが多かった。それだけに514日に$566で底入れし戻りに転じたのには意外感が強かった。$800台乗せが秋までに実現する可能性は十分にある。

日本の株式市場で金相場に賭ける方法には選択肢は狭い。かねて「トリトンスクエア通信」で注目してきたのは住友金属鉱山(5713)とアサヒブリテック(5855)である。

アサヒブリテックが先週、第1四半期の決算を発表した。早くも大幅な増額修正である。

20073月期は売上げが730億円→820億円、経常利益は38億円→49億円にそれぞれ増額した。わずか3ヵ月での修正にしてはその幅が多きい。同社は金、銀、プラチナなど貴金属のリサイクルの回収というビジネスモデル。それに最近は液晶テレビなどフラットパネルのインジウムのリサイクルが大きな柱になってきた。東京市場では数少ない貴金属、稀少金属の相場関連である。

外人の持ち株比率も昨年はじめの6.5%から20%近くに上昇した。

昨年も業績は3回にわたって増額した。


ウォール街でハイテクが売られた

2006-07-22 16:05:42 | 株式

期待したNY株であったが、続落した。グーグルの好決算にも大きな反応はなく、むしろ第2四半期の業績が予想を少しでも下回ると大きく売られるというのが定番になってきた。世界の最大手のPCメーカーのデルが業績がアナリストの予想に達しないという警告を出し売られた。そのマイナス人気がHP,アドバンスド・マイクロデバイシス、インテルに飛び火し半導体関連が軒並み安になった。

いまのウォール街の人気は「弱気の材料には大きく反応」という言葉で表現できる。それぐらい投資家のセンチメントは弱い。

ただハイテク株の中でも今週はいままで売られ続けてきたマイクロソフトが反騰した。足元の業績は別として、2007年の業績が明るいことを発表したのと、400億ドル(46000億円)の自社株買いを発表したことを評価した。これまでダウ採用銘柄のうちではもっともパフォーマンスの悪い銘柄であった。この動きをみていると売られ過ぎた銘柄にはバーゲン・ハンティング(押し目買い)が入るということである。いまひとつ今週の米バロンズ誌が強気の記事を書いたアップルは昨日も上昇した。今週は20%も上がった。この動きをみていると「ハイテクはすべて売り」ということでもない。

金曜日の市場をみていまひとつ注目できるのは出来高である。NY取引所は19億株、ナスダックは24億株と増加した。この点が東京市場と異なり、セーリング・クライマックスの局面を暗示していることは確かである。