足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

意外性のある金相場の上昇

2006-07-01 18:07:15 | 株式

昨日のNY株は小幅安であったが、注目される動きは金相場であった。+4.6%も上昇し$616で引けた。上昇率は2001年9月11日の同時テロ事件後(14日)に記録した上昇率以来だ。

きっかけは29日の連銀FOMCでの利上げのあと、声明文から金利先物市場で8月のFOMCでの再利上げの可能性が50%台に急低下したからである。これによってドル相場が下げユーロが上昇した。ドルの価値が下がるとみた投機筋が金買いに走った。

ウォール街で金の投資家の間で最近、注目されいるのが金とユーロの相場の相関度である。今年の第1四半期には0.37の相関度であったが、4月初め以来、数値が0.55に上昇してきている。ユーロの上昇は裏返せばドルに対する信認の低下であり、金の上昇につながる。

金相場は5月12日に$732をつけた後、6月14日には$566.50まで-22%下げた。秋口までは調整が続くとみてヘッジファンドや商品トレーダーは先物を売るか、ポジションを減らしていた。

今回の反発はインフレ懸念よりもドルに対する信認の低下という側面が強い。年初来、ドルはユーロに対して-7.3%であるが、金はユーロに対しても+16%である。世界の投資家の目は金とユーロとドルに注がれている。残念ながら円は仲間に入っていない。金相場が上昇すればNY株の動きはどうであれ、金鉱株は上昇する。週末は銀,銅相場なども上昇した。

考えていたよりも早い金相場の底入れである。意外性がある。